くらしにプラス+砥部焼を。 砥部焼伝統産業会館「砥部焼干支展 巳」 【愛媛/砥部町】
ニョロっとかわいい巳焼き物
こんにちは!
カンガルーボディを目指す、筋肉ライターKねこです。
新年が始まりました、いかがお過ごしでしょうか。
初詣、初売り、仕事始め、新学期と新たなスタートとなりましたね。
2025年は巳年、「復活と再生のシンボル」として縁起の良い年とされているのをご存知ですか?
それはなぜか、巳(蛇)は脱皮して、新しく生まれ変わっていくから。
巳年は成長や変化に恵まれています。
新しいことへの挑戦、新しい自分に出会えるチャンスの年ですよ。
また、「巳(み)」と「実(み)」の語呂から、「実がつく」として、お金が身につく、努力が実ると言う意味合いもあるそうです。新しい自分に出会えると思うと、ワクワクしてきますね。
さらに、周期は「乙巳(きのとみ)」。 干支は「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせたもののことで、よく耳にする、ね、うし、とら…のみで干支と言うわけではないのです。
2025年は、十干の「乙(きのと)」と十二支の「巳(み)」が組み合わさったと乙巳となります。十干十二支は全部で60種類。
還暦(60歳)は、自分が生まれた干支に戻ってきたことのお祝いです。
第二の人生に生まれ変わる年が、巳年となるのはさらに素敵ですね。
さて、そんな縁起の良い巳の砥部焼があると聞いて、遅ばせながら見に行ってきました。
訪問したのは、砥部町の砥部焼伝統産業会館です。
ここは砥部焼の歴史を学ぶことができる、砥部町内唯一の施設です。
11月27日から1月13日までこの会館では、砥部焼でできたかわいい干支の置き物をメインとした「砥部焼干支展 巳」が今年も開催されています。
今回で37回目の開催となる歴史あるイベントです。
砥部焼伝統産業会館の外観です。
いたる所の砥部焼が目を惹きます。
施設までの道路に跳焼の模様が描かれていました。
家根の上にちょこんとかわいい、砥部焼のオブジェ。
入口すぐ正面に施設のシンボル、大きな地球儀の「生命の碧い星」があります。
青年海外協力隊が各国で収集した小石が収められています。
新年を祝う華やかなお正月作品も並びます。
「砥部焼干支展 巳」は会館1階のギャラリー内にあります。
1階ギャラリーは観覧無料です。
たくさんの窯元の作品が展示されている中に、際立って見えるのが干支展です。
巳、巳、巳…その一角は全部が巳で埋め尽くされています。
巳年にこめられた窯元の思いが、かたちになった素敵な作品がたくさん並びます。
砥部焼は窯元によってデザインや色使いが異なるので、見比べると楽しみが倍増しますよ。
どの作品も、一つひとつ手づくりの温かみが感じられます。
手作りゆえに、同じ窯元、同じ作品でもかたちや表情が違うところ、微妙な変化が味わい深いです。
置き飾り、食器、壁掛け、絵皿など日常生活から雑貨までたくさんの干支作品があり、いろいろなかたち、ユニークな表情の巳を楽しむことができました。
キリッとゆるっと対照的な巳が面白いです。
また白蛇(巳)は、幸運をもたらす神の使いだと言われています。
砥部焼の白磁はまさにぴったりの色彩で、巳がより一層美しく、綺麗に見えました。
砥部焼15の窯元の作品が一堂に見られるのも干支展の魅力です。
たくさんの巳がお出迎えしてくれました。
一つ一つ手作りです。
イチオシはこの置き物。
ニョロっとかわいく登場です。
ご飯を食べた後に、思わずにっこりしそうなお皿。
三角形のお皿には、三角おにぎりをのせたいですね。
絵馬の絵皿や渋い壁掛けなどもありました。
この置き飾りの白巳が一番大きかったです。
金運アップしそうですね。
これも砥部焼? 窯元の作品が勢揃い
干支展の開催されている1階ギャラリーには、たくさんの窯元の作品が並びます。
今回干支展に出品された窯元の作品もあります。
展示されている砥部焼の窯元は約80件、窯元によって、色やデザインが異なります。
砥部焼は、250年の歴史を持ち、手づくり、手描きの伝統を守っているところも魅力の一つです。
