開通50周年記念「予土線感謝祭」で知る地域住民の想い 【JR予土線松丸駅前マルシェ 愛媛/松野町】
2024年3/2開催 マルシェや餅まき、伊予灘ものがたりのお出迎えも！
愛媛県宇和島市と高知県四万十町を結ぶJR四国の鉄道『予土線』は、今年で全線開通50周年を迎えます。
これまでの長い歴史の中で予土線に関わったすべての方に、また運行を続けている予土線に感謝の気持ちを込めて、3月2日（土）に『予土線感謝祭』を開催！
会場は、愛媛県の松野町にあるJR予土線「松丸駅」です。
予土線感謝式典では、ステージイベント「鬼城太鼓」さんによる太鼓演奏や「四万十町よさこい踊り子隊 四万夢多」さんのよさこい演舞のほか、餅まきや観光列車「伊予灘ものがたり」のお出迎え・お見送りなど楽しいイベントが目白押し！
予土線ヘビーユーザーである高校生からの熱いメッセージや、松丸駅メロの初お披露目もあります。
また、駅前マルシェも同時に開催されるので、家族と一緒のお出かけにもぴったりですよ♪
会場となる「松丸駅」は、地域住民が気軽に集まれる憩いの場。
駅周辺には道の駅「虹の森公園まつの」やレストラン、カフェなどのお食事処、続日本100名城に選定されている河後森城跡や俳人・芝不器男記念館など松野の歴史、文化に触れられるので、旅行者にも嬉しいスポット。
なんと、駅舎内には100年前の酒樽をイメージした露天風呂から列車を見ることが出来る天然温泉もあるんですよ！
そんな全国的にも珍しい、駅舎の2階にある「森の国 ぽっぽ温泉」は、刺激が少ない肌にやさしい温泉です。
冷鉱泉(25℃以下)なので薪ボイラーで沸かしていますが、松野町内の間伐材で作った薪を利用しているので環境にもやさしいシステム♪
「松丸駅」は有人駅なので切符売り場で話を聞いてみると、近隣からJR予土線に乗って毎週通われている方もいるそうです。
列車に揺られちょっとした旅行気分を味わいつつ温泉に入ってぽっぽ♪…なんて、素敵な休日の過ごし方ですよね。
駅前には無料の「足湯」もあり、気軽に旅の疲れを癒せるのでオススメ。
長旅の合間にもぜひ立ち寄ってみてくださいね。
ビックリな歴史を持つ“予土線”とは！？
現在、宇和島駅と窪川駅間（※）で運行され、全線開通50周年を迎える『予土線』。
しかし、愛媛県側の宇和島－吉野間の歴史はもっと古く、大正時代にはすでに私鉄が開通していました。
（※）予土線の正式な区間は北宇和島駅から若井駅になっています。
1914年（大正3年）に現在の予土線の前身となる“宇和島鉄道”が、近隣の町の有志らによって発足。
通常なら海沿いを走っていくルートを作るところですが、宇和島からぐんと山間に入るように線路が引かれました。
これは、当時は燃料として薪が日常生活に必須だったことと関係しています。
山から薪を切り出し松丸駅に集積し、それを列車に乗せて宇和島駅に運ぶ。宇和島からは海産物が運ばれてきて、と地元住人の生活に密着した交易のために作られたということが分かります。
住民らが自ら発足させただけあって、生活に根差したルートになっているんですね。
そんな経緯を持つ現在の予土線は、いつの時代も人々の生活の中心にあり、日常に溶け込みながらもかけがえのない思い出を作ってきました。
松野町役場ふるさと創生課の井上課長もそのひとり。
当時の思い出をお伺いしてきました。
高校の通学で利用していた時は、今とは違って車両は4両編成でボックスシートだったそうです。
松丸駅から宇和島駅までは約50分。
朝早い通学となるため、寝たり友達とカードゲームをしたりして過ごすことが多かったとのこと。
そんな日常の中にも、友達と過ごす車内では思い出がいっぱい。
住民の足となる予土線は各駅間の距離が短いところもあり、務田駅と伊予宮野下駅はわずか900ｍ！
しかも、単線なので列車同士の離合のために、伊予宮野下駅でおおよそ10分ほど停車していた際には、務田駅－伊予宮野下駅間を1駅分走っても間に合うのか！？などチャレンジをしたこともあったそうですよ。
その結果は…、見事成功！
現在は減便により、1時間に1本程度の運行になり、運行ダイヤも変わっていますが想像するだけでも、なかなかスリリングなチャレンジですね。
時刻表をよ～く確認して、足に自信のある方はチャレンジしてみては！？
その他にも、予土線は区間によって様々な表情を見せてくれます。
北宇和島駅から務田駅までは高低差140ｍ、6.3kmと距離も勾配もある区間。
開業当時はこの急勾配を登ることができず、列車が立ち往生してしまうことも。
乗客が降りて機関車や客車を務田駅まで押して登ったという逸話も残っているそうですよ。
そして、高知県内区間は、ほぼ全区間が蛇行する清流四万十川を貫くように走っています。
橋とトンネルを交互に抜けて、右に左にと入れ替わり現れる四万十川にびっくりすること間違いなしの絶景です！
僕らの青春、予土線は文化だ！
