愛媛県上島町を愛する民宿「古民家 弓削の宿」

  

予約が途切れない宿…多くの人を惹きつける魅力とは

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瀬戸内海の緩やかな空気が流れる離島の町・愛媛県上島町。
この町の魅力を再発見する特集第2弾でご紹介するのは、上島町の弓削島にある民宿「古民家 弓削の宿」です。

小さな離島の宿でありながら、曜日に関わらず連日宿泊客が滞在しているこちらの民宿。
県外のお客さんも非常に多く利用されているとのことです。

瀬戸内海の小さな島で暮らすように過ごす宿、というテーマを掲げる「古民家 弓削の宿」。
その言葉通り宿泊客の中には、初めて来た場所にも関わらずなんだか懐かしさを感じる方も多いようです。

築100年を超える古民家をほぼ全て自らの手でリノベーションし、長年の夢であった「古民家 弓削の宿」を始めたのは、この宿を営む川畑さんご夫妻。
すっかりこの島に惚れ込んでしまったお二人に、今回は上島町や弓削島、そしてこの民宿の魅力をうかがいました。

20年以上の夢を叶え…「古民家 弓削の宿」をオープン!

ご夫婦がまだ20代の頃。

サラリーマンだった良文さんは転勤や出張も多く、奥様のちや子さんと一緒に過ごせる時間もなかなか取れない日々でした。
そんな毎日の中で、いつか夫婦一緒に働ける仕事をしたいという願いから、将来夫婦で民宿を営む夢が出来たそうです。

そして良文さんが51歳の時、3人のお子様も独立し長年の夢をいよいよ叶えるべく一念発起して会社を早期退職。

それまでにもお2人は民宿を開くための場所を探すべく、長年の憧れの地だった瀬戸内海を1800ccのバイクに乗って度々巡っていました。
この上島町・弓削島には、その旅の中で本当に偶然辿り着いたんだそうです。

弓削島の人々の暖かみのある人柄。
毎日表情を変える綺麗な島の景色。
そしてこの土地の持つ、時間の流れが非常に穏やかな独特の空気感。

それらに強く心惹かれたご夫妻は、様々な縁やタイミングも重なったことで、この弓削島で民宿を開くことを決意したそうです。

空き家物件も自分たちの力で理想の宿へとフルリノベーション!

かくして、この地で民宿を開くこととなった川畑さん。
憧れていた古民家物件も無事見つかったのですが、そこから民宿のオープンまでには長い道のりがありました。

というのもお2人が決めた物件は、築100年超えの空き家。
あちこち埃に塗れ、庭には竹藪が生い茂り、とても人が暮らせる状況ではなかったのです。

最初にこの島に移り住んだ際も、もちろん住居はこの古民家だけ。
そのため畳が抜け落ち隙間風の吹き込む家の中に、当初はなんとテントを張って過ごしていたんだとか。

そんな古民家を、自分達の手で理想の建物へと甦らせる。
2年近くに渡る川畑さんご夫妻の計画が、ここから始まったのでした。

庭中の草木を撤去し、傾斜のある地面を均し、建物の2階や屋根裏の床板、天井板も全て剥がして入れ替え、ぼろぼろの壁も修復。
時には大工さんやご近所の方の力を借り、これらの作業をほぼ2人で遂行していったそう。

一番大変だったのは、屋根裏の床板を剥がし新しいものに張り替える作業。
床板材を持っての上階との往復は相当過酷だったと当時を思い返しながら、ちや子さんは苦笑いされていました。

宿だけじゃない!?川畑さんご夫妻は○○造りも自分たちだけで挑戦

さらにその中で、川畑さんご夫妻はとある大きな挑戦を行います。
それは民宿の敷地内に自分達の暮らす家を一から建築する、というものでした。

離島という特殊な環境上、個人の力でも家を建てる事が可能なんだそう。
その為これまでの経験を活かし良文さんが図面を引き、建材を揃え、YouTubeの動画で建て方を学び、工程によっては大工さんの力も借りながら。

川畑さんご夫妻は、ほぼ全ての作業をお二人で力を合わせて行ったそうです。

自分達の力で、民宿のリノベーションだけではなく夫婦の暮らす家まで造り上げる。
予算面の理由もありますが、とは言えこの計画は並大抵の決意で成せるものではありません。

それでもその大仕事をやり遂げた熱意の中には、自分達の手で作ったもので、自らの暮らしを彩りたい。
自分達の作ったものを介して、大勢の人の喜ぶ顔が見たい。

そんなご夫妻の、民宿の夢を掲げ始めた頃からの熱意が、初志貫徹されているようにも思えます。

毎日のように宿泊客が滞在…多くの人に愛されるこの宿の魅力とは?

