【企画展 「錦絵にみる幕末維新 絵師と庶民の徳川幕府」 高知/高知市】 坂本龍馬の生きた幕末の時代…江戸の人々の暮らしって? 【PR】

  

2024年1/20(土)~4/7(日)開催 浮世絵の一種である色鮮やかな錦絵がずらり!

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これまでに数多の歴史的偉人を輩出している高知県。
その中でも特に多くの人々に長年愛されている存在といえば、やはり坂本龍馬でしょう。

ここ高知県にはそんな坂本龍馬にまつわる様々な資料を収蔵・展示し、ドラマやマンガとは違う「本当の坂本龍馬」を知ることができる場所、高知県立坂本龍馬記念館があります。

彼の直筆の手紙や愛用していた品々、そして彼の周囲を取り巻く人たちから見た坂本龍馬像がわかるものや、彼の生きた時代がどのようなものだったのかを知る社会背景の資料まで。

貴重な展示資料の数々から、非常に多角的な視点で坂本龍馬という人を、そして激動の幕末の時代を知ることができる資料館でもありますね。

そんな坂本龍馬記念館で今回、企画展「錦絵にみる幕末維新 絵師と庶民の徳川幕府」が2024年1月20日(土)~4月7日(日)の期間で開催されます。

期間中の資料館には、当時の政治情勢が躍動感たっぷりに描かれた「錦絵」を始めとした関連展示が全32点!
華やかなその展示風景も、一見の価値ありですよ。

坂本龍馬のみならず西郷隆盛や高杉晋作、そして新撰組など、大勢の歴史的偉人を輩出した幕末維新の時代。

今回の企画展は文字通り日本が大きく変わり始めたこの頃の社会情勢を、鮮やかな錦絵を通して、その時代に生きた絵師と庶民の視点から見ることのできるものとなっています。

当時の大衆の娯楽のひとつでもあった錦絵とは、一体どのようなものだったのか。
そこに描かれているものから、現代を生きる私たちは何を知ることができるのか。

今回は企画展の見どころとあわせて、そういったポイントについてもご紹介していきましょう!

当時の人々の心情が見える! 彩り鮮やかな多色刷りの絵「錦絵」とは?

まず最初に、今回の企画展で多数展示される「錦絵」とは、一体どんな絵なのでしょう。

江戸時代中期の頃に、いわゆる「浮世絵」の一種として生まれた錦絵。
その大きな特徴としては多色多版刷り、今でいうカラー印刷の絵であることが挙げられます。

とはいえ当然ですが、江戸時代に現代のようなカラープリンターはありません。
当時版を重ねた印刷物を作るには、職人が版を一つひとつ手彫りし、異なる色の版をズレのないよう手作業で紙に押す工程を踏む必要がありました。

小学生の頃、黒一色の版画を図画工作などの授業で作ったことはありませんか?
簡単に言えば、あの作業を絵で使う色の回数分行うと、カラフルな錦絵ができるというわけですね。

そのため、絵師が一枚一枚手描きで描いた浮世絵に比べれば量産しやすく、庶民でも手に入りやすい安価なものでもあったのが錦絵の特徴です。

しかし今の印刷技術のように、簡単に大量印刷できるものではありませんでした。
その制作の大変さも、おそらく想像できる人が多い事でしょう。

そんな錦絵の中でも主流だったのが、いわゆる美人画や役者絵。当時は写真技術もまだまだ民衆には普及していません。
いわば現在の人気アイドルや俳優のブロマイドのような役割を、この錦絵が果たしていたのです。

重ねて時代を追うごとに、この錦絵では当時世の中で起こった政治的な事件や出来事なども表されるようになっていきました。

このように一定数量産できる技術のおかげで、当時出回っていた錦絵の一部は現代まで形が残り、今回の企画展のような形で私たちもその内容を知ることができます。

当時、日本の中心である江戸の町に住む人々の間で流行っていたもの。
あるいは歴史の教科書には乗らない、庶民の間で起こった日々の小さな事件。そういった内容も、錦絵には描かれています。

