【OMATSU-RebootCAMP 愛媛/西条市】 地域と人と繋がり、お祭りを未来へ繋ぐプログラム (第3弾)

  

つながり広がる、アイデア膨らむ、グループ活動スタート!

おまつりブートキャンプ第3弾_01

地域と人を繋ぐプロジェクト【OMATSU-Reboot CAMP】を紹介する本特集。
第1弾では“関係人口”をキーワードに、地域の人達とどのように関わり、つながりを作っていくのかプロジェクトの概要をご紹介しました。

第2弾では、西条市を代表するお祭り「西条まつり」へ参加したメンバーの声を中心に、熱気あふれる町の様子をお届け。

OMATSU-RebootCAMP特集記事(第1弾)はこちら
OMATSU-RebootCAMP特集記事(第2弾)はこちら

【OMATSU-RebootCAMP 愛媛/西条市】 地域と人と繋がり、お祭りを未来へ繋ぐプログラム (第3弾)

第3弾では、いよいよそれぞれのグループに分かれた活動を追いかけていきます!

「西条まつり」からは紺屋町、「いよ小松祭り」から小松町、「お簾踊り」から丹原町の田滝地区、そしてお祭りに欠かせない「職人」と、4つのプロジェクトに分かれて、西条市外からそれぞれに約3名のメンバーが参加しています。

【OMATSU-RebootCAMP 愛媛/西条市】 地域と人と繋がり、お祭りを未来へ繋ぐプログラム (第3弾)

STEP1として、各地区のお祭りに参加し、顔合わせをしたメンバー。
そこから約3カ月かけて、地域の中と外から多様な視点で課題を見つけ、解決策を共に探求します。

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STEP4の「中間報告会」までは、週1回程度オンラインでのミーティングや、可能ならば現地視察・対面でのミーティングを行いながら地域での困りごとや課題となっていることを洗い出し。

オンラインの良さは「どこにいても、誰とでも繋がれる」ところですが、それ故に個々の予定が合わせづらいなど、調整が大変なところもあったようです。

では、それぞれのプロジェクトの様子を見てみましょう!

「西条まつり」紺屋町の課題とは

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それぞれのプロジェクトには地域側からもメンバーが参加しています。
紺屋町からは、お祭りの運営に関わる「商栄会」から日野さんが参加。

商店街でELM(エルム)という洋服の販売店を経営しており、お祭りを通していろんな世代の人がコミュニケーションをとれる西条まつりの魅力をもっともっと広めたいと参加を決意。

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地域側からの課題としては、「テナントや人口数の減少に伴う舁き夫と運営者の不足」が上がりました。
お祭りを見に来て楽しんでいる人は多いものの、実際に参加し、舁き夫や運営メンバーとなる方は減少しています。

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中間発表会はオンラインで行われ、地域側と参加者が話し合ってきた課題やアイデアについて発表。

プロジェクトの目標を
・担ぐことで築いてきた地域コミュニティから紺屋町のお祭りを繋ぐ
・防災連携を高める
に設定。

そのためには役員として関わる人数を増やす必要がありますが、コアとなる部分なので、まずは舁き夫の人数を3交代制でできるくらい集めることを目標に話し合いを進めました。

「いよ小松祭り」西町西組の課題とは

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小松町から参加したのは、西町西組の小松町屋台運営員会 会長・久米さん。
こちらも西条まつりと同じく、自治会加入率が低下し、お祭りの運営に関わる人が減少傾向です。

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小松町では、西条まつりと同様に西条型の屋台(だんじり)を奉納する祭りが実施されており、活動地域となる西町も、町内の三嶋神社にだんじりを奉納しています。

町内で合計13台のだんじりを奉納し、町ごとに特色のあるだんじりとなっていますが、西条祭りとの違いがもう一つあります。
西条祭りでは、神輿(しんよ)を、自治会の住民が舁く機会はありません。

しかし、小松のお祭りでは、自町内に神輿が到着したら各だんじりを運行する各自治会のメンバーが交代で舁く等、旧西条市内の祭りには見られない珍しい特徴もあります。

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こちらも中間発表会での目標を
・自治会未加入者の増加に伴う舁き夫の不足
・祭り参加者の現象に伴う地域住民同士のコミュニケーションの減少
としました。

