【午前十時の映画祭14 愛媛/東温市】 小津安二郎ファン必見! 『小早川家の秋』と『宗方姉妹』がスクリーンに蘇る
2024年6/7~7/4上映 映画館でしか味わえない感動体験! 懐かしの名作をスクリーンで観よう
映画ファンにとって、年に一度訪れる特別な時間帯があります。
それは、午前10時。そう、「午前十時の映画祭」の上映時間です。
2010年から始まったこの映画祭は、全国の映画館で、厳選された名作映画を1年間通して上映するという、他に類を見ない企画です。
上映作品は、時代を超えて愛され続ける名作から、近年話題を集めた作品まで、幅広いラインナップ。
中には、初めてスクリーンで見るという人も多い作品もあります。
映画館の大きなスクリーンで、迫力の映像と音響を存分に味わうことができるのは、まさに至福のひとときと言えるでしょう。
開催当初は名前の通り、全ての作品を午前10時から上映していましたが、昨今は10時に限定せず、午前中の上映開始になりました。
今年もまた4月から始まった「午前十時の映画祭14」では、過去最多となる27作品が上映されます。
『インディ』3部昨から幕を開ける今回は、ヴィム・ヴェンダースの名作2作品や、近未来アクション映画の金字塔『マッドマックス』シリーズを上映。
日本からは生誕120年を迎えた小津安二郎2作品と、東宝特撮映画2作品をお届けします。
6月は『小早川家の秋』と『宗方姉妹』を上映。 小津安二郎の映像美を大画面で!
愛媛県で、「午前十時の映画祭」を開催しているのは、シネマサンシャイン重信だけとなります。
劇場は、フジグラン重信の3階。
6月は小津安二郎監督の『小早川家の秋』と『宗方姉妹』を上映予定ですので、ひとつずつ作品をご紹介しますね。
まずは、6月7日(金)~6月20日(木)に上映される『小早川家の秋』。
京都に近い町の造り酒屋の老主人、小早川万兵衛は、今は経営を娘夫婦に任せて隠居の身。
ある日、かつて空襲で生き別れた妾つねと偶然再会し、家族の目を盗んでは彼女の家にでかけ、一緒に競輪場に行くなど、逢瀬を楽しんでいましたが―。
本作は、老舗の造り酒屋一家に起こる悲喜こもごもを、小津安二郎監督が名人芸とでも言うべき軽妙なタッチで綴った一作です。
小津は、前作『秋日和』(60)で東宝専属の司葉子に出演してもらった代わりにこの作品を引き受け、東宝で撮った唯一の作品となりました。
主演は『浮草』(59)に続く中村鴈治郎。
森繁久彌ら当時の東宝人気スターが総出演しているのも見どころのひとつです。
続いて、6月21日(金)~7月4日(木)に上映される『宗方姉妹』。
何事にも保守的な節子(田中絹代)は、自由奔放に生きる妹の満里子(高峰秀子)と同居して面倒を見ています。
夫・亮助(山村聰)が失業中なので節子はバー勤めをしていますが、満里子には皮肉屋の夫に黙って仕えている姉のことが理解できません。
京都にいる父・忠親(笠智衆)が余命いくばくもないと知った節子は、妹にはそのことを伏せ、二人で京都に赴きます。
そこで節子は初恋の相手であり、今は家具店を営んでいる田代(上原謙)と再会することに―。
本作は、対照的な姉妹の生き方を通して当時の社会を浮き彫りにした小津安二郎監督の異色作。
松竹を離れ、小津が初めて新東宝で撮った作品です。
主演の田中絹代は、『大学は出たけれど』(29)から『風の中の牝鶏』(48)まで、数々の小津作品に出演。
1949年、戦後初の日米親善大使として渡米、帰国後に初主演したこの作品は年間配収1位の大ヒットとなりました。
来年の3月27日まで続く「午前十時の映画祭」は、単なる映画上映イベントではありません。
映画の素晴さを再認識させてくれる、特別な映画祭です。
6月は、ローアングル撮影や水平線構図といった、小津安二郎の撮影手法をスクリーンで堪能できる絶好の機会ですので、ぜひ劇場に足を運んで、珠玉のシネマを存分に味わってみてくださいね。
■ 「午前十時の映画祭14」小津安二郎特集
開催日/6月7日(金)〜7月4日(木)
開催時間/上映開始時間はサイトでご確認ください
開催場所/シネマサンシャイン重信
住所/愛媛県東温市野田3-1-13 フジグラン重信3F
駐車場/無料駐車場 2111台
鑑賞料金/一般1,500円、シニア1,300円、学生(大学生以下)1,000円
※一般・小人は割引可。(大学生はのぞく)
※サービスデイ・ハンディキャップ割引可。
※鑑賞券使用可、無料鑑賞は不可。
お問い合わせ/シネマサンシャイン重信(TEL:089-990-1513)
午前十時の映画祭 公式HPはこちら
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