【新居浜市美術館 令和６年度春季特別展 アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで 愛媛/新居浜市】 「日常の中にある芸術」 アーツ・アンド・クラフツの原点を探る

  

2024年4/27〜6/30開催！ 有用性と美を兼ね備えた170点の作品が展示！

新居浜市美術館にて春季特別展「アーツ・アンド・クラフツとデザイン」が開催されます。
本展では、「近代デザインの父」と言われたウィリアム・モリス（1834-96）をはじめとしたイギリスの作家たちを中心に、モリスの思想に影響を受け、日本とも関わり深い「アメリカ近代建築の巨匠」であるフランク・ロイド・ライト（1867-1959）までの170点の作品を展示。

デザインや手工業を通してアーツ・アンド・クラフツ運動の歴史を探っていきます。

ウィリアム・モリス《いちご泥棒》1883年、モリス商会 Photo ©Brain Trust Inc.

樹木や草花の美しさをデザインに取り込むほど自然や歴史を愛していたウィリアム・モリス。
しかし、19世紀後半、産業革命後のイギリスでは、機械による大量生産が進み、それまで生活の中心であった職人の手仕事が失われつつありました。

デザイナーでもあり思想家、詩人という多彩な顔をもつモリスは、そんな安価な製品があふれる社会に異を唱えます。
手工業の価値や熟練された技術、芸術の美しさを取り戻すべく、思いを共にする仲間たちと商会を設立。
生活と芸術の統一を掲げ、有用性の中にある美を追求して様々な作品を生み出しました。

ウィリアム・ド・モーガン《バラと格子》1872年頃、ド・モーガン工房 Photo ©Brain Trust Inc.

その思想は、イギリスを中心に芸術家や建築家、デザイナー、職人たちへ広がり、やがて「アーツ・アンド・クラフツ運動」という大きなうねりとなりヨーロッパ諸国やアメリカを始め世界各地へ伝わっていきます。
それぞれの国で独自の歴史や文化、社会情勢などを織り交ぜながら、今日まで受け継がれてきました。

新居浜にみるアーツ・アンド・クラフツとは？ さらに深く学べる講演会やワークショップも開催！

日暮別邸記念館外観写真 写真提供:日暮別邸記念館

モリスの没後、スコットランドの工業都市グラスゴーで生まれたアーツ・アンド・クラフツ運動の新しい潮流の影響を受け設計された日暮別邸。
その設計を担当した野口孫市（1869-1915）は、1900年に住友春翠（1864-1926）を家長とする住友本店臨時建築部の初代技師に迎えられ、「住友の建築家」として活躍しました。

日暮別邸を設計する際に課せられた命題は「簡素であること」。
近代工業の島に立つが故の難しい命題に、野口は新潮流「グラスゴー派」を手がかりにしながら内部意匠を設計していきます。

特集展示「日暮別邸にみるアーツ・アンド・クラフツ」では、1960年に住友別子鉱業所接待館として四阪島に誕生した日暮別邸の足跡や、野口が当時影響を受けていたデザインに着目した日暮別邸記念館との連携展示もおこないます。

ウィリアム・アーサー・スミス・ベンソン《卓上ランプ》W・A・S・ベンソン社 Photo ©Brain Trust Inc.

また、講演会やワークショップ、学芸員さんによる展示ガイドも開催！
さらに深く掘り下げて学ぶことができます。
それぞれ開催日、参加条件、申込が異なっているのでご注意ください。

● 講演会「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」
[日時] 2024年4月28日（日）午後2時～午後3時30分
[会場] あかがねミュージアム地下1階 多目的ホール
[講師] 大阪大学名誉教授 藤田 治彦 氏
[定員] 100名　※参加自由・聴講無料

● 関連ワークショップ「つながる模様を作ろう」
[日時] 2024年5月25日（土）午後2時～
[会場] あかがねミュージアム1階 創作スペース
[講師] デザイナー 軸原 ヨウスケ 氏
[定員] 15名　※参加費無料　※要申込（お申込が多数の場合は抽選となります）

● 学芸員による展示ガイド
[日時] 2024年5月4日（土・祝）、6月16日（日） 各回とも午後2時～午後2時30分
[会場] あかがねミュージアム2階 展示室内
[定員] 20名　※参加自由・要観覧券

アーチボールド・ノックス《銀とエナメルのブローチ》1903年頃、リバティ商会 Photo ©Brain Trust Inc.

日常の中にある美を見いだし続けたウィリアム・モリス。
彼を中心に広がったアーツ・アンド・クラフツ運動は、物が溢れる豊かな社会だからこそ、自分の感性を大切にしなさいという思いも込められているのではないでしょうか。

芸術と生活の狭間で理想を追い求めた人々の素晴らしい作品や、新居浜とアーツ・アンド・クラフツの時を超えたつながりを感じられる展示。
この貴重な機会に足を運んでみてください。

※トップ画像、チラシに使用している作品は「ウィリアム・モリス《メドウェイ》1885年、モリス商会 Photo ©Brain Trust Inc. 」
※休館日：月曜日（ただし4月29日、5月6日、6月3日は開館）、4月30日（火）、5月7日（火）、6月4日（火）

■ アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで
開催日/ 2024 年4 月27 日（土）～6 月30 日（日）
開催時間/9：30～17：00（入場は16：30まで）
開催場所/ 新居浜市美術館（展示室1・2）
住所/愛媛県新居浜市坂井町2-8-1 あかがねミュージアム2 階
駐車場/施設併設の有料駐車場があります。施設をご利用の方は総合案内にて3時間無料サービス券をお配りしています
入場料/一般1,000（800）円／65 歳以上800（600）円/大学生以下無料
※（ ）内は、20 名以上の団体料金
※各種障がい者手帳等をお持ちの方(介助者1 名を含む)は無料
※チケットは1 階総合案内にて販売［当日券のみ］
お問い合わせ/新居浜市美術館　電話番号/0897-65-3580
新居浜市 公式HPはこちら
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