新紙幣発行間近! 今治市河野美術館 「おカネの中の日本文化」 【愛媛/今治市】

  

乙女な武将?! 虫めがね実験でわーい?!

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あども。春の陽気に誘われて、もぞもぞ動き出したマリリンです。
今回は、今治市河野美術館で開催中の企画展「おカネの中の日本文化」に行ってきました。

同館は、今治市出身の実業家であり美術品コレクターでもあった、河野信一(のぶいち)氏のコレクション約10,000点以上を収蔵。
平安から現代に生きた俳人・歌人・画家・書家・武将・政治家などが手がけた掛軸・屏風・古文書など、貴重な収蔵品の数々から、毎回テーマに沿った作品を選び、常設展・企画展を開催しています。

2024年7月に予定されている新紙幣の発行に合わせた企画展です。

新一万円札の肖像、渋沢栄一の書。
栄一が好んだ言葉です。

現千円札に描かれている野口英世の書。
地元中学生のレポートもあわせて展示されてます。

こちらは現一万円札、福沢諭吉がしるした児童向けの物理学の教科書。

虫めがね実験で「わーい!」の興奮は、今も昔も同じなんですね。

館蔵品のみで時事的なテーマに沿った企画展が可能なのも、幅広い収蔵品を誇る河野美術館ならではですね。

続いて、かつての紙幣にデザインされていた、『古事記』や『日本書紀』など神話に登場するモチーフや、鶴、亀、稲穂、桜、富士山、などおカネに登場する縁起の良い絵柄や、古典に登場する人物を描いた作品のコーナーです。

かつての五円札などに描かれていた大黒天にも、いろんな表現があるんですね。

日本のこころ、桜が描かれた作品もバリエーション豊かです。

この作品にはどんなモチーフが?
「隠れミッキーを探す気持ちでご覧いただけたら」と学芸員の谷川さん。

こちらは過去の二円札に描かれていた小島高徳が、桜の木に後醍醐天皇へのメッセージを彫る『太平記』のワンシーン。

乙女な高徳にきゅんとしちゃいました。

武将の意外な一面や利休の精神にも触れました

そしていよいよ、河野美術館の代表作、雲龍図!狩野永徳の作と伝わる墨画が描かれた大迫力の屏風。
旧二十〜一円金貨などに描かれていた「龍」にまつわる作品です。

一般的な前を向いた鼻ではなく、シュッとした顔と穴が伏せている鼻は、「狩野永徳」の描く龍の特徴です。
金箔ではなく金泥を用いた「金の霞」の表現は格の高い作品に見られる表現だそうです。

離れて見た時と近くで見た時の印象が違うのもみどころのひとつ。
巨大な一枚ものの屏風が登場するのは室町期以降。
この雲龍図がその時代のものであれば、先駆けの表現とのこと。

一方4階の常設展にも、重大な歴史の一端と今治の繋がりを示す重要な作品や、歴史上の人物の意外な一面に触れることができるものもありました。

阿吽一対の龍がダイナミックに迫ってくる「雲龍図」は、河野美術館の代表作。

きっと写真では伝わらないので、ぜひ間近で体感して欲しいです。

こちらは常設展より、本多正信が藤堂高虎にあてた書簡。
今治城を築いた高虎が徳川家康の晩年、側に仕えていたことを示すものです。

同じく常設展から、石田三成が「鷹」への愛をびっしり記した書簡です。
三成の意外な一面発見です。

敷地内に隣接する茶室茶室「待庵(たいあん)・柿ノ木庵」は、故河野信一氏の邸内から移築された茶室です。
このうち「待庵」は400年余り前、天正年間に秀吉が千利休に作らせたと伝わる京都・妙喜庵の国宝「待庵」を写したもの。

天正13年(1585)羽柴秀吉の四国討伐「天正の陣」が起こり、秀吉の命を受けた小早川隆景が伊予国に上陸しました。
かつての仇であった秀吉の茶室のレプリカが今治の地にある…感慨深いものがあります。

京都の本家待庵は、拝観希望日の1カ月前までに往復はがきにて申し込みが必要など、なかなかハードルが高いですが、こちらの待庵は河野美術館開館日の午前9時~午後5時の間、自由に鑑賞することができますのでお見逃しなく。

千利休が二畳に表現した「侘茶」の世界を、今治で疑似体験できます。

文化財への深い造詣と鋭いアンテナで、幅広い美術品を収集した故河野信一氏。

次回の企画展にも期待です!

「紙幣・硬貨にデザインされた日本のこころ」というサブタイトルの通り、これまでに発行された紙幣・硬貨に関連する作品を鑑賞しながら、日本のこころに触れることができました。

今回ご案内くださった学芸員の学芸員の谷川月彩さんによると、企画展に向けての収蔵品の調査の際に共通点を発見し、また次の企画展のテーマをひらめくこともあるほか、他館からの貸し出し依頼がきっかけで、その作品を軸にした新たな切り口に気付くこともあるんだとか。

バラエティ豊かな河野コレクションならではの展開ですね。
今回鑑賞した「おカネの中の日本文化」は2024年3月17日までですが、2024年4月2日からは館蔵品企画展「そこは物語の世界」が予定されています。
ぜひお出かけくださいね!

■ 館蔵品企画展「おカネの中の日本文化」
開催時間/2023年11月18日~2024年3月17日・9:00~17:00
開催場所/今治市河野美術館
開催住所/愛媛県今治市旭町1-4-8
駐車場/あり 36台(無料)
料金/一般:310円 学生:160円 団体割引(20人以上):大人250円、学生130円
お問い合わせ/今治市河野美術館(0898-23-3810)
今治市河野美術館 公式HPはこちら
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reported by マリリン
イマナニ体験レポート