【前編】 伝統と革新のNew文化体験「SANUKIReMIX2」

  

さきち    イマナニ体験レポート

掛け算で生まれる香川の最先端伝統!?

こんにちは、さきちです。
みなさん、「SANUKI ReMIX(讃岐リミックス)」というイベントをご存知ですか?
香川県の伝統工芸や地場産業を支える職人(アーティザン)と、日本を代表するアーティストやクリエイターのコラボプロジェクト。
香川から世界に向けて伝統文化の面白さを、新しい形で発信しています!

今回、2度目の開催になる「SANUKI ReMIX2」では、東京など都市部ではできない、現地だからこそできるイベントにしたいと、バイヤー・メディア向けに工房見学ができる「ファムツアー」が実施されました。
そちらに参加させて頂いたので、その様子をたっぷりと前編・後編に分けてお伝えでればと思います!
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レストラン「まんじゃーれ」
レストラン「まんじゃーれ」 香川県産のお野菜がたっぷり♪ 讃岐桶樽の伝統工芸士 「谷川木工芸」の讃岐桶樽 継ぎ目が分からないほどなめらか
まずは三木町にある「IDO MALL(イドモール)」へ。
絵に描いたような“のどかな田園風景”の中にある小さな商店街。

そんな居心地の良い場所に店を構えるレストラン「まんじゃーれ」は、“食べるをもっと楽しむ空間”になるようにがモットー。
近郊農家さんのスーパーでは手に入りにくい珍しい野菜や、香川県産のお肉やお魚を中心に、ここでしか味わえない四季折々の食と空間を提供しています。
そこで早速ランチを頂きました!

どれも素材の旨味を引き立てる優しいお味で、料理を通してシェフのこだわりと愛情が伝わる~。
ん~っ幸せ…。
IDO MALL 公式サイトはこちら

最初の“食”ですっかり香川の虜になってしまいましたが、まだまだここからですよ!
ファムツアー1件目は、讃岐桶樽の工房「谷川木工芸」の見学です。
工房に入った瞬間から、ふわりと木のいい香りが!
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工程はすべて手作業
工程はすべて手作業 無駄が出ないよう、少しずつ形の違う木片を組み合わせます 様々な大きさ、形の桶がありました 電子レンジ、食洗器対応のものも! かんなくずで作ったSDGsなアートも!

見て・触れて、伝わる想いと伝統の技

みなさんは間近で桶を見たことがありますか?
昔は一家に一つないと生活ができないほどの必需品でした。

今でも全ての工程が手作業で、吉野杉の白木を一度に約1,000枚ほど入荷して倉庫いっぱいに積み上げて作業をしていくそうです。
「おひつや寿司桶だけではだんだん使われなくなってくる。伝統を守る為にも進化していく必要がある」と言う谷川さんに見せてもらったのは、電子レンジ対応の桶!

陶器と違って、温めても桶はほんのり温まるくらいなので火傷の心配がない◎
参加者からは口々に「欲しいなぁ」の声が。
食洗器もOKらしく、私も欲しくなっちゃいました!
谷川木工房 公式サイトはこちら

次に訪ねたのは、藍染め工房の「Khimaira(キマイラ)」。
ギリシャ神話に登場する怪物“キマイラ”と、香川の方言“きまい”(来てねの意味)を合わせた名前で、実はエビの加工場だったところを改装して店舗と作業場にしています!
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本藍染工房「Khimaira(キマイラ)」
本藍染工房「Khimaira(キマイラ)」 藍の花が浮いているのはいい色が出る証拠 大きなステンレス槽ではなんでも染められます なんといっても魅力はこの“色” 黒く見えるほど濃い藍色は“搗色(かちいろ)”と呼ばれます
天然灰汁発酵建てで染め上げる本藍染工房で、中に入ると独特の匂いが…。
もしやエビの?と思いましたが、藍の匂いだそうです!

藍染めで使われる蒅(すくも)は、タデ藍と呼ばれる植物の葉を乾燥させ、さらに発酵、熟成させて堆肥状にしたものを染料として使用します。
綺麗な色を出すには藍の発酵具合が大切で、とーっても手間暇かかりますが、「この子は~、エサが~」と擬人化して語る姿から藍染めへの熱意と愛情が伝わってきました。

そんな蒅のエサは、なんと、糖分!
一般的にはお砂糖や水あめをあげるそうですが、バナナをあげるところもあるそうですよ~。
「Khimaira」では文献の中でも最も古い伝統的な方法、ふすま(小麦の外皮)で育てています。
工房では藍染め体験もできます。

小さなお子さんから親子で一緒に体験できるので、ぜひ天然の藍染めを体験してみてください!
Khimaira 公式Instagramはこちら
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庵治石加工アーティスト集団「たぶん、加工。」
庵治石加工アーティスト集団「たぶん、加工。」 庵治石は高級石材 とっても割れやすく、重いので角を保護して運搬 大きなカッターで加工しています! 出来上がるのがこんなに繊細な加工!驚きです!
最後に見学したのは、庵治石加工アーティスト集団「たぶん、加工。」
庵治石は、主に墓石などに使われる花崗岩で、香川県高松市東部の庵治町・牟礼町でのみ産出される高級石材です。

庵治石は加工がとても難しく、製品として流通するのは産出量の約3%なんですって!
素晴らしいデザインがあっても加工技術がないとできないものを、千年以上受け継がれてきた石工の技で実現するアーティスト集団。

その技術で、なんと庵治石のギターも作っていました!
たぶん、加工。 公式サイトはこちら

と、ファムツアーの魅力をお伝えしきれていないのですが前編はここまで!
いよいよ待ちに待った会場へ向かいます!

後編では「SANUKIReMIX2」会場内ツアーの様子をお届けします。
お楽しみに!
SANUKI ReMIX2
開催日/2022年11月3日~11月6日
開催時間/10:00~16:00/17:00~21:00
開催場所/史跡高松城跡 玉藻公園内 重要文化財「披雲閣」(香川県高松市玉藻町2-1)
駐車場/あり
料金/あり
問い合わせ先/JTB高松支店 9:30~17:30(土・日曜、祝日休) TEL.087-822-0033
URL/https://s-remix.jp/event.php
reported by さきち