「生誕100年 山下清展」 【愛媛/新居浜市】
放浪の天才画家・山下清の画業と人生を回顧する展覧会
こんにちは、えだまめです。
新居浜市美術館(あかがねミュージアム)で開催中の冬季特別展「生誕100年 山下清展 -百年目の大回想」に行ってきました。
有名な貼り絵の作品の他にペン画、油彩画、陶芸作品や日記まで展示された「放浪の天才画家」と称される山下清の画業と人生を回顧する展覧会です。
私は新居浜にあまり行ったことが無いので「道に迷うかも…」と一瞬悩んだのですが、音声ガイドのナビゲーターが声優の梅原裕一郎さんだと知り、「もうこれは行くしかないでしょ!」とすぐ計画を立てました(笑)
調べてみると、会場のあかがねミュージアムは新居浜駅のすぐ近く。
それならば、とJRを利用して新居浜へGO!
新居浜市美術館が入る総合文化施設「あかがねミュージアム」
「あかがね」の名のとおり、銅板が貼られたかっこいい外観。
特急も停まるJR新居浜駅からすぐ。
駐車場の案内板。
3時間無料サービスの有無もチェックできます。
太鼓台ミュージアムも併設!かっこいい!!
年末年始を過ぎた平日なら空いているかと思っていましたが、入館してみると結構な人出で、音声ガイドの貸出も多い様子。
会場内は清の生涯をに沿った構成になっていました。
大好きだったという昆虫や風呂や食事などの日常などを描いた幼少期の鉛筆画に続き、養護施設「八幡学園」で出会ったちぎり絵(貼り絵)のコーナーへ。
最初は直線を紙で貼ったシンプルなものでしたが、だんだんと細かなパーツが貼られるようになり、構図に奥行きが出てくるようになります。
モチーフも、学園内の日常から静物画へと変化がみられ、作品の完成度がぐんぐん上がっていくのが分かりました。
手でちぎられた同じ大きさの小さな色紙が均等に貼りつけられた作品は、まるで織物のよう。
あちこちから「すごいねえ」という声があがっていました。
チケットは1階の総合案内で購入。
グッズ売り場もこちら。
音声ガイドは一台600円。
ガイド時間は約30分です。
会場は2階。
階段を上ってGO!
円形が美しい「屋内ステージ」。
同じフロアにカフェも。
1階の「にいはまギャラリー」もぜひのぞいてみてください。
「好きだから描く」という純粋な気持ちが伝わる作品群
会場には実際に放浪に使っていたリュックや浴衣、放浪日記なども展示されていました。
山下清と言えば、蘆屋雁之助主演のテレビドラマのイメージが強いですよね。
私も、清は全国各地をおにぎりを食べつつ絵を描いて放浪していたと思っていたのですが、放浪に画材は持っていなかったそう。
旅先で見た風景を記憶して、学園や家に戻ってから貼り絵を制作し、出来事を日記につづったそうです。
ものすごい記憶力と再現力に衝撃を受けました。
清は有名になりすぎたため、昭和29年を最後に放浪を終え、その後は画家として創作活動をするのですが、「自分の行きたいところにぶらりと行くのは悪いことではないと思う」という言葉が印象的でした。
展覧会受付。
券をちぎってもらい音声ガイドを受け取ります。
ロビーは撮影可。
フォトスポットになっています。
「ともだち」。切手が使われているのが分かります。
展示室内の実物と見比べるのも楽しいですね。
プロジェクターを使って投影された「群鶏」。
実物は油彩画です。
会場の外で清本人が出演する昭和32年の記録映画の上映もされていて、太いマジックペンを使ってスケッチをする姿や、自らが紙の色を選び、こよりをひねり、小さな紙を貼り付けていく貴重な制作の様子が見られました。
映像を見た後は油彩画や陶芸作品、水彩画などの展示室へ。
油彩画はそれまでの貼り絵と異なり、色彩が鮮やか。
陶芸は全国各地の窯場で絵付けなどをしてたようです。砥部には来なかったのかな?
約190点の展示をじっくりと鑑賞しながら、音声ガイドを何度も再生し、作品キャプションの清の言葉を読み込んで…ふと時計をみると、なんと2時間半も会場に滞在していました!
自分でもびっくり!
家族と行かなくてよかった…。
ヨーロッパ旅行で題材を得た「ロンドンのタワーブリッジ」。
ペン画に水彩を使った「パリのエッフェル塔」。
気に入っていた玩具を描いた空想画「ソニコンロケット」。
清は鹿児島の桜島が好きで何度も訪れたそうです。
数々の作品や言葉を通して人間・山下清の世界を感じることができた本展覧会の中で、私が今回一番印象に残ったのは、「栗」という貼り絵作品。
日中戦争で画材が入手しにくくなった時代に、古い切手をこよりのように使って栗のイガを表現したものです。
大正11年生まれの清は戦争の時代に生き、最初に放浪に出たきっかけも徴兵逃れだったそう。
本展でも戦争に関係した作品が展示されていましたが、反戦などの意図はなく、ただ単にその風景を描いたもの。
それだけに、すぐそばにあった戦争に対する恐れや怖さが伝わってきました。
入場券には「2回目の入場半額」のクーポンが付いていますが、何度も行きたくなる素敵な展覧会でした。
梅原さんの低音イケボが堪能できる音声ガイドもぜひ!
■ 生誕100年 山下清展 -百年目の大回想
開催時間/2023年12月2日(土)~2024年1月21日(日) 9:30~17:00
開催場所/新居浜市美術館
開催住所/愛媛県新居浜市坂井町2-8-1
駐車場/あり 数に限りあり(公共交通機関の利用がおすすめ)
料金/一般1,200円(1,000円)、65歳以上1,000円(800円)、大高生800円(600円)、中学生以下無料、各種障がい者手帳等を持っている人(介助者1名を含む)は無料※()は前売料金・20名以上の団体料金 (税込)
お問い合わせ/新居浜市美術館(0897-65-3580)
新居浜市 公式HPはこちら
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