高知県立坂本龍馬記念館で等身大の坂本龍馬に会おう!夏の企画展&特別展示が開催中

  

格好いいだけじゃない坂本龍馬!そのユーモラスでお茶目な一面大公開!

1

四国・高知が生んだ偉人として、全国的にも有名である坂本龍馬。

激動の時代である幕末期を生き、日本の近代化を進めるべく奔走した彼。その多彩な活躍と、謎の多い死を遂げたエピソードなどから、非常に人気の高い歴史的な人物としてもよく知られる存在ですね。

そんな坂本龍馬についての様々な資料や解説を展示しているのが、ここ高知市の桂浜にある高知県立坂本龍馬記念館。
この博物館では龍馬の残した手紙や彼の持ち物など、非常に貴重な資料が多数展示されています。

それらを間近で観賞し彼の生きた証と息吹に触れることで、ここでは私たちが未だ知らない「等身大の坂本龍馬」に出会うこともできる。
そんな場所ともなっています。

皆さんの中にはこれまで、小説やマンガ、ドラマにゲームなど、様々な坂本龍馬を描いた作品に触れてきた人もきっと大勢いると思います。

そこに描かれるキャラクターとしての彼は、往々にして明るくておおらかで、それでいて豪快で。
誰にもできないことをやってのけた、歴史を動かす立役者としての坂本龍馬であることが多いのではないでしょうか。

確かにそれらもまた、後世に今なお名前を残す彼の姿として、れっきとした間違いのない事実です。
但しそんな格好いい坂本龍馬の姿は、あくまで彼の一側面でしかありません。

実は龍馬自身は生活の苦労がある家ではなく、本家が商家である分家の、比較的裕福な下級武士の家に生まれた次男坊。
しかしそんな家庭環境で育ったからこそ、日本に留まらず世界に目を向ける感性が養われていたこと。
また同時に流行物や、新しいものが大好きだったこと。

そんな彼の本当の一面を知る人は、意外と少ないのではないでしょうか。

この施設では、彼の身の周りにあった道具や手紙から、フィクションのキャラクターや美化されることのない、等身大の坂本龍馬の素顔を知ることができます。

実際は私たちとも近しい感性を持ちながら、他方で様々な偉業を成し遂げた彼の両面をより身近に感じられるのが、高知県立坂本龍馬記念館なのです。

この資料館では、現在、坂本龍馬の息づかいをよりさらに身近に感じることのできる企画展・特別展示が開催中。

まずそのひとつがこちら。
7月9日~10月19日開催の企画展「龍馬が七歳だったころ-天保期の土佐の社会とくらし-」です!

坂本龍馬の子どもの頃の高知はどんな場所?当時の時代背景から彼の故郷・土佐を振り返る

今回開催される「龍馬が七歳だったころ-天保期の土佐の社会とくらし-」。
本企画展はタイトルの通り龍馬の幼少期である天保時代、つまり1840年前後の地元土佐の高知という町の生活文化や民俗がテーマの催し物です。

今から約180年前の土佐藩は、当然今のように便利な道具はほとんどなかった時代。
しかし、当時土佐には坂本龍馬を始めとした大勢の人が暮らしていました。

地元ならではのお祭りや皿鉢料理など、独特の文化が色濃く存在する高知県。
今ではなくなった行事もありますが、当時の様々な神祭行事や人々の風習、人気の食文化などがありました。

昔の人はどんな暮らしをして、どんな仕事に従事していたのか。
当時の子どもたちはどんな遊びを楽しんで、どんなふうに勉強していたのか。

現代とは違う生活様式を楽しめる今回の企画展。
当時の人々の生活の「当たり前」を知ることから、まだ幼い少年であった坂本龍馬の面影を、ここ高知の地に垣間見ることが出来る展示でもありますね。

幼い頃の坂本龍馬の詳しいエピソードについては、実は歴史的根拠のある資料があまり残ってはいません。

正確にわかっているのは、彼が武家の次男坊であったこと。
そして21歳年の離れた兄や、当時としてはかなり大柄で豪胆な気質の姉・乙女の下に生まれた末っ子だったことなど。
彼をとりまく家族構成については、比較的詳細な事象が明らかになっています。

「幼い頃の龍馬は泣き虫で寝小便垂れだった」などという逸話もよく聞くエピソードですが、実はよくわかりません。
しかしこの土佐の地で、龍馬が幼少期を過ごした事だけは間違いない事実です。

当時の彼もここで暮らす人々と同じものを食べ、同じことをして遊び、同じ風景を見て過ごしたのではないでしょうか。

その後成長した龍馬は28歳で高知を脱藩し、33歳で京都にて命を落とします。

日本の夜明けのために各地を忙しく飛び回りながらも、多くの人が故郷を懐かしく思うように。
龍馬もまた自らの故郷の風景や生活を、懐かしく思う事もあったことでしょう。
そんな彼が懐かしいと感じていたであろう習俗や暮らしぶりを詳しく知ることが出来るのが、今回の展示内容です。

