椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

  

「初美人」とも呼ばれる、明るい桃色の花がぎゅっと密集して咲く早咲きの品種

0-0.椿神社

こんにちは、えだまめです。
暖かいな~と感じる日が増えたかと思えば、急に冬の寒さが戻ってきたり…「三寒四温」という言葉を実感する時期ですね。

先日、家族の病気平癒をお祈りするために椿神社に行ってきました。
とは言っても、改まったご祈祷ではなく、買い物ついでに思いついてふらりと立ち寄った程度なのですが。

夏越祭、七五三、初詣、椿さんと、年間を通じてしばしば訪れている椿神社。
季節ごとに新たな発見ができる、大好きなスポットです。
その日は平日の午前でしたが、駐車場はけっこう埋まっている様子。

グループでご祈祷でもしているのかな? と思いながら車で裏に回ると、賑やかな鳥の鳴き声が。
見ると、とてもきれいなピンク色の花をつけた木に集まり、バサバサと枝を揺らしながら花を食べていました。
ん? これは何の花だろう? 梅じゃないし、桃かな?

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

大きな鳥居をくぐり抜けます。

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

東側の駐車場には梅が咲いていました。
もう終わりかな?

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

表の玉垣に載っている「玉」には十二支が彫られています。

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

きれいなピンク色の花をつけた木を見つけましたが…何だろう?

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

駐車場にある高い木の上から、鳥の賑やかな鳴き声も聞こえてきました。

鳥居をくぐり境内に入ると、拝殿に上がる手前のところに、先ほどと同じようなピンク色の花が咲いている木が見えました。

「世界平和」と彫られた石碑のそばにあり、周囲には一眼レフカメラを構えた人やスマホで撮影をしている人の姿が。
近づいてみると花は満開の様子。
さっき駐車場で見た、鳥たちが集まっていた木よりも樹高が低いので、近くで花を見ることができました。

香りは特に無く、明るくて濃いピンク色の花がぎゅっと密集して咲いて、モコモコしています。
うーん、かわいい! フリルみたい!

ところが、木の名前が書かれた標識は見当たりません。
写真を撮りながら「…これは何の花だろう? 八重桜には早いし…? やっぱり桃かな?」と頭の中は「?」だらけでした。

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

パッと目を引くあでやかな桃色の花。

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この木は「世界平和」と彫られた石碑のある敷地に植えられています。

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

この日は春を感じる、うららかな陽気。
春はすぐそこ!

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

近くで見たら絶対かわいい! と言ってしまいますよ。

郷土の植物研究家が発見した品種。境内では椿と一緒に楽しめる。

お詣りのために拝殿へ行くと、ちょうど巫女さんたちが舞? の練習をしている様子が見られました。
おお、貴重な(?)光景…こうやって技術を磨くのだな、と感心をしながら参拝し、左手にある廻廊へ進もうとすると、入口に「椿寒桜の原木はこちら」の案内が。

あれ?こんな掲示物、初詣や椿さんの時には無かったよね?
椿寒桜ってなんだろう? と思いながら、十二支の額が並ぶ薄暗い廻廊を歩いていくと、光が差し込んだ中庭の石灯篭の奥に、ピンク色の花をつけた木がありました。

かなり樹高が高いのと、立ち入り禁止のようなので近づけず、はっきりと花の形が見えないのですが、どうやらこれが「椿寒桜の原木」…なのかな?

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

巫女さんが舞の練習をしていました。

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

色鮮やかな椿が描かれた天井絵。

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空いている境内で初めて見つけた「百度石」。

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舟山から拝殿を望む。
夏よりもスッキリしています。

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

こちらには赤い椿が咲いていました。

廻廊に掲げられた説明板によると、昭和三十年代に愛媛の植物研究家の八木繁一氏が境内に咲くこのサクラを発見し、椿神社にちなんで「椿寒桜(ツバキカンザクラ)」と名付けた、とのこと。
特徴として、濃く明るい桃色で密集して花を次々つける、散りにくい、満開時には華麗な姿を楽しめる、とあります。

そうか! さっき境内や駐車場で見たあの花は「椿寒桜」だったんだ!
だから何人も写真を撮りに来ていたんだ! とようやく合点がいきました。

説明板には八木氏のことも詳しく書かれていて、植物の分類研究をライフワークとしていたとのくだりでNHKの朝ドラ「らんまん」をちょっと思い出しました。

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

廻廊の入口に「椿寒桜の原木はこちら」の案内が。

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

壁には松山中央高校美術部と書道部の生徒が制作した十二支の絵馬が。

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

中庭の奥にあった椿寒桜の原木。
背が高い!

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

拝殿の裏からもお詣りできるようになっています。

椿神社発祥の椿寒桜を愛でる 【愛媛/松山市】

ぜひ椿と椿寒桜が並ぶスポットを見つけてみてください!

改めて観察すると、ソメイヨシノや陽光桜とはまた違った、華やかだけど上品な花房で、さすが別名「初美人」と称されるだけのことはあります。
椿寒桜の原木は椿神社ですが、県内では松山市北条地区や松山市堀之内、南レクなどでも見られるようです。

実を付けないため種ができず、接ぎ木で増やしているそうですが、なんと皇居にも植えられているとのこと。
まだ寒さの残るこの時期に咲く早咲きの品種は「伊予路に春を呼ぶ」お椿さんの神社にぴったりだと思いました。

今回は舟山(ふなやま)の周辺の椿がまだ咲いていて、椿と桜、両方の花を楽しむことができました。
松山発祥の珍しい椿寒桜、これから毎年チェックしてみようと思います。

  • ■ 伊豫豆比古命神社(椿神社)
  • 開催場所/伊豫豆比古命神社(椿神社)
  • 開催住所/愛媛県松山市居相2-2-1
  • 駐車場/あり 普通200台
  • 問い合わせ先/伊豫豆比古命神社(椿神社)
  • 電話番号/089-956-0321

伊豫豆比古命神社(椿神社) 公式HPはこちら
伊豫豆比古命神社(椿神社) 公式Instagramはこちら
イマナニで「伊豫豆比古命神社(椿神社)」の情報を見る

reported by えだまめ
イマナニ体験レポート