『かこさとし絵本展』は子どもたちへのメッセージ
夏休みは、親子で「歴博」へ出かけよう!
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催が心配されていた特別展「かこさとし絵本展〜未来を生きる子どもたちへのメッセージ」ですが、三密防止と感染対策を講じた上で、無事に開催しています!
国民的絵本作家・かこさとしは2018年に惜しまれつつこの世を去りましたが、その作品は今もなお、子どもたちの心に生き続けています。
代表作である「だるまちゃんシリーズ」や『からすのパンやさん』など、遊びの現場から生まれたアイデアや伝承遊びをもとに制作された絵本をはじめ、身近な自然、宇宙、歴史、健康に至るまで、多岐にわたるテーマを題材としてきたその著作は600冊にも上ります。
本展では、そんなかこさとしの絵本の世界を、複製原画約100点などを通じて紹介しています。
総合案内では、かこさとしの絵本に登場するキャラクターがお出迎えしてくれました!
だるまちゃんやからすの子どもたちと一緒に、ソーシャルディスタンスを守りながらチケットを購入します。
▲常設展と特別展のセット券を購入すると、オリジナル絵はがきをプレゼント!どちらか1枚を選べます。
今回も、ラストでチケットのプレゼント企画があります!
常設展示観覧券+特別展示観覧券がセットになった「共通観覧券」が抽選で当たりますよ。
応募期間が短いので、気になった方は急いでご応募してくださいね!
子どもたちの心に寄り添う、かこさとしという人
学芸員の大本さんに、会場内を案内してもらいました。
「だるまちゃん」シリーズの主役であるだるまちゃんとてんぐちゃんが迎えてくれるアーチを抜けると、まずはかこさとしの生い立ちや絵本作家をめざすまでを、写真やパネルで紹介しています。
幼少期からの可愛らしいかこさとし少年の姿を写真パネルで紹介しています。
子どもたちの未来を想うかこさとし本人の少年時代についても知ることができ、なんだか親しみが湧いてきます。
時代を超えて愛される名作「だるまちゃんシリーズ」
愛らしいだるまちゃんが、てんぐちゃんやうさぎちゃんなど、いろんなお友達と出合う「だるまちゃんシリーズ」。
日本の郷土玩具「だるま」を主人公とした絵本ですが、これはロシアの民俗玩具「マトリョーシカ」に感銘を受けて、「日本の子どもたちに日本らしいものを」との想いから生み出されたものだそう。
「かこさとしは、世代を超えて伝えられる伝承遊びの研究にも熱心でした」と大本さん。
そんな遊びの現場から生み出されたアイデアをもとに制作された絵本には、自分で考え、工夫をして楽しむだるまちゃんの姿がユニークに描かれています。
制作過程がわかる貴重な下絵の複製画も展示!
素朴なタッチに、彼の人柄があらわれているように感じます。こんなに間近でじっくりと見られるのも、この機会ならではですね。
子どもたちの好奇心を刺激!『からすのパンやさん』や『どろぼうがっこう』
続く展示は、こちらもかこさとしの物語シリーズの代表的作品『からすのパンやさん』。
育児と商売に奮闘するからすの夫婦と、4羽の子どもたちの家族の物語です。
子どもが生まれ、家事と育児、仕事の両立をめざすからすの夫婦。
そのストーリーは、まるで現在のワーク・ライフ・バランスを表現しているかのよう!
大人が見ても面白く、なかなか考えさせられるテーマですよね。
いろんな形をしたパンやおいしそうなお菓子が紙面いっぱいにぎっしりと描かれていたり、いろんな毛色をした個性豊かなからすが登場したりと、子どもたちの好奇心を刺激する仕掛けがたくさん。
「子どもって、どろぼうとか、ちょっと怖いにも惹かれますよね」と大本さん。
次は、そんな子どもたちの興味をそそるどろぼうをテーマにした絵本を紹介してくれました。
「どろぼうがっこう」は、ちょっぴり怖くて、間抜けで、愛嬌があって。
そんなどろぼうがっこうの先生と生徒たちのお話です。
どんなことを教えてもらうのか、どんなどろぼうをするのか…
予測できないこと引き込まれるストーリーに子どもたちはドキドキ!
これらも下絵や原画の複製をたくさん展示しているので、細部まで描き込まれた一つひとつをじっくりと鑑賞してみると、いろんな発見がありそうですよ。
科学者でもあった、かこさとしの多彩な絵本の世界
東京大学工学部応用化学科を卒業し、研究職に就いていたかこさとしは科学にも造詣が深い人物。
人間の進化の過程や自然、宇宙を描いた科学絵本も多数発表しています。
今回の展示では、人間の生い立ちや自然、宇宙、さらに歴史にまつわる著作の複製原画を展示。
人間の一生を紹介する展示など、物語絵本とはまた違うタッチで描かれたかこさとしの絵本の世界に触れることができます。
郷土玩具や伝承遊び、愛媛との関わりも
かこさとしの生い立ちから物語絵本、科学や歴史を描いた作品という流れで鑑賞してきた展示もいよいよ最後のコーナーに差し掛かります。
ここでは、彼の研究対象の一つでもあった郷土玩具や伝承遊びを紹介しています。
実はかこさとし、愛媛にゆかりがあるって知っていましたか?
