福をこの手に!「椿まつり」のヒミツ
椿まつりのこと、どれだけご存知ですか?
「椿まつりの頃は寒い」
今年も「椿まつり」の日が近づいてきました。
毎年旧暦の1月7日・8日・9日に松山市居相(いあい)の「椿神社」で行われるお祭りで、2018年(平成30年)は2月22日(木)・23日(金)・24日(土)の3日間です。
椿まつりは「伊予路に春を呼ぶ」というフレーズが一緒に使われることが多く、これが終われば寒さがやわらいでくるといわれます。というよりも、「椿まつりの頃が一番寒い」というのが、この頃の松山の時候の挨拶のようにもなっています。少し暖かい日が続いても、椿まつりの日は不思議な事に、毎年寒くなるものなのです。
さて、その椿まつりが行われる「椿神社」。「椿さん」「お椿さん」ともいう呼び名も耳馴染みが良いですが、正式名称は「伊豫豆比古命神社(いよずひこのみことじんじゃ)」といいます。2000年以上の歴史を持つ、縁起開運、商売繁盛の神様です。
かつてはこの神社があった場所は海で、「津(海の意)の脇の神社」の「つわき神社」が訛って「つばき神社」となった、という説と、椿が生い茂る境内の様から「椿神社」と呼ばれるようになったという説とがあるそうです。
本殿にもあちこちに椿の花の姿が。探してみてくださいね。
「縁起物」には正しい買い方がある!?
お祭りといえば露店を覗くのが楽しいものですが、椿まつりはその賑やかさも名物で、神社を挟んで東西へ1kmを超え県道を通行止めにし、参道両側を露店が埋め尽くします。その数は約800店にものぼるそう。たこ焼きなどの食べ物はもちろん、おもちゃに雑貨、金魚すくいまでありとあらゆるお店が並びます。
椿まつりの露店ではそれらの他に、「福」を授かるための「縁起物」が売られていて、どこを切ってもおたふくの顔が出てくる「おたやん飴」と呼ばれる縁起飴も定番です。
そして目を引くのが、熊手や宝船などの縁起物。鯛や恵比寿、お多福などがぎっしり華やかに盛られていて、店先などに飾り福を招き入れるものとされます。
この縁起物、実は好きなものを買えばいいというわけではありません。
まず、縁起物の種類は「熊手」「ザル」「俵」「宝船」「扇」の5種類。
これを毎年ひとつずつ、いま挙げた順番に買うのが、正しい買い方なのです。
なぜこの順なのか。そこにはちゃんと、理由が!
「熊手」で福や運をかき集め、「ザル」ですくい、「俵」に詰めて、「宝船」に乗せ、「扇」で風を送って船を進める。
5つが意味を持ってつながっているというわけです。
5年かかって一揃い。6年目はまた熊手に戻り、前回よりも少し大きいものを買って2周目に入り、これを繰り返します。
これらの縁起物は、主に神社周辺の農家さんなどが作っているそうです。元は秋に収穫した稲のわらを使って俵や宝船を編んだのが始まりですが、現在は縁起物を作るために、夏頃に刈り取って専用のわらを作っているそうです。夏頃からもう冬の椿まつりに向けて準備を進めているのですね。
椿まつりと縁起物。これはぜひ福を呼び込んで、椿さんの可愛い「冨久椿(ふくつばき)」のような笑顔で1年を過ごしたいものです。
さあ、まず今年は小さな熊手からスタート!椿まつりに出かけましょう!
伊豫豆比古命神社
住所/愛媛県松山市居相2-2-1
電話/089-956-0321(椿神社社務所)
社務所営業時間/8:30〜17:00
駐車場/200台(無料) ただし神社南駐車場は椿まつり期間中は利用不可
http://www.tubaki.or.jp