夢幻の春の宵。お城で夜桜見物

  

今年の花見は、城と夜桜が織り成す不思議の世界へ行ってみませんか?

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春だ!桜だ!お花見だ!

愛媛県全域で桜が満開です。開花を今か今かと心待ちにしていましたが、いざ咲き始めると散り急ぐ桜。急いでお花見に出かけなければ!

さてそんな桜の季節、皆さんは、どんなお花見が定番ですか?お弁当や飲み物を持って、青空の下で賑やかに過ごす?今年はひとつ、しっとりと夜桜見物などいかがでしょう?
今回は東・中・南予のお城を巡り、幻想的な和の世界を堪能する夜桜をご案内します。

これは夢か幻か。南予「大洲城」

約200本のソメイヨシノが咲き誇るという大洲城。到着したのはまだほのかに明るい時間で、お城の向こうに月が昇りはじめました。

沿道に桜が咲く緩い坂道を登りつつふと見下ろすと、暮れて行く町が桜に煙るような景色が。ため息が漏れるような美しさです。

お城を仰ぎ見るように、大きく枝を広げる桜。そして月。三位一体で作り出す、日本の和の風景。一枚の絵のようです。桜の薄紅色に、月が青みがかって見えます。

広場には畳敷きの宴席も設けられています。山と川を背に、桜に包まれぼうっと灯りに照らされた座敷は、竜宮城か、狐に化かされやってきた宴か。ハッと気がつくと、何もなく誰もいない広場に一人座っているのでは。そんな不思議な感覚に陥る異次元のような光景に魅入られます。


提灯の灯の下でゴザを広げてお花見をしている人たちもたくさんいました。なんだかみんな、薄赤い光の中をスローモーションで漂っているように見えました。


観光さくらまつり
開催期間/3月25日(日)〜4月25日(水)
[イベント情報詳細を見る]
http://www.ozucastle.jp

苦労して登る価値あり!中予「松山城」

松山城での夜桜見物は、事前に心づもりが必要です。なぜならお城まで登るロープウェイの運行が17時30分までだから。夜桜を見物するには、歩きやすい靴で、がんばって登城道を登りましょう。
(ただし、松山春まつり開催日の4月7日(土)・8日(日)は21時までロープウェイ運行)

登り口の築城主・加藤嘉明公にご挨拶をして、ひたすら山道を上へ上へ…

桜と石垣の向こうに、白く光る天守が見えてきました。神々しいほどに輝いています。

約20〜30分で本丸広場に到着!白やほの赤いライトに照らされた城と桜が、ゆらりと闇の中に浮かび上がって見えます。雪景色を思い起こさせるような清らかさです。


こちらは搭乗口の嘉明公より丸く可愛らしい「よしあきくん」です。桜と城を背景にキリッと。

ライトアップされた桜越しに、松山の夜景を眺めることもできますよ。
長い山道を登れば、苦労する価値のあるゴージャスな景色が待っています。


松山城 桜ライトアップ
開催期間/3月20日(火)〜4月15日(日)
[イベント情報詳細を見る]
http://www.matsuyamajo.jp

優しく上品にライトアップされた、東予「今治城」

今治城は海のすぐ近くにあり、お堀の水には海水を引き込んでいる珍しい城です。お堀にかかる土橋を渡ってお城へ向かいます。

まっすぐ城へ向かう橋の両側に桜が咲き、正面にはお城の石垣。お堀からの風が肌に心地良く、にわかに春の訪れを感じます。

来た道を振り返れば桜のトンネル。

がっちりと組まれた力強い石垣と、風にハラハラと花びらを落とす柔らかな桜のコントラストがとても雅やかな雰囲気です。

今治城にも馬にまたがったお殿様が。こちらは城造りの名手として名高い藤堂高虎公です。桜がぐるりと取り囲む中で、まっすぐ前を見据えています。馬が今にも動き出しそうな躍動感…。光の中でさらに勇ましく見えます。

先ほどの高虎公の視線の先にある二の丸跡広場は、桜がお城を背景に咲き誇っています。お城とお殿様に見守れているような安心感のもと、お花見を楽しむことができます。自然のままの色彩を愛でることができる上品なライトアップで、花はひたすら静かに、そして優しく見えます。心穏やかに、ゆったりとこの景色を愛でましょう。


今治城
住所/愛媛県今治市通町3-1-3
http://museum.city.imabari.ehime.jp/imabarijo/

お城と桜は、やはり日本を代表する景色のひとつ。最強の組み合わせと言ってもいいかもしれません。夜の桜はただでさえ幻想的で、夜空に舞う花びらを見上げていると異空間へ放り出されたような心地になります。そこにお城が加わると、時代をずーっと遡って行くような、時間の感覚までも変わるようです。

いざ、城と夜桜の不思議の世界へ。

※飲酒運転や未成年の飲酒は禁止されております。
※この素晴らしい景色をまた来年も楽しむことが出来るように節度あるマナーでお花見を楽しみましょう。

reported by イマナニ編集部
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