高校時代、松山出身の国語教師で俳人の中村草田男から俳句の指導を受けていたそうで、ペンネームの「里子」は、その時に使っていた俳号に由来しているといわれているとか。
そんな縁から、愛媛の郷土玩具や伝承遊びの情報もたくさん収集しています。
「伝承される子どもの遊び」のコーナーでは、かこさとしが研究した伝承遊びや郷土玩具についての展示をしています。
全国各地の絵描き歌や、全国の郷土玩具をすごろく化した『だるまちゃんすごろく』も紹介。
「『だるまちゃんすごろく』には宇和島の牛鬼なども登場していますから、複製原画から探してみてください」と大本さん。
「この絵描き歌はやっていたなぁ」「うちの地域ではこれだった!」なんて
大人のほうが思わず見入ってしまいそう。
親から子へ、「お父さんはこんな遊びをしていたんだよ」と伝える機会にもなりそうですね。
鑑賞後は、ミュージアムショップや図書館へ
ミュージアムショップでは、かこさとしの絵本や書籍、絵本に登場するキャラクターのグッズなどを販売。
親子でペアルックができるTシャツも可愛いですよ!
また、展示の鑑賞後に、ぜひ立ち寄っていただきたいのが図書館!
「かこさとし絵本展」にちなんで彼の作品を紹介したコーナーを設置しており、「だるまちゃんシリーズ」や『からすのパンやさん』のお話を館内で読むことができます。
「特別展に展示されている原画と絵本を見比べて楽しんでください」と大本さんにおすすめの楽しみ方を教えてもらいましたよ。
昔懐かしい遊びの体験もおすすめ!
愛媛県歴史文化博物館では、土・日曜、祝日、8月13日(木)、14日(金)にはワークショップを実施しています。
特別展の会期中に楽しめるのは、7月26日(日)までの「オリジナルけん玉をつくろう!」と8月30日(日)までの「アイロンビーズでブンブンごまを作ろう!」。さらに8月1日(土)より「樹脂粘土でパンマグネットをつくろう!」もはじまります。
※会期中でも材料がなくなり次第終了しますので、気になる方はお早めに!
子どもはもちろん、意外と大人もハマっちゃうけん玉。
この機会に、マイけん玉を自分で作って、子どもの頃に鍛えた腕前?を披露するのもアリですよ!
イマナニで「オリジナルけん玉をつくろう!」の情報を見る
ちびっこに大人気のアイロンビーズも、歴博ではひと味違います!
好きな色や形のアイロンビーズを作ったら、紐を通してブンブンごまにするのです。
出来上がったら、みんなでブンブンと勢いよく回して遊びましょう!
イマナニで「アイロンビーズでぶんぶんゴマをつくろう!」の情報を見る
「樹脂粘土でパンマグネットをつくろう!」のワークショップでは、樹脂粘土を使って小さくてかわいいパンの形のマグネットをつくります。
モチーフはメロンパンまたはクロワッサン。頑張って本物そっくりに仕上げてみましょう!
イマナニで「樹脂粘土でパンマグネットをつくろう!」の情報を見る
かこさとしから、未来を生きる子どもたちへ
かこさとしは、東日本大震災の発生後、子どもたちへ向けて、震災をテーマとした作品を発表しています。
それは、被災した子どもたちへのエールでもありました。
未来を切り拓く子どもたちの心に寄り添い、全力でエールを送る。
そんなかこさとしの想いに触れ、学芸員の大本さんは「西日本豪雨に被災した子どもたちへ、彼の想いを伝えたい」と決意。
県内の図書館などの施設で絵本の読み聞かせや解説をする行事を行って来られました。
本展の関連イベントとしても、8月8日(土)、8月27日(木)に特別展トーク「かこさとしの世界―絵本と伝承あそびー」を企画しています。
特別展を鑑賞した後に大本さんの解説を聞くと、かこさとしの絵本の世界がもっと好きになるはず!そのメッセージをぜひ親子で受け取ってくださいね。
抽選でペア15組・30名様に無料入場券をプレゼント!
特別展「かこさとし絵本展〜未来を生きる子どもたちへのメッセージ〜」
常設展示観覧券+特別展示観覧券のセット券です。
チケット希望の方は「チケットプレゼント係へ」と題して
●ご氏名
●ご住所
●郵便番号
●電話番号
を明記の上、下記メールアドレスへご応募下さい。
event-p@ma.kk-spc.co.jp
応募期間:2020年7月17日~8月2日
※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせて頂きます。
多数の応募ありがとうございました。
期間を過ぎた為、チケットプレゼントは締め切らせて頂きました。
■ 特別展「かこさとし絵本展〜未来を生きる子どもたちへのメッセージ〜」
開催期間/2020年5月12日(火)〜8月31日(月)
開館時間/9:00〜17:30(入館は17:00まで)
※ただし、8月13日(木)〜16日(日)は9:00〜18:30(入館は18:00まで)
開館期間中の休館日/7月20日(月)
観覧料/大人(高校生以上)700円(1,000円)、65歳以上350円(500円)、小中学生350円(350円)※()内はセット券(常設展+特別展)の観覧料
■ 関連イベント
特別展トーク「かこさとしの世界―絵本と伝承あそびー」
日程/2020年8月8日(土)・8月27日(木)
時間/11:00〜12:00
講師/大本敬久(当館学芸員)
会場/多目的ホール
料金/無料
対象/小学生〜一般
定員/先着50名(要事前申込)※定員に達し次第、受付を終了します。
申込方法/HPのお問い合わせフォーム(top@i-rekihaku.jp)、または電話(0894-62-6222)にてお申し込みください。
申し込み時に必要な情報
ご氏名・お住いの都道府県・ご連絡先
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