【伊方町】掌から生まれた人形たち。「青芳人形」初めての里帰り展

  

「どこかで見たお人形」きっとあなたの身近にも

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このお人形、どこかで見かけたことがありませんか?

穏やかな表情で静かに佇むこの人形は、愛媛県伊方町出身の砥部焼作家・森元青芳(せいほう)さんの掌から生まれた「青芳人形」です。県内外を問わず広く親しまれ、家庭の棚やお店の窓辺にふと目を向けると、実は昔からそこに置かれていた―そんな光景に出会うこともあります。そんな青芳人形が、初めてふるさと伊方町で本格的に紹介される里帰り展が、現在、『佐田岬半島ミュージアム』で開催中です。

「人形づくりは宿命」
青芳さんの作陶人生

昭和3年3月3日、ひな祭りの日に伊方町に生まれた青芳さんは、「人形づくりは宿命」と語り、砥部焼の技法を生かした創作を続けました。人形を商品として発表した当初は、地元でも必ずしも理解される存在ではなかったといいます。しかし、人々の心を癒やすその独自の表現を求めて、青芳窯を訪れる人は少しずつ増えていきました。
また、青芳さんは詩人・坂村真民さんとの交流も深く、真民さんの詩と響き合うように生まれた作品「念ずれば花ひらく」は代表作の一つとして知られています。

森元 青芳(1928ー2013)

物語を感じさせる青芳人形の世界

今回の展示は4章構成。代表作から一点ものまで、さまざまな青芳人形がずらり勢揃い。青芳さんの歩みや創作の背景を紹介するとともに、ふるさと伊方町の記憶を映す作品を通して、青芳人形の世界を紹介しています。

ひとつひとつ、表情も佇まいも異なる人形からは、青芳さんの手の温もりと物語が感じられます。
会場中央に展示されている「桃太郎」も見どころの一つ。昔話「桃太郎」を30体の人形で表現した作品で、桃から生まれる場面にはじまり、犬・猿・雉との出会い、鬼ヶ島へ向かう場面までが順に描かれており、思わず笑みがこぼれる青芳さんらしい結末が印象的です。

青芳さんと真民さんの交流

「貧乏してでも、つくりたいものをつくる」。
そう語っていた青芳さんは、土を手にのせると自然に形が生まれると話したそう。デッサンをして形を決めるのではなく、手の感覚を頼りに作品をつくる制作スタイルでした。
焼き上がった人形は一体一体異なる表情を持ち、その魅力に共感した人の一人が詩人・坂村真民さん。今回の展示では、二人の交流を伝える資料や詩もあわせて紹介されています。

好評につきGWまで会期延長

企画展「青芳人形展」は好評につき会期延長が決定し、ゴールデンウィークまで観覧できるようになりました。現在展示されているお雛様が、5月の開催に合わせて武者人形(五月人形)に替わるかも?という遊び心たっぷりの演出も楽しみの一つです。
陶芸や美術に興味のある人はもちろん、家族でのおでかけにもおすすめの企画展。この機会に、青芳人形の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

佐田岬半島ミュージアム 2026特別企画展[青芳人形展]掌と空のあいだに

【イベント概要】

  • 開催日: 2026年2月14日(土)〜5月10日(日)※好評につき会期延長
  • 時間: 9:30〜17:00(最終入館16:30)
  • 場所: 佐田岬半島ミュージアム
    住所: 愛媛県西宇和郡伊方町塩成乙293
  • 料金: 無料(常設展示は別途)
  • お問い合わせ: 佐田岬半島ミュージアム
  • 電話: 0894-21-3400
  • URL: 佐田岬半島ミュージアムHP

reported by イマナニ編集部 コマナニ
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