砥部焼は、厚手でぽってりとしたフォルムと、白磁に藍色の染め付けが施されているところが特徴。
重量感があり、ひびや欠けが入りにくく、丈夫な作りで、日常使いに頼もしい陶磁器です。
夫婦喧嘩で投げても破れないという話から、別名「喧嘩器(けんかき)」とも呼ばれているとのこと。面白いですね。
伝統的な白磁と藍色の組み合わせの陶器のほか、黒や茶色、これも砥部焼? と思わず見入ってしまう色とりどりの陶器、デザインが豊富なものが多くあります。
染め付けされている砥部焼は、直線一つとっても繊細に描かれ、熟練された職人技にハッとさせられます。
壊れにくく、普段使いしやすい。
さらに、かたちや模様が細かいところまで、作り手の気持ちが行き届いているところに砥部焼の魅力があるのだと思います。
老若男女問わず、人気の理由にも納得です。
たくさんの窯元の想いが溢れています。
個性的な色、かたちが楽しませてくれます。
こちらは龍泉窯のえくぼカップ。
親指がくぼみにフィットして持ちやすいです。
可愛らしく、食卓のアクセントになりますね。
ねこ用のごはん皿。
ごはん中に首が疲れたり、喉を詰まらせたりしないように、ねこに寄り添った優しいうつわです。
黒と白の砥部焼。
真っ黒、真っ白ではない、どこか青みがかった器です。
館内はほかにもたくさんの砥部焼作品があります。
1階展示室(要入館料)は、砥部焼の歴史資料や貴重な焼き物、現代の優れた作品など、さまざまな演出で紹介しています。
2階では、個展やグループ展など多彩な催しが行われています。
2月2日まで「砥部焼伝統工芸展2025」が開催されています。
1階の展示室前は、マリメッコのテキスタイルデザイナーとして活躍された、石本藤雄氏の作品のほか、ペースメーカーがついた「心象オブジェ」佐賀道彦氏(梅乃瀬窯)のダイナミックな作品なども楽しめます。
1階トイレの手洗い桶には、大きな花が描かれた砥部焼があり、休憩場所も砥部焼空間に包まれます。
また屋外の小さな庭園には「水琴窟(すいきんくつ)」と呼ばれる、日本庭園や寺院などに作られる仕掛けがあります。
水琴窟は、水滴が落下して発する音を反響させて楽しむものです。
音色が心地よいリズムで落ち着き、癒されますよ。
展示室は2つあります。
通路にも作品が並んでいます。
石本藤雄氏の作品。
テキスタイルと砥部焼のコラボレーションです。
「心象」の正体。
右上にペースメーカーがあります。
大胆かつ忠実な作品に本当に驚きました。
トイレの手洗い桶。
砥部焼地域ならではの演出です。
凛としたたたずまいの「水琴窟」ひしゃくの水を奥のかめの上から流し、竹筒をあてて聴きます。
透きとおった音色が、リラックスさせてくれます。
「砥部焼干支展 巳」をはじめ、たくさんの砥部焼に出会いました。
まだまだ紹介しきれていませんが、目で見て、日常で使って楽しめる、素晴らしい作品ばかりです。
手にとると、砥部焼の重みや表情から、窯元の手仕事の味わい、込めた想いがじんわりと伝わってきます。
多くの窯元の作品を、一度に楽しめるのも専門施設の魅力。ちょっとした窯元巡りを味わえます。
2025年は新しいことを始めるチャンス!
縁起の良い干支の小物や食卓に並べるうつわまで、歴史と伝統ある砥部焼を、暮らしの中に新しく取り入れてみませんか。
きっと毎日明るく、楽しいひとときを過ごせますよ。
ぜひお気に入りの砥部焼を探しに、砥部焼産業会館へ足を運んでくださいね。
- ■ 砥部焼伝統産業会館「砥部焼干支展 巳」
- 開催日/2024年11月2日 9:00~17:00
- 開催場所/砥部焼伝統産業会館
- 開催住所/愛媛県伊予郡大南335
- 駐車場/あり 100台
- 料金/入館料 イベント会場(1階ロビー)は無料、大人:300円、65歳以上高校生・大学生200円、小・中学生:100円
- 問い合わせ先/砥部焼伝統産業会館
- 電話番号/089-962-6600
- メール/tobe-densan@aqr.e-catv.ne.jp
砥部町 公式HPはこちら
砥部焼伝統産業会館 公式instagramはこちら
イマナニで「砥部焼伝統産業会館」の情報を見る