偉人・坂本龍馬の魅力を発信!『知っちゅうかえ、龍馬?』Part.4

  

高知県立坂本龍馬記念館    イマナニ体験レポート

エピソード:坂本龍馬と写真 その1

こんにちは、坂本龍馬記念館です!
当館スタッフが、知られざる坂本龍馬の魅力をお届けする本コラム。

第4回からは「坂本龍馬と写真」をテーマにお届けしていきましょう。
まず、初回は「写真から見る坂本龍馬の性格」についてです。坂本龍馬という人物に関して、豪快で行動力があり、大らかな人柄というイメージを持つ人も多いはず。

しかし、当館に展示している手紙などからはその印象と同時に、彼が意外と細かいことに気を配り、よく人の心を思いやる人物であったこともわかっています。

また、同じくかなりの戦略家でもあり、一か八かの勝負に挑むより、入念に戦略を練り勝てる状況を作り出してから勝負に臨むタイプでもあった様子。

大らかな人柄かつ細かい性格という、一見正反対にも思える二つの側面ですが、この両面が、かの有名な龍馬の立ち姿の写真にも実は表れているのです。
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大らかでありながらも細かいことに気を配る…二つの側面を持つ龍馬
大らかでありながらも細かいことに気を配る…二つの側面を持つ龍馬 館内には龍馬が書いた数々の手紙を現代語訳付きで展示
まず、写真から見る彼の大らかさの特徴としては、やはり、後頭部の髪がボサボサであることと、袴がヨレヨレであることが挙げられます。

この当時、写真を撮ることはまだまだ非常に珍しいこと。
幕末の時代に伝わってきた技術である写真は、当然現代のようにいつでも誰でも気軽に撮れるものではありませんでした。

それ故に当時の人たちは仕組みを理解できず、写真に写ると魂を抜かれて死ぬという話や、女性は手首から先を隠さないと手が大きくなる、という迷信を信じる人も多かったそう。

しかし、その中でも龍馬は、一見すると身なりに頓着せず自然体で写真に写っているように見えます。
また、この時彼は両手を隠していますが、他の写真ではきちんと両手を出しているので、迷信を信じているわけでもなかった様子。
こういったところに、彼の大らかさが表れていますね。
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坂本龍馬立位写真
坂本龍馬立位写真 同志であった海援隊の面々と写真に写る龍馬(左から3番目)

有名な龍馬の写真…チェックポイントはココ!

しかし、その一方で、この写真の細部をよく見ると龍馬の繊細な一面も見えてきます。

まず注目すべきポイントは、彼の持っている刀。
左の腰に差している短刀は、本来こういう差し方をするものではありません。

本来短刀は、袴の中に差すもの。
なのでこの姿勢の時に、刀の下半分は見えるはずがないのです。

ですが、龍馬は大刀を外したうえで、あえて短刀を袴の紐に通して差しています。
そして、左の袖を後ろに流し、短刀の全体が見えるようにしているのです。

これはおそらく、彼が自慢の短刀を見せたくてこのポーズを考えたのでしょう。
元々刀が非常に好きだったことでも有名な龍馬。
彼なら、もしかしたら、細かなこだわりを見せるために普段と違うことをやりかねませんね。
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坂本龍馬立位写真(足元のみ抜粋)
坂本龍馬立位写真(足元のみ抜粋) 龍馬は刀の収集癖があったり、新しいものには目がない性分だったそう
さらにもうひとつ、注目したいのは龍馬の足元。
この写真の彼の足元をよく見ると、ブーツを履いていることは多くの人が知っていることでしょう。

そのブーツをよく見ると、つま先の開き具合が左右反対のようにも見えます。
これはつまり彼がブーツを履き普通にその場に立っているのではなく、左足を前にして足をクロスしているのではないでしょうか。

とは言え、夢のない見方をすれば、ブーツは撮影局に置いていた小物で、履きなれていなくて左右を間違って履いた、という考え方もできるかもしれません。
いずれにしても羽織袴にブーツというのは、当時からすればなかなかに奇妙で奇抜な姿。

ですが、これで写真に写りたいと言い出したことそのものに、新しいもの好きで、どこか革新的な考え方の持ち主であった龍馬の人柄が滲み出ているように思いますね。
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龍馬と言えばこの写真!というイメージの人も多いはず
龍馬と言えばこの写真!というイメージの人も多いはず 龍馬の京都の母とも呼ばれるお登勢。非常に肝の座った強かな女性でした(写真一番左)
龍馬が京都でお世話になっていた寺田屋。
そこの女将だったお登勢の娘は「龍馬はひどくニヤけた風をする」と語っています。

現代の言葉に言い直すと、龍馬は当時から大変おしゃれ好きだった、ということ。
一見すると身だしなみに無頓着そうでありながらも、実は細部のおしゃれやアイテムのこだわりにはかなり気を配る。
その手法はいわゆる「おしゃれ上級者」として、今の令和の時代にも通ずるところが大いにありますね。

このように、あの有名な写真から見る坂本龍馬像は、残された数々の手紙から見る龍馬像とも一致する点が多々見受けられます。
それもまた、坂本龍馬という人物が非常に魅力的に思える点でもあるのでしょう。
高知県立坂本龍馬記念館
開催時間/9:00~17:00(最終入館は16:30)、定休日なし
開催場所/高知県立坂本龍馬記念館(高知県高知市浦戸城山830)
駐車場/あり 普通40台・障害者用2台バス4台
料金/あり 企画展期間700円 展示替期間500円 高校生以下無料
問い合わせ先/高知県立坂本龍馬記念館 TEL.088-841-0001
URL/https://ryoma-kinenkan.jp
reported by 高知県立坂本龍馬記念館