移住先で夢の手しごとがしたい!いしづち編集学校の卒業生④

  

目指せ皮工房!地元を巻き込んで、持続可能なモノづくりを!

1

「自分が本当に気に入った、自分に似合うものを手作りするのって最高じゃないですか?」

いしづち編集学校、2期生。
昨年、愛媛の西条に移住してきた、近藤ユイさんを訪ねました。

いしづち編集学校とはソラヤマいしづちが運営する、「いしづちエリア(※)の経済を、地域資源などを活用して活性化させるべく、人に来てもらうための仕掛けをつくる『人』を育てることに特化したプログラム」です。

※いしづちエリアとは、石鎚山を中心とした石鎚山系を有する愛媛県西条市・久万高原町、高知県いの町・大川村を指します。

いしづち編集学校は11回の講座から成ります。
オンラインの受講や、現地でのフィールドワークを体験し、修了直前には自分たちの「こうしたい」と考えたプランを皆の前で発表し、実現へ向けて動く…という、実践型のプログラムです。

ゆっくりと時が流れる、西条へ移住

「愛媛は、あたたかいですね」

札幌出身の近藤さんは、東京でご主人と出会い、結婚。
昨年の春に、ご主人のご実家のある愛媛県に家族で移住してきました。

賑やかな東京から、一変。
「我が子の通う小学校の全校生徒は45人!」という、とてものんびりとした西条市丹原地区へ越してきた近藤さん。

「人も気候も、愛媛はあたたかいです」と笑顔。

学びと縁が繋がった「いしづち編集学校」

移住して間もなく、市役所の方から「いしづち編集学校」募集の情報を得た、近藤さん。

起業というよりは、少しでもこの地域のことを知れるかな?と思って、参加しましたのだそう。
それまで全く知らなかった、いしづちエリアの魅力を学ぶことができた!と満足そうです。

実際に現地へ足を運んだフィールドワークが本当に楽しかった、と目を輝かせる近藤さん。
いしづち編集学校に参加し、交友関係の輪が広がるという嬉しい収穫もあったそう。

「起業に関しては、こんなにレベルの高い話を無料で教わっていいのかな!?と思いましたね」
「いしづち編集学校では、非常にたくさんのヒントを頂きました」

靴づくりへの熱い想い

「だいぶクタクタになっているけど、ソールを直せばまだまだ履けます」
そう言いながら、近藤さんが自作したという革靴をみせてくれました。

もともとは趣味で靴を作るワークショップに通っていた近藤さんでしたが、10年程前、本気で「自分ひとりで靴が作れるようになりたい!」と思い立ち、学校に通うことを決意。

10年程前に、東京にある靴の学校に2年間通われ、皮の扱いや靴作りの知識を叩き込んだそう。

皮製品を作るために乗り越えるべきこと

既製品もお手軽・お手頃でいいけれど…
身体を支えている靴こそ、その人の身体にピッタリと合ったものを使いたいと強く感じ、靴作りに魅せられていった近藤さん。

既製品の靴と、近藤さんが作った靴は、絞る部分が違っていました。

「本当はここを絞った方が、アーチができて人間は歩きやすいの」
「フルオーダー・セミオーダーだからこそ、できる自分だけの靴だよね」

近藤さんの夢は、旦那さんの営む「山山写真館」横に、「皮工房」を作ること。
しかしながら、その実現には…まだ少し時間がかかるようです。

棄てられてしまう、ジビエの皮に注目!

