道後温泉をもっと楽しむ!

  

観光客も地元の人も、道後温泉は楽しみ方無限大!

00道後温泉本館

やっぱり道後温泉!

日本最古ともいわれ、『日本書紀』にも登場する道後温泉。愛媛県を代表する観光名所のひとつです。
でも愛媛に住んでいても実はまだ行ったことがないという人も、意外と少なくないのかも。

今回は道後温泉の3つの外湯「道後温泉本館」「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」「道後温泉 椿の湯」を、隠れた注目ポイントなども織り交ぜてご紹介します。
地元の人も観光で訪れる人も、ひと味違った道後温泉の楽しみ方を!

「道後温泉本館」は、ここがすごい!

まずは「道後温泉本館」。築120年を超える木造の堂々たる建物は、日本の公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定されました。
注目すべき素晴らしい点は、重要文化財でありながら、今も現役の公衆浴場として変わらず営業を続けていることです。
大切に使われ続けてこその文化財なのです。

これから先も未来へつないで行くために、平成31年(2019)1月15日から保存修理工事が始まる予定です。
現在この工事を支援する「桶募金」が行われています。
本館の正面入り口に風呂椅子に乗った風呂桶の形の募金箱が置かれていますので、ぜひご協力を。

工事の間も、神の湯で営業は継続されます。
さらに本館の南側にある小山「冠山」に新しく足湯が設置されたり、工事用囲いのラッピング、工事見学会など、工事中だけのお楽しみ企画も考えられたりしているそうですよ。

「坊っちゃん」と道後温泉

さて、松山といえば、かの文豪・夏目漱石が松山を舞台に書いた小説『坊っちゃん』が有名です。
坊っちゃんは東京から松山にやってきた若き教師。
どこを見ても「東京の足元にも及ばない」と松山を手厳しく嘲る坊っちゃんですが、「温泉だけは立派なものだ」と道後温泉を褒め讃えます。

坊っちゃんは足繁く道後温泉に通い、「深さは立って乳の辺まで」のちょっと深めの浴槽で泳ぎ回っては楽しんでいました。
しかしある日「湯の中で泳ぐべからず」という札を貼られてしまいます。

上の写真をよく見ると、左側の壁に木の板が…。

「坊っちゃん泳ぐべからず」。
そう。小説のエピソードにちなんで、階下(1階)の神の湯男子東浴室には本当に木札が貼られているのです。
男子浴室にしかありませんので、男性の皆さん、必見ですよ!

聴く楽しみも味わおう

「音」も聞き逃さないで。
本館の屋上にある赤いギヤマンの窓に囲まれた振鷺閣(しんろかく)では、午前6時に6回、正午に12回、午後6時に6回、太鼓が打ち鳴らされます。
「刻(とき)太鼓」と呼ばれるこの太鼓の音は、「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。
道後名物でもある太鼓の音にぜひ耳を傾けましょう。

新名所「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」

続いて「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」へ。
飛鳥乃湯泉 は平成29年(2017)に道後温泉に新たに誕生しました。
飛鳥時代の建築様式を取り入れ、愛媛県の伝統工芸と最先端のアートが融合した魅力溢れる温泉施設です。

こちらも本館と同じように、塔屋の上に白鷺像が見えます。
現在は本館にも飛鳥乃湯泉にも白鷺が翼を広げていますが、実は本館の白鷺は、当初金色だったとも言われているそうですよ。

足元にも注目して!

飛鳥乃湯泉は建物の外にも注目ポイントがたくさんありますよ。

建物に囲まれた中庭は一見普通の石畳ですが、一時間おきに噴水が吹き上がります。
暑い季節などは子どもたちが歓声をあげて大はしゃぎ。大人も思わず笑顔になる楽しい仕掛けです。

そして石畳の奥にあるのが「椿の森」。
こちらはなんと、聖徳太子に由来します。聖徳太子は道後温泉に来浴したとされており、その際に美しく茂る椿を讃えたと伝わっています。
当時の様子をイメージしてつくられたのが、この「椿の森」なのです。
足元の「湯の川」には、水ではなく温泉が流れています。湯気が庭をより幻想的に魅せてくれます。

みきゃんを探せ!

