本当に趣味の世界「趣味の鑑賞石展」

  

酒魅人    イマナニ体験レポート

知らない世界の扉が身近にありました

鑑賞石、それは自然石を愛でる趣味。

遡れば平安時代には自然石を鑑賞する上流階級の人たちがおり、茶の湯の広がりとともに多くの大名や文人墨客に愛された趣味、だそうです。
そんな趣味の世界を覗いてきました。

そもそも鑑賞石には自然石から山水の情景を見出す水石、森羅万象の形態を見出す形象石、花柄や文字などの模様を楽しむ紋様石などいろいろな種類があるみたいです。
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わかりやすく一番目を引く方解石
わかりやすく一番目を引く方解石 色の違う部分は蝋のようなぬめりを感じます カニの爪?でしょうか… どう見ても黒い卵
伊予楽石会の方々が山に川に収集にでかけたり、同好の士と交換したりして手に入れた石が展示されているのですが、確かにどれも興味をそそられる造形でこんな石が落ちてるの?と思うような石もあります。

ちなみに鑑賞石を探しに行くことを探石と言うそうで、川や山に出かけるのは運動不足の解消にもなるのでまさに一石二鳥ですね。
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まるで立体山岳図
まるで立体山岳図 海岸の洞窟みたいです 水に削られたのでしょうか? 削られた層がよく見えますね

楽しみは石を探すことだけでは無く

サイズの小さい石は棚を作ったり十二羅漢に見立てたりと別の楽しみ方もあるようです。
産地は同じでも石の種類や削れ方でいろいろな表情になって面白いですね。

そして、お気付きでしょうか?石の置かれている台、このピッタリと石が収まる台を作成するのも作台といって鑑賞に良い姿勢で石を固定するために趣向を凝らす楽しみなのだそうです。
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この違棚も自作でしょうか
この違棚も自作でしょうか 本当にいろいろな表情がありますね 貝の模様にも見えます 写真ではわかりにくいですがキラキラと綺麗なのです
探石で楽しい、作台で楽しい、もちろん鑑賞で楽しい、そして同好の士との交流も楽しい鑑賞石の世界はいかがだったでしょうか?

仲間たちと自慢の石を持ち寄り、鑑賞しながらお酒を飲むといった江戸時代の茶の湯に通じる集まりもあるそうですよ。

こんな趣味の世界を知ってしまったら今度から足元の石をチェックしながらの登山や川遊びになりそうです。
鑑賞の友のお酒を選ぶのも楽しいですしね。
趣味の鑑賞石展
開催日/5月8日(火)~5月13日(日)
開催時間/9:30~17:00(最終日16:00まで)
開催場所/NHKアートギャラリー(愛媛県松山市堀之内5)
問い合わせ先/一般財団法人NHKサービスセンター松山支局 TEL.089-921-1159
reported by 酒魅人