【OMATSU-RebootCAMP 愛媛/西条市】 地域と人と繋がり、お祭りを未来へ繋ぐプログラム (第2弾)
西条まつりのディープな世界へようこそ
地域と人を繋ぐプロジェクト【OMATSU-Reboot CAMP】を紹介する本特集。
第2弾では、西条市を代表するお祭り「西条まつり」を中心に、実際にプロジェクトへ参加しているメンバーの声をお届け!
第1弾でお伝えしたキーワードは、“関係人口”でしたね。
関係人口とは、「地域と多様な関わり方をしている人々」を指す言葉で、移住者や観光客に対し、地域や住民との断続的で多様な関わりを通して地域づくりに参加する人達のこと。
お祭りへの参加による地域文化の体験をきっかけとして、参加者の皆さんがよりディープに繋がる機会を創出したり、外からの視点で街の課題を考えたりしていきます。
ということで、早速どんな形でプロジェクトが進行しているかご紹介♪
「西条まつり」初めましての人はもちろん、毎年楽しみにしてるよ~という常連さんも改めて魅力を発見できること間違いなしなので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね~。
今からお祭りの季節が待ちきれなくてワクワクしちゃうかも♪
「よいとさーよいやさー」の声に合わせてはじまる1年
(出典:西条まるしぇ https://www.saijomarche.jp/1148/)
1年が祭りに始まり、祭りに終わると言われるほど、地元でも熱狂的なファンが多い「西条祭り」。
なんと、10月始まりのお祭りカレンダーまで売られているんですよ!
(出典:西条市役所 https://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/kanko/maturi-course.html)
「西条祭り」は、伊曽乃(いその)神社、嘉母(かも)神社、石岡(いわおか)神社、飯積(いいづみ)神社の4つの神社の例祭の総称で、五穀豊穣を神に感謝する神事として行われる秋の大祭です。
場所によってスケジュールが少しずれるのですが、10月中旬に2日間の日程で開催されます。
その中で一番規模の大きい伊曽乃神社祭礼は、約80台のだんじりと4台のみこしが境内に一堂に会するという荘厳な雰囲気!
これほどの屋台(だんじり・みこし)が集まるのは全国でも珍しいとのことで、始まりからクライマックスとも評される“宮出し”は、ぜひ一生に一度は実際に見て欲しいほど圧巻の光景です。
その宮出しですが、深夜2時頃から各地区を出発した屋台が伊曽乃神社の境内に集まり、豪華絢爛な練り歩きを披露します!
辺りはまだ真っ暗。
さらに、石鎚山から吹き下ろされる冷た~い風が体感温度を下げ、愛媛の10月とは思えぬ寒さ。
しかし、周りの熱気は最高潮!
「よいとさーよいやさー」と祭りの幕開けを告げる伊勢音頭が響き渡ります。
その後、夜明けとともに各地区へと戻っただんじり・みこしは、そのまま町内を回ります。
2日目には“お旅所”や“御殿前”といった、こちらも華やかな奉納が行われ、まさに2日間、町は祭り一色!
そしてフィナーレは、加茂川への“川入り”。
2日目の夕方に再度、各地区のだんじり・みこしが伊曽乃神社横を流れる加茂川へ集まり、川沿いでのパフォーマンスを披露します。
宮出しとは逆に、だんだんと日が落ち、提灯に明かりが灯されていく屋台。
西条まつりの提灯には、蝋燭を使用する地区が多いそうで、温かいオレンジ色に照らし出され、だんじりの彫刻までも美しく浮かび上がります。
正式名称は「川入り渡御」と言う、西条まつり最後の行事。
ご神体を収めたみこしが神社に戻ろうと加茂川を渡り始めるところからスタート。
神社へと帰っていく神様と祭りの名残を惜しむように、伊曾乃地区のだんじりが川の中へ入り、みこしの行く手をできるだけ遅らそうと目の前に立ちはだかります。
最後まで楽しみ尽くそうとする姿は、いつまでも見ていたくなるような幻想的な光景です。
一人でも初めてでも大丈夫! みんなが寄り添うお祭り
今回のプロジェクトに参加した「紺屋町」は、西条市の中心部に位置する約150mのアーケード型商店街を有するエリア。
他の地域とは違って「商栄会」という組織がだんじりを所有し、お祭りを運営しています。
そして、紺屋町のだんじりの一番の特長は、タイヤを付けないという昔ながらのスタイル!