大人になった坂本龍馬が懐かしがっていた高知の風景や、暮らしに密着した道具、そして故郷の味。
今回の展示を見るだけでなく、記念館から少し足を伸ばせば、当時の面影も残る高知の風景や食べ物の味を楽しめる。
それもまた彼の地元・高知で、この展示を満喫する醍醐味ですね。

高知・桂浜へ訪れ、当館の企画展示を楽しんだ際は、せっかくなら、さらに少しだけ足を伸ばして、今なお町のあちこちに息づいている、坂本龍馬という人物を育んだ様々な高知の要素にも、ぜひ直接触れて頂ければと思います。

幕末の偉人たちが書いた本物の手紙を公開!真筆書簡からその人柄に迫る

そして現在記念館ではもうひとつ、「等身大の坂本龍馬と盟友たち」を知ることのできる特別展示も現在すでに公開中。
それが坂本龍馬ら「土佐の幕末四天王」、幕末に生きた高知にまつわる歴史的偉人たちの本物の手紙(真筆書簡)の展示です!

こういった歴史資料館や博物館では、様々な歴史的資料の複製や模型が展示されているケースが多く見受けられます。
今回の展示においては、歴史の教科書にも登場する人物たちが実際に筆を走らせて書いた『本物の手紙』を、直接見ることができます。

様々な歴史的資料の、本物を見ることの意義深さ。
その価値はなによりも、その資料本来の内容と状態や形状からも、多彩な情報を得ることができる点に尽きるでしょう。

例えば、手紙に書かれている文字の大きさや筆使い。あるいはその手紙についている折り目。
これらの要素ひとつをとっても、その人物が几帳面な人だったのか、大雑把な人だったのかなどがわかる、非常に大きなポイントです。

手紙によっては墨の継ぎ目や、一度書いたものを上から消した痕跡など。それらのことからも、それが実際に彼らの手によって書かれた手紙だという「生々しさ」が伝わります。

また坂本龍馬に関しては、筆まめだったという逸話もあります。
1日に何通も手紙を書いていたり、仲の良かった姉・乙女に5メートルもの書簡になる超長文の手紙をしたためた、というのは有名な話。

また内容の冒頭半分近くが近況報告となり、加えて追伸が同じ長さとなった手紙や、書いている途中でいろいろと思い出したのだろうと思われるメモ書きのような文章などが、本筋の文章の脇に小さな文字や絵図で多数書かれた手紙など、その内容も実にユニークです。

当時様々なことをうんうんと考えながらシリーズのように手紙を書いていた龍馬の姿が、非常に鮮やかに想像できる。
そんな魅力が、書簡には宿っているのです。

メインコンテンツとなる坂本龍馬の手紙はもちろん、土佐の幕末四天王や同じく土佐出身の岡田以蔵にまつわる資料などが、ここまで一度に読める機会は非常に珍しいもの。
ぜひこちらも記念館に足を運んだ際は、あわせてチェックしておきたい展示ともなっていますね。

日本の夜明けを背負った坂本龍馬、彼の息吹をもっと身近に感じよう!

様々な歴史を変えた偉人たちが為した功績で、現在の日本という国は成り立っています。
とはいえ彼らも、私たちと近しい感覚も持つ普通の人間。同時に彼らにも、生まれ育った故郷や幼かった時代が存在しています。

高知に生まれ育った偉人・坂本龍馬も、例外ではありません。
いろんなフィクション作品で描かれる彼の活躍は、確かに格好よく目覚ましいものばかり。
しかしこの記念館では、そんな彼の少しユーモラスな一面や無邪気な部分も含めて、本当の坂本龍馬の姿を知ることができるのです。

私たちがまだ知らない、一人の人間としての坂本龍馬。
ある種、意外性も満載な彼の一面を新たに知ることで、よりさらに坂本龍馬という人が好きになる。
そんな高知県立坂本龍馬記念館へ今年の夏はぜひ、家族と、友達と、あるいは一人でも。気軽に足を伸ばして、あなたも「等身大の坂本龍馬」に会いに行ってみてくださいね。

■ 特別展「龍馬が七歳だったころ-天保期の土佐の社会とくらし-」
開催日程:7月9日~10月19日
開催時間:9:00~17:00
開催場所:高知県立坂本龍馬記念館
料金:一般700円(税込)、高校生以下無料
問合先:高知県立坂本龍馬記念館
TEL:088-841-0001
イマナニで「特別展「龍馬が七歳だったころ-天保期の土佐の社会とくらし-」」の情報を見る

■ 高知県立坂本龍馬記念館
住所:高知県高知市浦戸城山830番地
TEL:088-841-0001
営業時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
定休日:なし
料金:企画展開催中大人700円(展示替期間500円)、高校生以下無料
(20名以上の団体:企画展開催中560円、展示替期間400円)
問合せ先:高知県立坂本龍馬記念館総務・企画課
イマナニで「高知県立坂本龍馬記念館」の情報を見る
高知県立坂本龍馬記念館 公式HPはこちら

reported by イマナニ編集部 曽我美なつめ
イマナニ特集