「現代詩大会」 で感じる静寂の心地良さ 【愛媛/松山市】

  

県民総合文化祭で学ぶ、日本に根付く“心遣い”

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こんにちは! さきちです。
愛媛県では地域に密着したさまざまな文化や芸術イベントを毎年秋に開催しており、今年も10月~12月まで県内各所でイベントが行われています。

その名も『県民総合文化祭』!!
名前の通り、我々市民が主役となり、明るくさわやかで活力のある郷土づくりを目指すアマチュア文化の祭典です。

普段気になっているけれど、なかなか体験できない、参加しづらいなぁと思うことって意外と多いですよね。
一人での参加となるとなおさら!

県民総合文化祭では、舞台芸術・生活文化・文芸と大きく3つの分野に分かれ、日頃の成果を発表したり、初心者に向けた体験イベントなどを実施。

どのイベントも気軽に足を運びやすいのがポイントになっています♪
その中から今回は【現代詩大会】に参加してきたので、その様子をお届けしますね~!

会場は「県民文化会館 別館」です。

「県民文化会館 本館」と道路を挟んですぐの分かりやすい場所にあります。
看板ではみきゃんがお出迎え♪

会場では、まず受付をします。
参加費は無料です。

事前応募の作品集は、作成費として応募負担金が必要です。

みなさん、普段、詩を読んだり書いたりしていますか?

「みんなちがって、みんないい」、「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」、「生きているということ いま生きているということ それはのどがかわくということ」など、目にすると、あぁ懐かしいと感じる詩はありませんか。

教科書に載っていたり、授業で書いたり、普段の生活から遠いようで、実は何度も触れてきた「詩」。
大人になると、なかなか自分の気持ちをストレートに表現する場ってないですよね。

現代詩大会を主催する愛媛詩話会の方にお話しを聞いてみたところ「“作品づくり”と意気込まずに、“自分の想いを伝える手段”として、なんでもいいので詩を書いてみませんか?」とお誘いいただきました。

才能がないと書けないのでは、となんだかハードルが高く感じていたので、自分の感じていることをそのまま伝えればいいんだということに驚き。

さらに、最近ではSNSなどで自分の意見を発信しやすくなりましたよね。
そんなスマホネイティブ世代の現代っ子は、自分の気持ちを発信するのが上手なので、詩を書くのは向いているかも? と朗報。

ただ発信するだけでなく、自分の気持ちや周りの感性と向き合える「詩」という形にチャレンジしてみませんか!?

現代詩大会では、事前に募集した作品で「愛媛詩集」を作成しています。
愛媛県内で活動する愛好家の作品を一度に楽しめますよ。

創作活動は孤独なもの。詩について語り合ったり、仲間探しができたりする場はとっても貴重です!

普段は会えない人達と近い距離で意見交換ができるのもいいですよね。

作者本人の朗読、対面だからこそ感じられるものもあるようで、みなさん真剣に聞き入っています。

「詩とは何なんだろう」にみんなで向き合ってみる

今回の現代詩大会では、神戸市在住の詩人、江口節さんを特別講演に迎え、1時間程の講演会も開かれました。

『いつもの言葉の埃を払う』を表題に、「詩は感性、と言われるが、感性とは何だろう、詩とは何だろう」を考えていきます。

長く書いていると「どうして書くんだろう」という素朴な疑問から、「言わなければよかったな、どうやったら伝わるんだろう」など“言葉”について考えることがあるそうです。

そんなきっかけとなった江口さんの最新の詩集から作品を朗読したり、茨木のり子さんや新川和江さんの詩に触れたりしながら、じっくりと言葉を堪能します。

また、先日鬼籍に入られたばかりの谷川俊太郎さんのお話にも触れ、「誰にでもわかりやすい言葉で深い意味を伝えられるのは、芸術に近い感覚が優れていると思うかもしれませんが、谷川さんをよく知る人達は、天才というよりは勤勉という言葉がぴったりだ」とおっしゃるそうです。

とにかく本をたくさん読み、他の人の感性に触れることで、どこか詩につながる回路をいつも整えていたのではないかと江口さんは語ります。

講師の江口節さん。
11冊目となる詩集を出版されました。

詩集からいくつか作品を紹介したレジュメが配られ、新しい詩の世界に興味津々!
みなさんたくさん書き込みをしながらお話を聞いていました!

朗読会には江口さんも参加。

折角の機会ですので、みなさん熱心に発表します!

後半の朗読タイムでは、事前にみなさんが応募した作品を読み合います。
作者の方が朗読してくれることで、よりどんな気持ちで書かれたものなのか伝わるような気がします。

テーマや形式を問わない、400字詰め2枚に収まる形の自由作品になるので、長さや内容もまちまち。

日常のワンシーンや愛媛の景色を切り取ったような作品から、ピカソの「ゲルニカ」と今の社会情勢を組み合わせた作品もあり、アマチュアの祭典とは思えないほど濃厚な作品集となっています。

私のお気に入りの作品はこちら「はなはな」。佐田岬の美しい景色とは裏腹に作者の心を通して見える情景が印象的でした。

「ゲルニカ」をテーマにした作品では、実際に作品を見せ、どういった作品かに触れてから詩を朗読していました。

ウクライナやガザ地区の情勢を織り込んだ、「あの悲劇を描いた時代が 今まさに、今ある」という言葉が突き刺さる作品です。

思いを伝えることで、より作品と向き合える時間が取れました。

対面で話せるのも、こういったイベントの重要なポイントですよね。

愛媛詩話会では、会員の高齢化やコロナ禍を経て、現在では近くの喫茶店に集まりこじんまりと交流を行っているそうです。
11月に行われる現代詩大会をメインの発表の場とし、作品集も毎年作成しています。

年会費がなく、応募負担金(5,000円)でだれでも作品を掲載できるので、気軽に応募できますよ。

江口さんの語った「知識がいくらあっても、詩は書けない。 思い悩み、慌ただしく突き進み、がはがはと笑い、時には酒で忘れたり立ち止まったり、そうしてふと空っぽになった時にふと浮かぶ言葉がある」という言葉が印象的でした。

詩は豊かな人生の表れかもしれませんね。
みなさんも、ふと心に浮かぶ言葉を書き起こしてみませんか?

  • ■ 県民総合文化祭「現代詩大会『秋の詩祭』」
  • 開催日/2024年11月23日(土・祝)
  • 開催時間/13:00~16:00
  • 開催場所/県民文化会館 別館 第11会議室
  • 住所/愛媛県松山市道後町2丁目9-14
  • 駐車場/あり
  • 料金/無料(事前の作品応募の際は、応募負担金が必要です。中学生・高校生は無料です)
  • お問い合わせ/089-931-1931(愛媛詩話会事務局:森原直子)

愛媛県 公式HPはこちら

reported by さきち
イマナニ体験レポート