全行程を“舁き夫(かきふ)”によって人力で移動します。
そこで問題となっているのは、テナントや人口数の減少に伴う舁き夫と運営者の不足。
新しいテナント店舗やマンション誘致などでお祭りを見に来る人は増える一方、舁き夫と運営者の不足問題は深刻になっています。
そこで、今回プロジェクトに参加したメンバーは、西条市以外の愛媛県内から社会人3名と、県外から大学生1名。
まずは実際にお祭りに参加して地域の方々と交流を深めます。
1日目に参加したメンバーには、地元の方から「宮入り」をぜひ見て欲しいとの希望で早朝2時に集合!
愛媛県のお祭りに初めて参加したという大学生・織田さん。
地元静岡のお祭り(袋井祭り)が大好きで、そこからお祭りについて調べたり伝統文化について習ったりするようになったという、西条っ子に負けないお祭り大好き男です!
そんな織田さんに西条まつりの印象を聞いてみると、「愛媛のお祭りは見るのも初めてだったので、どういう文化なのか、ほんとうに地域の方に受け入れてもらえるのかとドキドキしながら来ました。 けれど、西条駅に下りた瞬間からだんじりを舁く人達の声や太鼓の音、祭囃子が響いていて、町中の熱気を感じた」とのこと。
お祭りは地域に根差した行事なので、クロージングな雰囲気のところも多いですよね。
紺屋町は、元々町外からの参加者に寛容な町。
その上、今回のプロジェクトで外からの視点を取り入れ、よりお祭りの存続と発展に寄与しよう、団長をはじめ役員をしている方々との協力をスタート。
お祭り参加スタイルは法被に腰巻!
足元は地下足袋にスニーカーなど、それぞれ動きやすい格好ですが、お揃いの法被を着るだけですでに一体感が出ますよね♪
参加者には保険加入が義務付けられているので、加入の代わりにその地区の法被が貸してもらえます。
『法被を着たら家族だよ』という言葉を地域の方からかけてもらえて、嬉しかったという参加者のみなさん。
その言葉通り、慣れないお祭りでも同じ法被を着た人達が頻繁に声をかけてくれ、男性はだんじりの舁き夫(かきふ)としても参加させてもらえるので、地域の中へ溶け込んだような気分に。
また、腕章をつけた役員の人が交通整理や安全確認、飲み物や食事の提供までしてくれるので、手ぶらで過ごしていてもほんとうに実家に帰ったように、みんながわいわいと世話を焼いてくれます。
初めての参加とは思えない安心感…ここが第二の故郷になるかも?
とはいえ、あの大きなだんじりを始めて担ぐとなると、緊張しますよね。
「どうやって集団の中に入ったらいいんだろう?」「どこを持つんだろう?」そんな不安も、町の人達との交流があれば大丈夫!
お祭りをまとめる総代や団長はもちろん、お祭りのエキスパートが全体を見ながら身長順に「ここに〇cmの人、入って!」と指示をしてくれます。
そして周りの人が、「肩はこう入れたらいいよ。ここを持ったらいいよ」と細かくアドバイスをしてくれるので、初めてでも安心♪
腕だけでなく肩を入れて担ぐので首の後ろが痛くなる…ということで、手ぬぐいをもらうシーンも。
あれだけ大きなものを人力だけで動かすのはやはり相当ハードなようですね。
そして、だんじりの中に入って担ぐ人だけでなく、周りからの応援の声も力になるそうです!
そういった周りのサポートや声掛け、そして自分達も一緒に声を出すことで町が一体になっていくような感覚は参加した人にしか分からない感覚だと言います。
織田さんも「なんかいいな」と言葉にはできない気持ちが込み上げてきて、うるっとしたと振り返っていました。
そして最後の川入りでは、闇夜に浮かぶ提灯に照らされただんじりとみこしがずらりと川沿いに並びます。
「これでもう今年のお祭りが終わってしまうのか」というセンチメンタルな気分と神々しい光景に、また自然と涙が出そう。
なんとも現実離れしたような2日間と、この時期になると会える人達がいるという関係が「西条まつり」の魅力でもあるのかもしれませんね。
そんな町の方々と関係を築いたプロジェクトメンバー。
「西条まつり」からは紺屋町、「いよ小松祭り」から小松町、「お簾踊り」から丹原町の田滝地区、そしてお祭りに欠かせない「職人」チームがそれぞれ参加しています。
これからどのようにプロジェクトが進んでいくのか、続きをお楽しみに!
- ■ OMATSU-RebootCAMP~100年後も楽しめる地域をつくろう~
- 事務局/公益財団法人えひめ西条つながり基金
- 住所/愛媛県西条市大町1663番地
- お問い合わせ/saijo.omatsuri.community@gmail.com
OMATSU-RebootCAMP 公式HPはこちら
おまつりブートキャンプ特集記事(第1弾)はこちら