さいさいきて屋の生産者さんシリーズ Vol.10 ~みんなが笑顔!安全なものをつくる、食べるを身近にする農業~

  

星歌子まい    イマナニ体験レポート

愛着があればさらに美味しい

夏の暑さ真っ盛りの7月、やって来たのは今治市大西にある畑。
夏の日差しに負けないほどの素敵な明るい笑顔の女性、菅恵梨さんが出迎えてくれました。

色とりどりの立派な野菜が見事に育つ畑を前に、恵梨さんはなんと「今年就農したばかりです」と話します。
只今はご主人の実家の畑を借りて、2022年4月に植えた夏野菜の苗から初収穫の真っ最中。

イエローミミ、アイコ、千果と言った黄色や赤色のミニトマト、オクラ、トウモロコシ、ししとう、ピーマン、枝豆などを育てています。
育てた野菜はピーマン、ししとう、オクラと収穫期を迎えた順に、JAおちいまばりのさいさいきて屋に出荷しています。
ときには通信販売でも注文を受け付けていて、ミニトマトの詰め合わせの売れ行きが好調だそう。

「獲れたての野菜は本当に美味しいです。獲れたて野菜を食卓に並べると、子供たちが苦手だった野菜も美味しそうにたくさん食べてくれるようになりました」と恵梨さんは言います。
またご自身も、自家製野菜を食べるようになって以前より体調が良くなったと実感しています。
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笑顔で出迎えてくれた恵梨さん
笑顔で出迎えてくれた恵梨さん いつもの畑仕事を披露。笑顔で紹介してくれる 綺麗なししとう 偶然通りかかったさいさいきて屋の男性スタッフさんとも、すぐ打ち解けたご様子 獲れたてのとうもろこしを手に。色も綺麗
恵梨さんの一日は、朝8時の畑仕事からスタートします。
1.6アールの畑で野菜をひとつひとつ丁寧に手入れし、収穫を迎えた頃合いのよいものから摘み取っていきます。

「まずは自分が好きな野菜を育ててみたかった」恵梨さんは、主に自分好みの野菜の苗を選んで植えました。
「とても尊敬して頼りにしている」先輩農家さんや、もともと実家の畑で農作物を育てていたお義父さんからアドバイスをもらい、無事に初めての収穫期を迎えることもできました。

どれも立派な実をつけた元気な野菜の株ですが、ここまで育つのに予想以上に手間がかかったこともあったそうです。

その一つがオクラです。
苗を植えた約1か月後、オクラの苗だけが成長が悪く、先輩に相談すると「葉の裏や茎に大量についてしまったアブラムシ」のせいだと言うことが分かりました。

それから恵梨さんはポリシーである“無農薬農法”にこだわるため、毎日丁寧にハブラシを使って手作業でアブラムシを除去。
収穫の際には毎日オクラの葉っぱも剪定し、手を掛けてきました。
「やっている最中は一生懸命で、例え苦労があったとしても野菜が育ってくれると達成感があります!」と言います。

その甲斐あってアブラムシは見事撃退。
オクラの苗もすくすく育ちました。
次々と大輪の花を咲かせ、立派な実をつけています。

その苦労を知る先輩農家さんから「よく育てたね!」「あなたはよくがんばってるね」と言葉を掛けられ、本当に嬉しかったと言います。
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オクラの背丈はこれくらい。毎日丁寧に手入れする
オクラの背丈はこれくらい。毎日丁寧に手入れする 大輪のオクラの花 オクラの収穫 枝豆のネットの上に絡むスイカの蔦。実が膨らみ始めたものも 大玉のスイカが登場!ひとまずこちらは家庭用。食べるのが楽しみだそう♪

マイペースで仕事をしながら楽しい毎日!

