自然豊かな砥部町広田でたくましく育つ「木材の今」に注目!

  

キャンパーやオシャレ上級者にオススメな広田産の木製品

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松山市から、車で50分程の「砥部町広田地区」は、実は町の約9割が森林の「森の町」。
深い森ではスギやクヌギなどの木材が豊富に育っており、林業も盛んなのです。

今回はそんな森の町広田の林業事情や、リピーター続出!広田産の木材で作られる良質な木製品、そして観光名所をご紹介します!

日本初!車も通行OKな木造橋

皆さんは、道の駅ひろた 峡の館そばにある『神の森大橋』をご存じですか?

こちらは1994年に日本で初めて作られた木造の一等橋(20トン車が通行できる公道の橋)で、木造のアーチ車道橋として、学術的な面でも人気の観光スポットです。

主要部には広田産のスギ集成材が使用されている、広田林業のシンボル的存在。
車通りも少ない場所なので、橋の上を歩き、木造の優しいぬくもりを感じてみてください。

広田の林業の「いま」を知る

広田の林業を支えている若手の林家、日野林一樹さん(写真左)と日野林昂志郎さん(写真右)を訪ねました。

「祖父も林業に携わっていた」と笑う日野林一樹さん。

自分たちが山仕事をすることで、山の見た目が変わり、どんどんキレイになっていく様子を見るのが、堪らなく嬉しいそう。

「これからはドローンなどの機器も導入して、測量や苗木の運搬などに活用できたら」と意気込みます。

最近では、女性でも気軽に扱えるような高性能の林業マシンも増えました。
これまでの林業にありがちな「危ない」「しんどい」「力仕事」といったイメージは、もう過去のものになりつつあるそう。

ハイテク!林業界に現れた高性能マシン

チェーンソーや鋸で木の小枝を落とし、大型の機械で少しずつ切り落とすなどの手間や時間をかけていたのは、ずっと昔の話。

例えば、こちらのハーベスタという機械を使えば、ボタン一つで一気に伐採されていきます。
一本の木がバラバラに伐採されるその時間、およそ2分!

まだ職人技が必要な部分もあるものの、操作を覚えてしまえば上達は早いそうです。

守り継がれる、力強い広田の森

「手入れがされていない、人に守られていない山は、根が弱くて倒れやすいんです」と日野林晃志郎さん。

森林は人間が適度に間伐して、木に日が当たるようにしてあげる必要があります。
そうしないと強い根が張れないので、木が傾いたり、陽を求めて縦に細く伸びたりしてしまうそう。

そうなると、木材として利用できないばかりか、豪雨を受けた際の山崩れの原因にもなる可能性もあり、周辺住民にとっても危険なのです。

林業は、次の世代に引き継いでもらう「息の長い仕事」です。
日野林さんたちが植えた苗木は、これからどんどん大きく育ち、日野林さんたちの孫の世代が伐採することになるでしょう。

「僕たちが今していることが後世に引き継がれるって、ロマンを感じますよね」
「これからも循環型の林業にしないと、日本の森は育ちません」
「やりがいは大きいです」

広田では、若手の力を随時募集しています。
日野林さんたちと一緒に、広田の森を守りませんか?

広田における林業の歴史

お次は、広田の林業に詳しい正岡健次さんにお話を伺いました。

「私の父の代では、樹齢によって育林したり、山を植林したりと色々としていましたね」

終戦後は、広田だけでなく日本中で植林ブームが起こりました。
現在は、その時に植えた木がどうやら良い具合に育っているそう。

「広田の木は、綺麗な木だと言われて人気が高いんです」と正岡さん。
広田の山は標高が高く、年輪が均一で締まった『太い木』が育ちやすいのだそう。

枝打ちして育った木は「無節材(節の無い木)」と呼ばれ、座敷の床柱用に重宝されています。

材木として出荷される際、広田産の木材は「愛媛産」の一括りとして出荷されていますが、市場では、広田の木材は特に人気が高いそうですよ。

木炭の産地として有名だった、広田

実は広田は、昭和の中頃まで木炭の産地でした。

広葉樹のクヌギが良く採れたので、木炭にもってこいだったのです。
しかし、ガスの普及と共に木炭は次第に必要とされなくなっていきました。

木炭としての需要は減ったものの、クヌギは原木シイタケのホダ木に適しています。

標高500mという高原地であることや、風通しの良い気候であることなど、原木シイタケを育てる条件が揃っていたので、広田は原木シイタケの産地として盛んに栽培されるようになったのでした。
広田の原木シイタケの記事はこちらからどうぞ!

広田の炭や薪で、楽しいキャンプタイムを!

近年、ゆるくキャンプを楽しむ方も増えてきたおかげで…
広田の炭や薪に、注目が集まるようになっているのです!

それは、SNSを駆使するキャンパーたちの間で「どうやら道の駅ひろた 峡の館で扱っている炭や薪が、お手頃価格で質が良い国産品」と評判になっているから。

木材商品は、道の駅ひろた 峡の館に向かって左手にある、別館に陳列されています。
購入する際は、別館から本館のレジへ運んでくださいね。

さて、バーベキューなどのアウトドア用に大人気の広田産の樫の木などを使った炭は…
国産なのに、なんと一袋880円からというお手頃価格!

こちらは、キャンプ初心者にオススメな『杉の木の薪(330円~)』。

クヌギなどに比べると早めに燃え尽きてしまうものの、火が付きやすい。
大きさや重さが扱いやすいサイズなので、ちょっとしたキャンプに最適です。

暖炉用や上級キャンパーが好むのは、『クヌギの薪(750円~)』です。

杉よりも重くて大きめサイズでやや扱いに慣れが必要なものの、しっかりしているのですぐには燃え尽きにくく、火が長持ちします。

冬はクヌギの方が、熱量が高くオススメですよ。

隠れた超人気商品!無垢の『トンコロ椅子』

別館の木材商品で、密かによく売れているのが『トンコロ椅子(およそ2,000円~)』。
ちょっと北欧チックな、オシャレな見た目をしている丸太の椅子です。

しっかり乾かした無垢材を丁寧に磨いているので、見た目よりも重くはありません。
白地が美しく、屋外だけでなく屋内使いもOKな優れモノ。

ちなみに、トンコロとは間伐材という意味です。

森林の町、広田産の木材を身近に感じて

今回は森林の町広田の林業の今や、道の駅ひろた 峡の館で人気の木材商品、観光スポットをご紹介しました。いかがでしたか?

砥部町広田に足を延ばした際は、ぜひチェックしてみてくださいね。
国産でこのクオリティは、なかなかのものですよ!

■ 道の駅ひろた「峡の館」
住所:愛媛県伊予郡砥部町総津162-1
お問い合わせ先:ひろた 峡の館
お問い合わせTEL:089-969-2070
イマナニで「道の駅ひろた 峡の館」の情報を見る

イマナニで「長曽池(ながそいけ)公園」の情報を見る
ちなみに、長曽池公園のキャンプ情報はこちら。併せてどうぞ!

reported by イマナニ編集部 Natuorhytym
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