【北条鹿島まつり 愛媛/松山市】 瀬戸内海の雄・河野水軍に思いを馳せて

  

2023年5/3~4開催 歴史と伝統ある水軍ゆかりのお祭りへ行こう!

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松山市の北側に位置する無人島・北条鹿島。
多くの鹿が住むこの島は、3分ほどの渡船で行ける身近さや自然あふれる環境から、アウトドアにもおすすめのスポットとして休日は多くのレジャー好きが訪れる場所でもあります。

そんなこの北条鹿島は、毎年GWとなる5月3日、4日に伝統的なお祭りが開催されることでも知られています。

それが「北条鹿島まつり」!
このお祭りでは、古く平安時代よりこの地域で活躍していた河野水軍の活躍の名残が見られるとして、地元民を中心に大勢の人が足を運んでいるんですよ。

時は平安~鎌倉時代。当時船を使っての交易は、現在の愛媛である伊予国にとって非常に重要なものでした。
ですが当時は瀬戸内海の島々のあちこちに、海賊と呼ばれる人々が存在していた時代。
行き交う船を荒らしたり襲うイメージのある海賊ですが、海の武士団として彼らを統治していたのが、当時この地域で有力な豪族であった河野氏による“河野水軍”です。

河野水軍は周辺海域を根城とする海賊たちと上手に関係性を構築し、時には彼らの力を借りて他国との交易や情報収集を盛んに行い、伊予国を盛り上げていきました。
その活躍は当時、海を越えた隣国や瀬戸内海中に知れ渡っていました。
そんな彼らの功績が祭りという形で時代を超え、現代にも伝えられているのですね。

祭りの見どころ!「鹿島の櫂練り」&「大注連縄の張替」は必見!

お祭りの見どころとなる行事は大きくふたつ。ひとつは初日の5月3日に開催される「鹿島の櫂練り(かしまのかいねり)」です。
毎年春と秋に行われ、愛媛県指定無形民俗文化財にも指定されているこの祭事。
これは先述の平安~鎌倉時代に、河野水軍が出陣時の戦勝祈願や凱旋帰還時の祝勝奉賛として、鹿島に祀られている神様の前で演じ奉納したものが始まりとも言われています。

祭事の際は鹿島周辺の海にて、提灯やのぼりで飾り付けた船の上で勇壮な奉納踊りが披露されたり、神輿を乗せた船を転覆しそうなほどに左右に揺する海上練りが行われます。
威勢の良い掛け声と共に行われるこの祭事は、その昔勇猛果敢に海へ出陣した河野水軍の男たちの姿を彷彿とさせますね。

そしてもうひとつの見どころは、2日目の5月4日に開催される「大注連縄の張替」。
年に一度鹿島海上の伊予二見で行われるこの祭事もまた、源平合戦として有名な屋島の戦いに伊予国の将軍・河野通信氏が源氏側として出陣した際に行われた、必勝祈願の祭事が元となっているそう。

一度は時代の流れの中で失われた行事でしたが、1957年に復活して以降は海上安全や五穀豊穣を祈願して行われる祭事となったこの催し。
当日は鹿島沖の夫婦岩、玉理・寒戸島に張られる大注連縄を作るところから始まり、制作から張替えに至るまでの作業も間近で見学できるようになっています。

長さ約45m以上・直径約30cm・重さ約1tもの大注連縄に織り込まれるのは、この日に向けて県内各所から集められた「願い文」。
大勢の人々の様々な願いを込め、大注連縄は海の神様へと奉納されるそうです。

イベント当日は鹿島への渡船場から島本土までの周辺地域が、多くの人出で賑わいます。
屋台の出店などもあり、大人から子どもまで家族で足を運ぶ人も多いのだとか。

また祭事以外にも、雰囲気を盛り上げるステージイベントなども開催予定とのこと。
土手内港、東町浦公園周辺に臨時駐車場も設置の予定ですが、かなりの混雑も予測されるため可能であれば公共交通機関を使って足を運ぶのがおすすめです。

数百年に渡って現代まで伝えられる、愛媛の地の歴史を感じられる北条鹿島まつり。
目の前に穏やかな瀬戸内海を臨むこの場所ならではのお祭りで、はるか遠く昔、海に生きた男たちのロマンに思いを馳せて。
ぜひこのイベントを、楽しんでみてはいかがでしょうか!

■ 北条鹿島まつり
開催日/2023年5月3日(水)、4日(木)
開催時間/
開催場所/北条鹿島周辺
住所/愛媛県松山市北条辻
料金/無料
お問い合わせ/松山市役所 産業経済部 観光・国際交流課(089-948-6558)
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reported by イマナニ編集部 曽我美なつめ
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