「わたしは食べることが大好きで、インスタグラムにごはん系の写真を趣味でたくさん載せていたんです。その内に“(食べ物の)素材を作ってみよう”と思うようになりました」と恵梨さん。

野菜を作ればお世話になった友人にも食べてもらえるし、安心安全な野菜は主婦世代にも喜んでもらえるのではないか、そして家族の健康な食生活にも役に立つ。
この3拍子が恵梨さんの中でひらめき揃い、就農を決意しました。

さいさいきて屋にも出荷している恵梨さんの野菜は、オリジナルブランド“9farm”のラベル付きで販売されています。
オリジナルデザインのラベルを目印に、恵梨さんの野菜を探し買い求めてくれるファンのお客さんもいます。

「作っている人が分かると安心して買える」と嬉しい言葉を掛けられるそう。
「食品ロスを出さない」よう、販路を広げたり、家庭でたくさん野菜を食べる様になったり、日頃のお礼にと友人の食卓に野菜を届けたりもしています。

「責任もって作った安全な食材はどの人にも喜ばれて、すすんで食べて貰えます。全てが実現した今、毎日がとても楽しい!」と終始まぶしい笑顔で恵梨さんは語ります。

さらに、次の予定として冬野菜の準備にも取り掛かっています。
まだ幼い自身のお子さんの子育てと両立し、自分のペースで安定して育てられる野菜について情報収集をしているそうです。

また今後は地元のお子さん向けに“収穫体験”も企画したいと考えています。
まずはその一歩として、現在試験的に育てている“サツマイモ”の収穫をこの秋には楽しみにしているそうです。
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「9farm」のポップチラシ。爽やかで印象的!
「9farm」のポップチラシ。爽やかで印象的! 取材中に収穫した野菜たち 上から下まで実がぎっしり詰まったとうもろこし。立派! 家庭菜園としてプリンスメロンも育ててみたそう サツマイモ畑
恵梨さんのお野菜を、ご自宅やご友人の食卓で美味しく調理した一例を写真で紹介いただきました!
「野菜のカラフルな彩りが好きで、それを意識して育てる野菜も選んでいます♪」の恵梨さんの言葉通り、どの写真の野菜の組み合わせもビタミンカラーが美しいです。

野菜は基本的に獲れたてが一番。
新鮮な野菜を調理しているので味も栄養価も格段です。

また、お子さんに人気な恵梨さん特性の“トマトジュースレシピ”をおうかがいしました。
熟したトマト(恵梨さんはたくさんできたミニトマトを用いて)を小口切りにして(ミニトマトは半分にカット)、フライパンで無水状態で加熱します。

そこにレモン汁、ハチミツ(※ハチミツの使用は満1歳以上のお子様からどうぞ)をお好みで加え、ミキサーでピューレ状にします。
できたトマトジュースの原液(大人の方はこのままでもどうぞ!)と、市販のリンゴジュース、水を5:3:2の割合でミックスすれば、お子様向けトマトジュースの完成です。

皆さんもご自宅でお試しあれ♪
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恵梨さん収穫のプリプリのししとう
恵梨さん収穫のプリプリのししとう ミニトマトとツナの塩昆布和え おくらのおかか和え トマトジュース(原液) トマトジュースを作るためにトマトをフライパンで加熱している最中
「野菜の手渡し販売もしてみたいんです」と言う恵梨さん。
作った野菜に自信があるからこその言葉です。

初めての収穫、出荷、そして買ってくれる方がいる喜びで毎日が大変でもそれを上回る楽しみを得ています。
初めてにも関わらず、植えた苗はどれもイキイキとして美味しそうな野菜がうらなりになっています。

できた野菜は恵梨さんの笑顔と元気をもらって、すくすく育っているような印象も受けました。
元気いっぱいの恵梨さんの手からさいさいきて屋の出荷棚に並ぶ野菜を、どうぞ皆さんもお手に取ってご賞味ください!
さいさいきて屋
開催時間/9:00~18:00 定休日 1月1日~1月3日
開催場所/さいさいきて屋(愛媛県今治市中寺279-1)
駐車場/あり 230台
問い合わせ先/さいさいきて屋 TEL.0898-33-3131
URL/https://www.ja-ochiima.or.jp/business/saisaikiteya/saisaikiteya/
reported by 星歌子まい