四国 美術館めぐり NAVI2022
見て触れて、あなただけのお気に入りを見つけよう
みなさん、年間どのくらい美術館に足を運びますか?
有名なキャラクターの企画展はいくけど、常設展や美術のイベントは敷居が高い!と感じる人も多いのではないでしょうか。
私も、有名な作品や現代アートの見方が分からず、美術館ってどうやって楽しめばいいのかな?と敷居が高く感じていたことがあります。
そんな時に、コラムで「美術館の中からお気に入りの1点を盗むならどれにしますか?」という問いかけを見つけました。
「芸術を楽しむのに正解はない、自分の好きと向き合う時間を楽しもう」ということなのですが、「盗む」となると絵の値段や逃走経路など、いろいろ考えちゃいますよね。
そんな風にゲーム感覚で気軽に楽しむこともできるんだなぁと目から鱗でした!
ということで、芸術の秋にむけて四国の美術館をご紹介します!
みなさんの「好き」がどこかに眠っているかもしれませんよ?
みる・つくる・まなぶ「愛媛県美術館」
「愛媛県美術館」は、美術作品を鑑賞すること、作品を創ること、そしてそれらを通して自ら学ぶこと(みる、つくる、まなぶ)を楽しむ美術館。
海外作家や日本美術史上重要な作家の作品を約12,000点、その他に愛媛県ゆかりの作家の作品も収蔵。
松山市駅から徒歩10分圏内、松山城下の堀之内に位置する好アクセスで、観光の際に立ち寄るにもぴったりの場所です。
愛媛を深く、楽しく知ってもらえる美術館。
一般の方が利用できる創作スペースやギャラリーも備えているので、ぜひ気軽にお立ち寄りください。
8月6日(土)~9月30日(金)まで開催している特別展『みる冒険 ゆらぐ感覚』
光島貴之《松山まち歩き―何を求める 風の中ゆく―》2022年 制作協力:アトリエみつしま 愛媛県美術館蔵
目で見るだけでなく手で触って鑑賞できる美術家光島貴之さんの作品と、視覚や聴覚を意識させる八木良太さんの作品を中心に、感覚を揺さぶる展示。視覚以外の感覚を用いて目には見えないものに想像を巡らせたり、視覚の特性による意外な見え方を発見したり、きっとこれまでにない感覚に出会えますよ。
料金は一般400円、65歳以上260円、大学生以下は無料です。
イマナニで「特別展 みる冒険 ゆらぐ感覚」の情報を見る
八木良太《Rainy day Music》2005-2022年 作家蔵
9月25日(日)11:00~11:30は、作品ガイドボランティアによる『特別展トーク』もあります。
愛媛県美術館 本館2階研修室で参加費無料です。
1点の作品をじっくりみて話し合います。
■ 愛媛県美術館
住所/愛媛県松山市堀之内
問い合わせ/089-932-0010
営業時間/9:40~18:00
休館日/月曜日(祝日及び振替休日に当たる場合は、その翌日)
※ただし、毎月第1月曜日は開館、翌日が休館
料金/コレクション展【一般】330円【大学・高校生】220円
愛媛県美術館 公式HPはこちら
イマナニで「愛媛県美術館」の情報を見る
和ガラスに魅了される素敵な空間「瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館」
愛媛県道後の閑静な住宅街の中にある「瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館」
全国でも珍しい和ガラス専門の美術館を完全予約制、フロアガイド付きでじっくりとお楽しみいただけます。
「和ガラス」とは、日本で作られたガラス全般を指します。
日本のガラスの歴史は約2000年ほど。
弥生時代に初めて中国から勾玉などガラス製の装飾具が入って来たとされています。
瑠璃(るり)や、玻璃(はり)呼ばれていたガラスは、江戸から明治にかけて「びいどろ」「ぎやまん」とも呼ばれるようになりました。
ガラス器は海外から伝わった非常に高価な品でしたが、職人たちがこだわりを持って一点一点作り上げた作品は「和ガラス」と称されるようになり、日本独自の温かみや穏やかさが含まれた芸術品として世界を魅了するようになりました。
初代館長が50年以上の歳月をかけて収集したこだわりのガラス作品を、半年ごとに作品を入れ替えてご紹介。
「びいどろ」「ぎやまん」と呼ばれた貴重な江戸時代のガラスを中心に、明治大正~昭和初期のガラスまで、各時代の表現や変遷が分かる展示です。
「日本の形、日本の色」特有の美しさを、プライベート空間でじっくりご堪能いただけます。
ガラスケースのない特別展示室では江戸時代の暮らしを再現。
間近で作品を鑑賞でき、まるでタイムスリップしたような体験が味わえますよ~!