「ここ西条では、質の良い手頃な皮を手に入れるルートがまだ見つけられない」と近藤さん。

東京には業者向けの皮を扱うお店があり、いつもはそこで購入していたそう。
西条には皮専門のお店は少なく、手芸店のようなところで入手すると、靴や鞄といった大型のものを作るには割高になってしまいます。

そこで、ジビエに目を向けた近藤さん。
「捕獲された鹿は、肉以外棄てられてしまうんです」

持続可能な「完全手作り」を目指して

いしづち編集学校の最終発表の際、自分で皮を手に入れる方法を発表しました。
それは、ジビエ(狩猟によって食材として捕獲された、野生の鳥獣)の皮をなめすこと。

「私たちが西条に移住する時にお世話をしてくれた方が、罠猟をされる方だったんです」
「棄てられる皮を使えないかな、と本気で考えています」

自分で皮を手に入れて、自分で皮を切って、自分で皮を縫って。
本当の意味での「完全手作り」が叶う日が、すぐそこに来ているかもしれません。

いしづち編集学校が繋いだ「縁」

「まだ、皮工房の件は大きく進展していませんが…」
「いしづち編集学校の出会いで、モノづくりができました!」

そう語って見せてくれたのが、「ポーチ」!

妄想工作所 × ソラヤマいしづちコラボ商品!
石鎚ポーチ・UFOラインポーチです。

石鎚ポーチ・UFOラインポーチ詳しい情報はこちら

「こちらの縫製を担当させてもらいました」

「最終発表の時に、縫製ができるとアピールしていたのがソラヤマいしづちの石川部長の目に留まってお声がけしていただいたのです」

「好き」と「できる」と「やってみて!」が重なった!

もともと、このポーチはソラヤマいしづちさんが企画した「UFOラインで、大人がUFOを本気で呼ぶツアー」に関連して制作されていました。

ツアー自体は残念ながら、コロナ禍により開催ならずでしたが…
制作されたポーチはそれぞれ、土小屋terraceと山荘しらさにて限定発売されています。

「いしづち編集学校の課外授業の時に、月刊ムーのキャップを被っていたというのも、石川部長がお声がけするきっかけの一つだったみたいです(笑)」

「ポーチ制作のために、UFOラインの下見に同行させてもらいまして、現地の様子の理解を深めながら商品開発にご一緒できたことは非常にラッキーで、今後を見据えた貴重な経験になりました。」

自分の「好き」だったり、「出来る」をアピールすることは、色々なチャンスを掴む要因になることを、近藤さんが証明してくれました。

いしづち編集学校が繋ぐ、未来へ

これまで、趣味でバッグを作ることはあっても、製品として量産するのは、近藤さんにとって、はじめての試みだったそう。
製品として、同じクオリティのモノを作り続けることの大変さが、身に染みたと笑っていました。

この経験は、皮工房で作る皮製品にも活かされるでしょう。
小さなことからコツコツと、チャンスを掴み続ければ、いずれ大きな目標に手が届く―

「いろんなかたちの起業があると思いますが、どんなかたちでも起業したい気持ちがあれば、全力で導いてくれるのがいしづち編集学校だと思います」

「いしづちエリアに限らず、自然と共に生きるこれからの時代の働き方のヒントもたくさん貰えました」
「いしづち編集学校に参加して、良かったです!」

「今後、私の取り組みに興味・共感してくれる方が、地域内・外から、私の拠点を訪れてくれるようになれば…嬉しいですね!」

近々、近藤さんが起業した皮工房が、ご自宅の写真館横にオープンしているかも?!
いしづち編集学校を卒業した近藤さんによる、地域資源を活かした手しごとの指先から目が離せませんね!

■ いしづち編集学校(2021年度の実施内容)
2021年8月5日(木)~2022年1月14日(金)の全11回

※新型コロナウイルス感染症対策のため、一部プログラムはオンライン形式にて実施します。
※新型コロナウイルスの感染状況によっては開催日時や開催方法が変更となる場合があります。

お問い合わせ先:ソラヤマいしづち 担当 石川
お問い合わせ電場番号:0897-47-6030
メールによるお問い合わせ先:info@sorayamaishizuchi.co.jp
ソラヤマいしづち公式HPはこちら

reported by イマナニ編集部 Natuorhytym
イマナニ特集