建物の中ではアーティスティックに演出した素晴らしい愛媛の伝統工芸を随所に見ることができます。
例えば浴槽の壁を飾るのは砥部焼の巨大な陶板。雄大な愛媛の風景が砥部焼でみごとに表現されています。

2階の大広間は大州和紙に金属箔が輝く美しいランプシェードなど、見惚れるばかり。

その大広間の床の間に、大きな絵「新・道後温泉界隈之繪圖」が飾られています。
空から見た道後温泉の風景が繊細に描かれ、よく見ると通りを歩くたくさんの人の姿が。
実はこの中に、愛媛県のイメージアップキャラクター「みきゃん」を始め10種のキャラクターや、聖徳太子もいるそうですよ!

湯玉を探せ!

他にもつい見逃しそうな小さなところにも、素敵なものがたくさん発見できます。
一例が、道後温泉のシンボル「湯玉」。湯玉は湯が落ちるしずくや湧き上がる湯の泡がモチーフと言われています。

大きなもの、小さなもの、館内にたくさんある湯玉を探してくださいね。

みんなが集う憩いの湯「道後温泉 椿の湯」

飛鳥乃湯泉の中庭を挟んだ向かい側には、道後温泉本館の姉妹湯「道後温泉 椿の湯」があります。

銭湯のように毎日入りに来るという地元の人も多い椿の湯。
昭和28年(1953)、「第8回国体」が四国で開催された年に建設されました。
その後昭和59年(1984)に改築、平成29年(2017)にも改修が行われ12月26日にリニューアルオープンしました。

平成29年のリニューアルでは、東側の従来の入り口に加え西側に隣接する「飛鳥乃湯泉」の中庭側からも出入できるようになったり、深めだった浴槽を入りやすいように少し浅くしたりといった改修も。

▲男女それぞれの浴室に、坪庭を眺めながら外気に触れて涼める休憩スペースもできました。

気軽な雰囲気で楽しめる椿の湯。地元の人と湯船でちょっと語らうというのも、旅行者にとって粋な楽しみ方かもしれませんよ。

「道後オンセナート2018」もあと少し!

さて、道後温泉界隈では今、「道後オンセナート2018」が開催されています。
「オマージュ(賛歌)」をキーワードに約25名のアーティストが参加した個性豊かなアートの数々を見ることができますよ。
その一部をご紹介します。

▲ 飛鳥乃湯泉の中庭にあるのは大巻伸嗣さん作『つばき』

▲ 「つばき」の中に入ることができます!人が花の雄しべや雌しべになり作品と一体化できるのです。

▲ 同じく大巻さんの作品で、椿の湯の入り口にある『Echoes 月光』。
ねぶたの技法を取り入れた椿の花の彫刻作品です。
白い線は道後の地図を表現しているそう

▲ 道後公園から道後温泉本館へ向かう県道沿いに立てかけられた巨大な風呂椅子は、久村卓さんの作品

平成29年(2017)9月のプレオープン、平成30年(2018)4月のグランドオープン以来様々なアートやイベントで道後の街を彩ってきましたが、平成31年(2019)2月28日にフィナーレを迎えます。
フィナーレまでにぜひ訪れて、アートに酔いしれてください!

長い歴史を歩み、今も、そしてこれからもまだまだ魅力の衰えない道後温泉。
初めての人も、行ったことがある人も、新しい道後を見つけに何度でも足を運んでくださいね。

「道後温泉」HPはコチラ
「道後オンセナート2018」HPはコチラ
イマナニ「道後温泉本館」情報はコチラ
イマナニ「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」情報はコチラ
イマナニ「道後温泉 椿の湯」情報はコチラ

reported by イマナニ編集部 L
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