参加者と不参加者のそれぞれに、「お祭りにどのような印象を持っているか」などアンケートを実施して、より具体的な声を集めたいとの意見がでていました。

そして、「舁き夫」以外でも多様な楽しみ方ができないかという意見には、よりイベントらしい催しができればいいのではというアイデアも。

他地区のだんじりがずらりと並んだ景色も西条や小松のお祭りの魅力のひとつですよね。

ランウェイやフェスティバル要素の強い催しができれば、見に来た人がよりお祭りへの興味を持ってくれるのではという意見は、外から見に来た参加者ならではの視点かもしれませんね。

「お簾踊り」田滝地区の課題とは

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お簾踊り保存会からは、中平さん(左)と、佐伯さん(右)が参加。

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保存会のみなさんが考えるお簾踊りの課題は、踊り手や太鼓、口上の担い手不足など。

400年の歴史を持つ伝統的な文化ですが、通常の盆踊りと違い、踊れるようになるまでに一定程度練習が必要なこともあり、地域外の参加者が飛び込み参加しづらいことも影響していると考えています。

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また、踊り自体は、地域の学校の先生が生徒に教える他、盆踊り前に有志が集まって週1回程度の練習をするなどして確保できていますが、太鼓や早口口上に関しては練習する機会やマニュアルなどが作られておらず、後継者が不在となっています。

これをどのような形で承継していくか、また誰が受け継いでいくのかも大きな課題の一つです。

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今回のプロジェクトの目標では、
・雨乞い「お簾踊り」の文化・技術継承
・田滝地区全体での交流・情報発信
・田滝のファンを増やす
ということを設定。

お簾踊りは歴史ある伝統的な踊りですが、西条市内でもその認知度があまり高くないとのことで、まずは“知ってもらう”というところに重点を置いてアンケートを実施。

SNSなどを活用した情報発信を模索しつつ、「お簾踊り」について体系的にまとめられないかなど、伝統文化として確実に継承していく方法なども話し合われていました。

西条まつりを支える「職人」の課題とは

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職人チームからは、伝統工芸コーディネーターとして地域の魅力を発信している石水さんが参加。
石水さんにとって西条の秋祭りは“アイデンティティ”とも呼べる大切な伝統。

「ここにしかない手仕事の魅力がつまった屋台が町を歩く姿はまるで古き良き日本の風景にタイムスリップした感覚」だそうです。

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そして、西条市内で提灯職人をしている日野さんも加わり、西条祭りを支える職人の実情などをお話してもらいました。

息を吞むほど美しいデザインをつくる彫刻師や塗師、夜のだんじりを鮮やかに彩る提灯職人、その他にも大工や板金職人、衣装を手掛ける縫製屋など、西条祭りは多くの職人の技によって支えられています。

一方で、職人の仕事・技術を知る機会は少なく、西条市内でも職人はどんどん減っています。

伝統技術は、一度途絶えてしまうと復活させるのがとても困難。
そのため、西条市のアイデンティティでもある、祭りを支える技術の次世代への承継が必須!

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中間発表会では、デザイナーさんのインスタや広報などを参考に、現在作成している動画や小冊子、工芸品にフォーカスしたイベントなど見直し。

また、安定した収益化や仕事の具体的な流れなど、不明瞭なところを周知していくところから、「職人になりたい」というきっかけへの壁を低くできるのではという話し合いが行われました。

4つのプロジェクトそれぞれでの話し合いや発表の様子をご紹介していきましたが、地域や内容は違えど、「後継者不足」や「周知の方法」など共通した課題もあるということが浮き彫りになってきました。

今回は西条市内のお祭りを通して“関係人口”を増やし、町の人口減少やそれに伴う防災への対策などにつなげていくという取り組みですが、西条市だけでなく、これらの課題は日本全国の地方都市で同じような問題が起こっているのではないでしょうか?

本プロジェクトでの問題提起や話し合いが、全国での取り組みのモデルケースとなれば幸いです。
次回はいよいよ、最終報告会!
さて、各プロジェクトはどのような展開を迎えているのでしょうか。

これを他人事と思わず、みなさんの地域でも小さな困りごとやコミュニケーション不足だなと感じた際には、広く意見を取り入れて話し合いができるような場が持てるといいですよね♪

  • ■ OMATSU-RebootCAMP ~100年後も楽しめる地域をつくろう~
  • 事務局/公益財団法人えひめ西条つながり基金
  • 住所/愛媛県西条市大町1663番地
  • お問い合わせ/saijo.omatsuri.community@gmail.com

OMATSU-RebootCAMP 公式HPはこちら
OMATSU-RebootCAMP特集記事(第1弾)はこちら
OMATSU-RebootCAMP特集記事(第2弾)はこちら

reported by イマナニ編集部 さきち
イマナニ特集