「名刀は語る展」愛媛県美術館にて開催!大勢を魅了する刀の魅力…その秘密とは?

  

『刀剣乱舞-ONLINE-』コラボも見逃せない!見どころ満載の展示ポイントを要チェック!

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私たち人間がこれまで育んできた文化を物語る、美術品の数々。
絵画や彫刻、陶芸など様々な美術品が、ここ愛媛県美術館には展示されています。

それらの中でも一際、「日本の歴史」が好きな方にとってはぜひチェックしておきたいもの。
そのひとつが、ここ数年幅広い世代を中心に話題を呼んでいる「刀」です。

近年歴史上の偉人や物語が好きな女性を始めとして、日本の歴史を巡る様々な要素に注目が集まる中、刀剣もマンガやアニメ・ゲーム作品の影響を受け、今ブームとなっています。

そんな刀剣の世界を、よりディープにユニークに楽しめる。
それが今回愛媛県美術館にて開催される企画展、「名刀は語る展」です!

今回愛媛での開催が全国で3会場目となる本展示は、日本でも有数の刀剣コレクションを誇る静岡・佐野美術館の刀剣・刀装具を約100点展示予定。

当初は2021年4月に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの影響によって一度延期となった結果、今回2022年4月16日~6月12日に再度開催が決定となりました。

平安時代の刀から江戸時代に至るものまで、多彩な刀剣、刀装具が揃えられた今回の展示。
国宝や重要文化財などにも指定されている名刀の美しさは、これまで数多くの人の手によって、その美しさを保つ尽力が為されてきています。

静岡県指定文化財《大笹穂槍 銘 藤原正真作(号 蜻蛉切)》(表)室町時代末期(16世紀)個人蔵(佐野美術館寄託)

そんな刀の魅力を堪能できる本企画、今回はその見どころを大きく4つピックアップ!

元々日本の歴史の話が大好き!
あまり詳しくないけどアニメやゲームの影響で、最近刀に興味がある…。
そんな方はぜひ本企画展で、その奥深さをぜひ少し覗いてみませんか?

今まさに大勢を虜にする刀の魅力の秘密を、企画展の見どころから探っていきましょう!

ポイントその1:ご当地感も満載!四国・九州に縁の深い刀も多数登場!

まず最初の見どころは、展示予定となる刀のラインナップ!
今回「名刀は語る展」が西日本初の開催となることから、四国・九州を始め愛媛にも縁の深い貴重な刀を数多く見られるようになっています。

《重要文化財《刀 無銘 正宗》鎌倉時代末期(14世紀)佐野美術館蔵 展示期間:4/16(土)~5/13(金)》

そのうちのひとつが、「正宗」。
重要文化財でもある鎌倉時代末期に作られたこの刀は、今治城城主・藤堂高虎の孫・高久の遺物として藤堂家から徳川家に献上されます。

その後、病気治癒の快気祝いの品として8代目将軍・吉宗の代から、代々将軍になった人物に贈られ続けてきた刀とのこと。
そんな縁起の良い逸話もあるとして有名なものだそうです。(展示期間:4月16日~5月13日)

《重要文化財 《刀 金象嵌銘 備前国兼光/本阿弥(花押)(名物 大兼光)》南北朝時代(14世紀)佐野美術館蔵 展示期間:5/14(土)~6/12(日)》

またこの「正宗」と入れ替えの形で、5月14日から展示される「名物 大兼光」は藤堂高虎が所有していた太刀。
この刀は今回展示される刀剣の中でも、最も大きい刀となります。

平均身長が今よりずっと低い時代で、身長約180センチ体重約100キロという非常に大柄な体躯だったと言われている藤堂高虎。
当時の人にとっては規格外の大男であった彼の迫力が伝わるような、そんな刀でもありますね。

またこの他にも、地元愛媛の人にとってはお馴染みの伊佐爾波神社・東雲神社に代々伝わる重要文化財にも指定されている名刀をそれぞれ展示予定。
展示する機会も少ない刀剣となりますので、こちらも併せてぜひこの機会に見ておきたいものですね。

ポイントその2:平安~江戸時代の刀に見る、時代背景の中で変わる人々の営み

《重要美術品《脇指 銘 相模国住人廣光/康安二年十月日(号 火車切)》康安2年(1362)佐野美術館蔵》

二つ目のポイントは、展示された刀そのものの奥に見える、当時の時代に生きた人々の息遣いや営みについて。

今回の展示品は、一番古いもので平安時代(12世紀)に鍛刀されたものから、最も新しいものは江戸時代まで。
それだけの幅がある分、よく見ると刀ごとに形態が異なっているのが非常に興味深いポイントです。

分かりやすい点で言えば、戦乱の世が長く続いた江戸時代以前と、平和な世が数百年続いた江戸時代以降では、刀本体の周りを彩る装飾品や刀自体のデザイン、大きさ、長さや幅などが大きく異なっているのです。

さらに戦いの中で使われていた刀も、騎馬が中心だった時代から対面で戦う時代へと変化するにつれ大きく異なる仕様に。
戦術が変化したことで刀の身に着け方も変化し、それによって扱い方が変わったことから、刀を収める際の刃の向きが上下反転する形になるんだそうです。

今回の企画展では、平安時代を起点にして時代ごとに刀が展示されます。
そのため刀の役目の変遷や人々の暮らしの変化について、あるいは刀を通して、その刀の持ち主がどのような人物像だったのか等、想像がつく人もきっと多いはず。

現代とは全く違う時代に、それでも確かに生きていた大勢の人々の姿がありありと浮かぶような。
そんな人の営みが刀自体の背景から読み取れるのも、今回の展示の興味深い点となっていますね。