松野町内には高校がなく、松野町在住の高校生は毎日列車に乗って町外の高校に通っています。
そんな高校生たちが一番の予土線ヘビーユーザー！
列車に乗り合わせた人がびっくりするほど、今の子ども達は行き帰りでしっかり勉強しているんだとか。
通学の約2時間を自主勉強に当てるため、松野町の学生は高校に進学したらみんな学力が上がるという都市伝説まで。
高校生達にとって、通学に欠かせない列車での風景は日常。
そんな日常の積み重ねの中に思い出があり、予土線沿線では列車が文化として根付いています。
そして、予土線や松野町の良さを世界に発信しようと、松野町在住の高校生で『一般社団法人マツノイズムプロジェクト』という会社を立ち上げました！
活動の様子をSNSで発信しているので、ぜひそちらも覗いてみてくださいね♪
【動画】 ふるさとCM大賞受賞作品マツノイズム高校「僕らの青春、予土線」 【ふるさとCM大賞えひめ2023作品紹介】
一般社団法人 マツノイズムプロジェクト 公式Instagramはこちら
そんな松野町の駅には人が集まる仕掛けがもうひとつ！
「松丸駅を無人化したくない」という思いから、町の人たちが気軽に集える空間になるようにと“駅ピアノ”を設置しています。
仕事終わりに毎晩弾きに来る人や、買い物帰りにふらっと立ち寄ったり、駅で出会った人と一緒に演奏したりと大好評！
演奏に合わせて体を動かす健康体操教室や、歌いながら日本語の練習ができるようにと外国人研修生を呼ぶなど、駅が中心となって交流の輪が広がっています。
また、松丸駅にはこんなに可愛い列車も来ますよ！
予土線を走る「Yodosen Fun Fun Trains」という6種類の列車は、外見も中身も特別仕様でとってもユニーク。
「しまんトロッコ」、「かっぱうようよ号」、「鬼列車」、「おさんぽなんよ号」など、愛媛と高知の特色溢れる車両です。
“日本一遅い新幹線”と呼ばれている、初代０型新幹線を模した「鉄道ホビートレイン」は子どもから大人まで大人気。
イベント当日も運行しているので、駅で見かけたらシャッターチャンス！
なんと、「予土線感謝祭」の当日は、予土線で初めて２代目「伊予灘ものがたり」が特別運行することになっているそうです。
宇和島駅を10時頃出発し、江川崎駅に12時頃到着する《ぽっぽ編》と、江川崎駅を12時40分頃出発し、宇和島駅に15時頃到着する《ほくほく》編があり、《ぽっぽ編》では、松丸駅に11時頃到着し、30分程度到着するとか。
ほかにも「かっぱうようよ号」では、“かっぱ”も一緒に乗車していて、隣に座るとお喋りしてくれるかも！？
運行時間は公式サイトで確認できるので、「Yodosen Fun Fun Trains」に乗ってイベントにお出かけはいかがでしょうか？
より一層楽しい思い出になりそうですよね♪
Yodosen Fun Fun Trains 公式HPはこちら
温かい住民と一緒に楽しむ松野の駅前マルシェ
10:00～15:00まで「JR松丸駅」前で開催される予土線松丸駅前マルシェでは、キッチンカーやフリーマーケット、地元有名店のテントが立ち並びます。
出店予定のブースはこちら。
● うみとカモメ：フルーツサンド
● まるイチゴファーム：いちごスムージー
● ルリイロサンド：サンドイッチ
● ココチ：スープカレー、豆乳バナナジュース
● ガジュマルピザ：ピザ
● BOSTON BEACH（ボストンビーチ）：ジャークチキン
● akaneya（あかねや）：三津浜焼き
● コハクコーヒー：コーヒー
● フェザンフィレール：鬼北キジ肉の串焼き
● あかまつ農園：いちご
● 焼き鳥KUUKAI（くうかい）：地鶏の鉄板焼き
● Redot（りどっと）：紅茶
● 道の駅みま：地元特産品
● 道の駅とおわ：地元特産品
● まつうらあきお：予土線ポストカード
● 小松精肉店：牛串、豚串、鳥串
● coffeeとツナグ：コーヒー、ココア
● みこパン：パン、プラレール展示
● 城川ファクトリー：ベーコン、フランクフルト
● 菓子工房kazu：地栗モンブラン、いちごタルト
また、午前中には駅前ステージにて、地酒の鏡開きや餅まきが行われる予定ですよ！
「新しいけど、懐かしい」
そんな思い出を紡いできた松丸駅前に地元のおいしいものが大集合。
式典やステージイベントも見逃せないものばかりなので、予土線に乗って家族みんなでお出かけしましょう♪
■ 予土線前線開通50周年記念事業「予土線感謝祭」
開催日/2024年3月2日（土）
開催時間/10:20～15:00
※駅前マルシェは10:00～15:00開催です
開催場所/JR松丸駅前
住所/愛媛県北宇和郡松野町大字松丸
お問い合わせ/0895-42-1116（予土線利用促進対策協議会事務局）
予土線駅前マルシェの開催情報はこちら
YODOSEN SUPPORTERS 公式Instagramはこちら
