【伊予桜井漆器会館 vol.2】贈る想いを次の世代へ。今治で出会う漆器の新しい魅力(愛媛/今治市・おでかけレポ)

  

こんにちは!
生まれも育ちも今治、2人の子どもを育てる兄弟ママライター・おまいです。
今治の気になる人やお店を『ママ目線』でご紹介しています。

今治といえば、タオルや造船を思い浮かべる方が多いですよね。
実は、今治市桜井には約250年もの歴史を持つ伝統工芸「桜井漆器」があります。

今回訪れたのは「伊予桜井漆器会館」。
贈り物として選ばれてきた理由や、伝統を次の世代へ残すための取り組みについて、社長の鳥井さんにお話を伺いました。

人生の節目に選ばれてきた漆器

桜井漆器は、結婚や新築、長寿祝い、退職、企業の記念品など、人生のさまざまな節目に選ばれてきました。

漆器は、大切に使えば長く使い続けられるもの。
贈った瞬間だけでなく、その先の暮らしにも残り続けます。

毎日の暮らしの中で使うものだからこそ、贈った人の想いも自然に受け継がれていく。
一方で、昔は自宅で冠婚葬祭が行われ、漆器は「おもてなしの器」として使われました。

「おもてなしの器」というのは、“誰に出しても恥ずかしくない器”で、漆器の中でも高級品がたくさん出回りました。
その頃のイメージが今もなお、漆器=「高級品」、漆器=「お手入れが大変」という印象が先行し、手に取りにくいものでもありました。
そこで現在は、伝統を守りながらも、暮らしに取り入れやすい価格やデザインを意識した商品づくりにも力を入れているそうです。

「伝統×現代性×遊び心」
代替わりして約10年。
鳥井さんは、この3つを大切にしながら、今の暮らしに合う桜井漆器を考え続けています。

夏らしい季節感あふれる店内

夏の食卓を彩る涼しげな漆器もずらり

歴史を感じる昔ながらの桜井漆器も展示

お客様のひと言から生まれる商品

新しい商品を考えるきっかけは、お客様の何気ないひと言から生まれることもあるそうです。

「こんな商品があったらいいのに」
「今の家には、こういうデザインが合いそう」
会館を訪れた方との会話の中からニーズを拾い、商品開発につなげていきます。

例えば、昔ながらの印象があったパネル商品も、現代の住宅に飾りやすいモダンなデザインへ変化。
漆器の技術を生かしながら、今のインテリアになじむ商品を作っています。

もちろん、考えたものがすべて商品になるわけではありません。
技術面や価格、使いやすさなど、形にするまでには難しいこともたくさんあるそうです。
それでも、一つひとつの商品に込められた職人さんの想いを調べ、説明を聞き、お客様へ届けられるよう、チラシやパンフレットにも工夫を重ねています。

以前、パンフレットの文字を大きくし、商品の魅力が目に入りやすいデザインへ変えたところ、売り上げにもつながったのだとか。
「どうすれば見てもらえるか」「どうすれば想いまで伝わるか」を考えることも伝統を残していくために必要な役割なのだと感じました。

らしになじむモダンでお洒落な漆器パネル

見て・触れて選べる桜井漆器会館の店内

心に響く「金言」パネルも注目です!

漆器だけじゃない、今治らしい遊び心

伊予桜井漆器会館では、漆器以外の商品開発にも取り組んでいます。
観光バスなどで県外や海外から訪れる方も多いため、愛媛のお土産として楽しめる商品も展開。
そのひとつが「ラブプリンセス」です。

愛媛県の「愛」を英語の「Love」、「媛」を「Princess」と訳したユニークな名前。
ハートとティアラを組み合わせたデザインで、今治タオルやラバーキーホルダー、ピンバッジなどが販売されています。
こうした遊び心のある商品があることで、お客様との会話も広がるそうです。

また、海運の街として知られる今治。
鳥井さんは「海運」と「開運」という言葉を重ね、『海運のまちから、開運の縁起物を。』というのも一つのテーマとし、商品作りを進めているそうです。

今治で商いを続けていく中で大切にしている想いのひとつ。
今治で歴史ある、桜井漆器のこれからを前向きに願う気持ちも伝わってきました。

「ラブプリンセス」誕生の由来も紹介

今治土産にも人気のラブプリンセスシリーズ

思わず笑顔に♪遊び心あふれる「金かえる」

子どもたちから家族へ広がる漆器の輪

桜井漆器は約250年の歴史がありますが、鳥井さんは「知ってもらうのは、まだまだこれから」と話します。

漆器はお手入れが難しそう、高価で特別なもの。
そんなイメージばかりが先行し、実際の使いやすさが十分に伝わっていないことも課題のひとつです。

そのため、知られていない「真の部分」をどうすれば知ってもらえるかを常に考えたり、日常使いしやすいことを伝えたりと、少しずつイメージを変える取り組みを続ける一方、縁起物や癒しの物、クスっと笑える商品作りにも力を入れて、他産地にはない独自性も磨いています。

また、地元の小学生が会館へ学校の授業の一環で見学に訪れることもあるそうです。
見学後、家に帰って家族で桜井漆器の話をしたのか後日、家族で再び会館を訪れてくれることもあるとか。

子どもが知り、家族へ伝え、今度は親子で足を運ぶ。
そうやって地域の文化が次へつながっていくのは、とても素敵ですよね。

「楽しく知って、桜井漆器を分かってほしい」
堅苦しく学ぶのではなく、遊び心も感じながら知ってもらう。
それが、伊予桜井漆器会館の役割なのだと思います。 洗剤で洗える!毎日使いやすい桜井漆器

通路では桜井漆器の歴史や魅力を学べます

実は気軽に使える!お手入れが簡単なんです

暮らしになじむ桜井漆器を探しに行ってみませんか♪

まとめ|今治の漆器を次の世代へ

伝統工芸と聞くと、昔から変わらないものを守り続けるイメージ。
でも今回お話を伺い、守るためには、時代に合わせて変わることも必要なのだと感じました。

贈り物として想いをつなぐこと。
地元の技術を子どもたちへ伝えること。
そして、今の暮らしに合うデザインや使い方を考え続けること。

伊予桜井漆器会館には、約250年の歴史と、これから先へ進もうとする新しい挑戦が詰まっています。
自宅で使うお気に入りを探すのはもちろん、大切な人への贈り物や、今治らしいお土産を選びたい時にもおすすめです。

まずは気軽に手に取って、桜井漆器の軽さや美しさ、そして遊び心に触れてみてください。
そのひとつが、いつか家族の思い出と一緒に、次の世代へ受け継がれていくかもしれません。

伊予桜井漆器会館のアクセス・基本情報

訪れたスポット/伊予桜井漆器会館
住所/愛媛県今治市長沢甲340−1
営業時間/10:00〜18:00
駐車場/あり
入館料/無料
電話番号/0898-48-0418

伊予桜井漆器会館 公式ホームページ

伊予桜井漆器会館 公式Facebook

reported by おまい
イマナニ体験レポート