この宿では、上島町・弓削島の魅力を様々な形で楽しめます。

特に皆さん口を揃えて挙げるのは、弓削島ならではの海鮮フルコースを満喫できる夕食!
島の漁師さんが直接持ってきた鮮度抜群の魚介類を、様々な形で夕食時に提供してくれます。

お刺身はもちろんのこと、煮物や焼き物、そして揚げ物など。
もちろんその日の漁の結果によって、ラインナップも変わります。

また訪れる季節によっても魚の種類は変化するので、何度来ても飽きる事はありませんね。

さらに宿のお客様が弓削島を満喫できるアクティビティも、行っているそう。
港から宿への送迎はもちろん、所有の船で要望に応じてクルージングや船釣りをしたり。

また現在、ツーリングのできる小さなバギーの貸出も計画中なんだとか。
瀬戸内の暖かな潮風を感じながら、弓削島や上島町の海沿いの道を走るツーリングは最高の心地良さ!

こちらは12月開始予定のため、気になる方はぜひ問い合わせてみて下さい。

そして「古民家 弓削の宿」には、まだまだバージョンアップ予定があります。
来年3月には敷地内に露天風呂も完成。
ますます日々の疲れを癒すひと時を過ごせるようになりそうです。

それ以降も皆が喜んでくれる設備やコンテンツを、どんどん新設したい。
嬉しそうな顔で、良文さんは宿のこれからについてそう語っています。

宿を通して上島町を多くの人に好きになって欲しい、という川畑さんの願い

お二人としては、連日宿泊客が絶えず訪れる今の宿の人気っぷりは、とても嬉しい誤算とのこと。
本当はゆったり島でスローライフを過ごす予定だった、と笑いながら話して下さいました。

日々多くのお客様をもてなしながら、忙しくも充実した毎日を送るお二人。
その中でも良文さんには、自分の大好きな弓削島、上島町にもっと貢献したい、という強い思いがあるそうです。

この上島町・弓削島の自然や、そこで暮らす様々な人々。
それらに触れてこの町の良さを知った方に、どんどん移住してきて欲しい。
かつて私たちが上島町の魅力に惹かれ、こうしてやってきたように、と。

事実これまでも宿で川畑さんとの交流を経て、上島町への移住を決めた方もいらっしゃるそうです。
自分を通して上島町の魅力がその人に伝わったと感じて非常に嬉しかった、と笑顔で語って下さいました。

たくさんの人々がこの上島町、弓削島に訪れ、さらにこの町の住民がもっと増えるように。
良文さんは来年度に、移住者支援の為のNPO団体の立ち上げも検討しているんだそうです。

穏やかで緩やかな独特の雰囲気、そして綺麗な瀬戸内の景色を望む上島町、弓削島。

第二の故郷と決めたこの町を愛し、ゆくゆくはここに骨を埋めたい。
そして島での自分たちの生活を通じ、上島町を愛する人を今後もっと増やしていきたい。

そんなこの町をこよなく愛する川畑ご夫妻の生活は、きっと「古民家 弓削の宿」でこれからも続いていくのでしょう。

「かみじま応援割」を上手に使って上島町の旅を楽しもう♪

現在上島町では、新型コロナウイルスの影響を受ける宿泊事業者を応援する「かみじま応援割」というプロジェクトを実施中。
上島町内の宿泊施設に観光目的で1泊以上する宿泊プランについて、料金の半額(上限1人1泊あたり5,000円)が無料になる、というもの。
お得に宿泊して宿泊事業者を応援できる素敵な内容となっています。

GoToキャンペーンなどとの併用は不可となっていますので、その点のみ注意が必要です。
詳細は下記となっていますので、ぜひチェックしてみて下さいね。
かみじま応援割はこちら

■ 古民家 弓削の宿
住所:愛媛県越智郡上島町弓削下弓削384-1
TEL:080-6442-3298
古民家 弓削の宿 公式HPはこちら

reported by イマナニ編集部 曽我美なつめ
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