ポイントその3:企画展の目玉!国宝「太刀 銘 一」は36年ぶりに愛媛に登場

《国宝《太刀 銘 一》鎌倉時代中期(13世紀)個人蔵(佐野美術館寄託)》

3つ目の注目ポイントは、今回の一番の見どころ!
国宝にも指定されている名刀「太刀 銘 一」は、ぜひチェックしておきたい名品です。
今回愛媛にこの刀が展示されるのは、実に36年ぶりとなります。

この「太刀 銘 一」は元々鎌倉時代に、今も人気が高い一文字派の刀のうちのひとつとして作られたもの。
あの織田信長が所有したとされています。

その信長が長篠の戦いで武功を立てた武将・奥平信昌に与えた刀。
それがこの刀であるとして、今日まで語り継がれているのです。

《国宝《太刀 銘 一》(部分)》

見どころは非常に鮮やかな刃文。
また数百年の時を越えているとは到底思えないほどの、研ぎ澄まされた輝きを放つその美しさです。

そもそも刀は、念入りな手入れを必要とするものでもあります。
実用品だった時代は血や土埃で容易に汚れる上に、それを放置したり、また使わない間も定期的に手入れをしなければ、簡単にその刀身は錆びて朽ちていくのです。

数百年の歴史を持つ名刀が現在までその美しい輝きを放ち続けているのは、刀を作った人だけの功績ではありません。
何より鍛刀されてから今日まで絶えず日本刀を守り、磨き続けていた人の手があったからこそ。

これまで刀を所有してきた人々や、現在この刀を大切に収蔵している佐野美術館を始めとした、大勢の人々の連綿と続く尽力。
それらを感じさせる国宝「太刀 銘 一」を始めとした展示品の美しさを、僅か数十センチの至近距離で、ぜひ堪能してみてくださいね。

ポイントその4:『刀剣乱舞-ONLINE-』コラボ企画開催!「蜻蛉切」&「松井江」に会いに行こう!

最後にご紹介する見どころは、すでにかなりの話題を呼んでいる、今回の展示ならではの注目企画!
名だたる刀剣が戦士の姿となった“刀剣男士”と共に、歴史改変を目論む敵と戦う刀剣育成シュミレーションゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』とのコラボレーションです。

2015年スタート時から大勢のファンを獲得し、一躍「刀剣ブーム」を巻き起こした『刀剣乱舞-ONLINE-』。
現在すでに100人弱の刀剣男士を実装しており、今回の企画展ではその中から、「蜻蛉切」「松井江」の二振りが登場します!

《静岡県指定文化財《大笹穂槍 銘 藤原正真作(号 蜻蛉切)》(裏)室町時代末期(16世紀)個人蔵(佐野美術館寄託)》

《重要文化財《刀 朱銘 義弘/本阿(花押)》(名物 松井江)鎌倉時代末期(14世紀)佐野美術館蔵》

名将・本多忠勝が愛用し、止まったトンボが音もなくスパッと切れてしまう程の切れ味、という由来から名付けられた名槍「蜻蛉切」。
そして細川家家老・松井家伝来の名刀でもあり、後に徳川家に渡り綱吉の娘・鶴姫の輿入れ時の引出物ともされた「松井江」。

この二振りが実物の刀と、刀剣男士の等身大パネルを併せて展示予定です。

会期中にデザインも変わる二振りのパネルは、なんと写真撮影もOK!また刀剣男士「蜻蛉切」「松井江」の関連既存グッズも、今回販売される予定とのこと(展示会オリジナルグッズではありません)。
さらに「蜻蛉切」展示スペースでは、会場内限定で刀剣男士「蜻蛉切」担当声優・櫻井トオルさんによる、「蜻蛉切」の特別解説音声も聞くことができます。

『刀剣乱舞』の作品をきっかけに刀そのものへ興味を持つもよし、刀や日本の歴史から『刀剣乱舞』の作品を知るもよし。
どちらのファンも存分に楽しめる今回のコラボ企画を、どうぞお楽しみに!

講演会や親子講座など関連プログラムも多数開催!春のお出かけにもオススメ♪

今回ご紹介した4つの見どころ以外にも、会期中には名刀に関する様々な関連プログラムも開催予定。

佐野美術館理事長の渡邉妙子氏による講演会や、声優・櫻井トオルさんのトークイベント。
そして親子で楽しめる刀の拵(こしらえ)についての講座など、様々な角度から刀の面白さを楽しめるイベントが満載です。
イベント詳細はこちら!

開催期間は2022年4月16日から6月12日まで。お得な前売り券は、2月18日から4月15日までの販売です。
大学生や高校生、小中学生は学生割引を使っての入場も可能なので、興味のある方はぜひ、お気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。

悠久の時を超えて受け継がれる、刀という美術品が司る美と人の心。
そんなロマンあふれる刀の魅力を、ぜひあなたも堪能してみませんか?

暖かくなった行楽日和のお出かけに、あるいは長期休暇となるゴールデンウィークの過ごし方のひとつとして。
ぜひこの機会に、「名刀は語る展」へ遊びにきてくださいね!

■ 名刀は語る展
開催日時:4月16日(土)~6月12日(日)9:40~18:00(入場17:30まで)
※4月16日(土)のみ11:00開場
開催場所:愛媛県美術館
料金:<前売>一般:1,100円、高大生:700円、小中生:200円
<当日>一般:1,300円、65歳以上:1,200円、高大生:900円、小中生:400円
問合先:「名刀は語る展」実行委員会事務局(あいテレビ営業推進部内)
TEL:089-921-2192(平日9:00~17:30)
名刀は語る展 公式HPはこちら
イマナニで「名刀は語る展」の情報を見る


reported by イマナニ編集部 曽我美なつめ
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