ポルトガル語の「ディヤマンテ」を語源とし、ダイヤモンドやカットガラスを意味する「ぎやまん」
江戸時代後期、霰や麻の葉といった日本の伝統的な意匠のカットを施した江戸切子が誕生しました。
食器類をはじめ、文房具、雛道具、女性の装身具など、想像を遥かに超えた彫刻の美しさを紹介する特別展示『ぎやまんの華・彫刻美 -江戸切子の傑作、ぞくぞく登場-』は、2022年9月4日(日)まで開催中。
2022年9月15日(木)~12月18日(日)は、特別展『民藝 Beauty in Every Day Life』を開催。
「民藝」とは民衆的工藝、無名の職人たちが手作りする、主に大衆向けの日用品を指します。
瓶泥舎の民藝収集は、実はガラスよりも歴史がありますが特別展は初の試み。
日本各地の窯をご紹介しますので、日常の中に溶け込んだ美をぜひお楽しみください。
写真は「織部釉菊文行灯皿」(おりべゆうきくもんあんどんざら)
室町時代、手に提げ夜道を歩く際に用いられた屋外用の灯火具が、その後室内に据え置く道具と変わりました。
江戸時代後期になると、一般に広く普及した行灯には、油の受け皿である『あんどん皿』が不可欠の備品であり、行灯の数か、もしくはそれ以上に常備された必需品でした。
この作品は、現在の愛知県瀬戸市の「赤津」でつくられました。たっぷりと美しい緑釉がかかり、菊の文様が印象的なあんどん皿です。
赤を基調としたモダンでかわいいティールームも併設。
自然を眺めながら江戸時代のお茶碗で抹茶もいただけます。
「瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館」の、美しいガラスとやきものの世界を堪能しにきてください。
■ 瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館
住所/愛媛県松山市道後緑台7-21
問い合わせ/089-922-3771
営業時間/10:00~17:00
休館日/火・水曜(祝日の場合は翌営業日)
料金/【一般】1,100円【中高生】850円
※団体20名以上割引あり、小学生以下無料
※完全予約制
瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館 公式HPはこちら
イマナニで「瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館」の情報を見る
幅広い芸術の魅力を知るなら「高知県立美術館」
「高知県立美術館」は、近代・現代の美術作家や高知県出身作家のコレクション展、国内外の様々なジャンルの企画展を多数開催しています。
なかでも、色彩の魔術師・愛の画家といわれる「シャガール」は、世界有数のコレクション!
入れ替えながら常設展示をしているので、いつでも・何度でもシャガールの魅力的な世界を楽しめますよ~。
高知県ゆかりの著名な写真家・石元泰博のフォトセンターや、能舞台を有する美術館ホールも併設。
演劇・コンサート・映画・伝統芸能など、幅広い芸術文化にも親しめます。
2022年6月18日(土)~9月11日(日)まで、『佐藤健寿展 奇界/世界』を開催中。
これまで世界120カ国以上を巡り、各地のありとあらゆる「奇妙なもの」を対象に撮影を続けてきた写真家・佐藤健寿(さとうけんじ)さんの作品200点あまりを一堂に展示。
高知県立美術館でしか見ることのできない高知県限定の撮り下ろしや、佐藤さんの貴重な私物も!