その点でも、この錦絵が当時の人々の生活を垣間見ることのできる、非常に貴重な資料の数々であると実感できますね。

現代の私たちとまったく違う所もあれば、時代を超えて共感できる所もきっとあるはず。
江戸時代の人々の暮らしについて、新たな発見がたくさんできる展示にもなることでしょう。

展示は風刺画がメイン! そこから見える“幕府側から見た幕末維新”の視点

今回の企画展「錦絵にみる幕末維新 絵師と庶民の徳川幕府」は、主に4つの展示コーナーに分かれています。
錦絵の基礎を紹介する「錦絵総覧」、錦絵を中心とした幕末の情報メディアに関する「情報収集」。
そして錦絵から幕末の政情を読み解く「諷刺錦絵」、そして幕末を描いた明治期の錦絵に触れた「幕末回顧」で構成されています。

重ねて展示最大の見どころとしては、錦絵の中でも特に社会情勢を描いた「風刺画」を多く取り扱っている点です。

この風刺画から読み取れる興味深い情報。
それは当時この「将軍のお膝元で暮らす」にとって、「龍馬たちの携わった幕末維新がどのように映っていたか」がわかる点にあります。

私たちが知識として知る幕末維新の結末は、数百年続いた江戸幕府が終わり日本が新たな時代へ突入した、という歴史的事実です。

倒幕派対佐幕派の構図で言えば倒幕派の勝利に終わっていますが、今回展示される錦絵は将軍のお膝元である江戸の町で制作されたもの。
つまり結果として倒された幕府側の人々が、幕末維新の出来事をどう見ていたか。
それがこの錦絵の風刺画からは読み取れるのです。

幕府を存続させたい佐幕派の存在として最も有名なのは、やはり新撰組でしょう。
一方この坂本龍馬記念館にいつも展示されている資料は当然、穏健派でありながらも倒幕側だった坂本龍馬にまつわるものが大多数です。

そういった意味でも、普段の資料館ではあまり見られない稀少な視点からの資料に、この企画展では多数触れられる。
それもまた今回の展示の大きな見どころです。

歴史上の様々な出来事には、必ず二つの視点があります。
特に争い事や戦争に関してはたいていの場合勝者と敗者がそれぞれ存在しますが、国内で起きた争いに関しては、歴史を動かしたとして後世へ語り継がれるのは大多数が「勝者側」の話です。

ですが、だからといって敗者側の物語が存在しないわけではありません。
今回の幕末維新に関しても、地方出身の志士たちによって倒幕される幕府を間近で目にした江戸の人々は、その渦中で何を思い、感じていたのか。
彼らの周りでは日々、どんな情報が飛び交っていたのか。

歴史の大筋からは少しズレのある、そんな「幕末維新のもうひとつの物語」を、この錦絵の数々から読み取ってはいかがでしょうか。

歴史のロマン溢れる幕末維新…二つの視点から歴史的事実を紐解こう

企画展「錦絵にみる幕末維新 絵師と庶民の徳川幕府」の開催は2024年1月20日(土)~4月7日(日)。
観覧料は一般700円、高校生以下は無料となっています。

もちろん企画展と併せて、常設展となる坂本龍馬にまつわる資料の数々も観覧可能!
激動の幕末の時代を、江戸幕府側と倒幕側の二つの視点から紐解ける、非常に貴重な機会ともなっています。

華やかで彩りも豊かな錦絵の世界。
目を引くカラフルな絵は眺めているだけでも楽しいですが、その資料の背景へとさらに一歩踏み込むと、より歴史が面白くなること間違いなし!

大勢の歴史ファンを今も虜にする、ロマンあふれる幕末の時代。
それを「錦絵」という一風変わった視点から考察する事で、ぜひユニークな発見を改めて見つけてみてくださいね。

■ 企画展「錦絵にみる幕末維新 絵師と庶民の徳川幕府」
開催期間:2024年1月20日(土)~4月7日(日)
開催場所:高知県立坂本龍馬記念館
住所:高知県高知市浦戸城山830
営業時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
定休日:なし
料金:一般700円、高校生以下無料
高知県立坂本龍馬記念館 公式HPはこちら
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reported by イマナニ編集部 曽我美なつめ
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