詳しくはこちらの特集ページをご覧ください。
イマナニで「超!独特『奇界遺産』の「佐藤健寿展 奇界/世界」高知県立美術館」の情報を見る
9月8日(木)は、高知ライブエール・プロジェクト『ダンスの系譜学』が上演されます。
コロナ禍の2020年から2021年にかけてDance Base Yokohama で創作され、愛知県芸術劇場で初演を迎えた『ダンスの系譜学』は、日本のダンス界を牽引する安藤洋子、酒井はな、中村恩恵と取り組んだ、ダンスの振付の歴史に着目したプロジェクトです。
ダンスが「継承」され「再構築」を繰り返してきた歴史を、上演し鑑賞することでダンスを紐解いていきます。
公演ではこの3名のダンサーの新旧6つの作品に触れていきます。
世界のバレエダンサーが踊り続けてきた『瀕死の白鳥』と、それを解体し、白鳥の死因に迫るバレエダンサー酒井はなと演劇作家の岡田利規の共作『瀕死の白鳥 その死の真相』。
ネザーランド・ダンス・シアターの元芸術監督で振付家のイリ・キリアンが、中村恩恵に振り付けたソロ『BLACKBIRD』と、言葉にならない声に耳を澄ました中村渾身の新作ソロ『BLACK ROOM』。
即興性の強いフォーサイスのダンスメソッドを熟知した安藤洋子と島地保武によるデュオ『Study # 3』と、新星二人と宮沢賢治の「春と修羅」を題材に創作した新作トリオ『MOVING SHADOW』。
絶えず更新されていくダンスの歴史の一幕を、高知県立美術館ホールにてお立ち会ください!
イマナニで「高知ライブエール・プロジェクト『ダンスの系譜学』」の情報を見る
写真:「土佐深夜日記」より《ショータイム》 1984-89年 作家蔵
10月29日(土)~1月9日(月・祝)まで、『ARTIST FOCUS #03 角田和夫』を開催。
ジャンルや年齢を問わず、学芸員が推薦した高知ゆかりの作家を取り上げるシリーズ企画の第3弾です!
今回は、南国市在住の写真家・角田和夫さん。
バブル期の高知の歓楽街を切り取った「土佐深夜日記」をはじめ、独自の強度と幻想性を湛えた作品群を紹介します。
写真:合田佐和子《鏡の中》1974年 JEANS FACTORY蔵
11月3日(木・祝)~1月15日(日)まで、『合田佐和子展 帰る途もつもりもない』を開催。
廃品を用いたオブジェで注目を受け、銀幕スターなどを題材に耽美かつ退廃的な絵画を手がけた高知出身の美術家・合田佐和子(1940 – 2016)。
約20年ぶり、没後初の大規模回顧展となる本展は、既存のジャンルやカテゴリーにとらわれずに展開した合田の仕事を多角的に検証します。
「高知県立美術館」は、高知中央インターを降りて車で約3分というアクセスの良さです!
その他、無料駐車場や授乳スペース、カフェも併設。
オープンスペースにも作品が展示され、美術図書を閲覧できるコーナーもあります。
高知にお立ち寄りの際は、ぜひ高知県立美術館の美の世界を覗きに来てくださいね~。
■ 高知県立美術館
住所/高知県高知市高須353-2
問い合わせ/088-866-8000
営業時間/9:00~17:00
休館日/年末年始
料金/コレクション展【一般】370円【大学生】260円【高校生以下】無料
※企画展は展覧会ごとに異なります。
高知県立美術館 公式HPはこちら
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高知県黒潮町の魅力をまるっとお届け「砂浜美術館」
私たちの町には美術館がありません。
美しい砂浜が美術館です。
ものの見方を変えると、いろいろな発想がわいてくる。
4キロメートルの砂浜を頭の中で「美術館」にすることで、新しい創造力がわいてくる。
今まで当たり前として何気なく見過ごしてきた一つ一つが、新鮮なものとして浮かびあがり、大切な何かを伝えている「作品」のように思えてきます。
2022年11月18日(金)~20日(日)に開催される『潮風のキルト展』
毎年 5 月には『Tシャツアート展』、11 月には『潮風のキルト展』が開催されます。
1989 年、「写真・絵画展は室内でするもの」という考え方を無視した、世界ではじめての美術展。
青空の下で光や風を受けて自然と一体化したアート展示という発想から、世界ではじめての美術展が生まれました。
定期開催される芸術に特化した企画展は、日本全国からの応募作品で構成されています。
今年の募集期間は、2022年9月1日(木)~10月10日(月)
大キルト、小キルト、クッションの3部門で開催。
テーマは「布を楽しむ」
らっきょうの花が咲き始める季節に開かれるパッチワークキルトのコンテスト。
美しい松原と木漏れ日を浴びて潮風にゆれる作品たちの素敵な景色の中に、ぜひあなたの作品を飾りませんか?
みなさんの楽しむ気持ちが詰まった作品をお待ちしています!
※お一人様何点でもご応募できます。
詳しい応募方法は公式サイトをご覧ください。
「第28回潮風のキルト展 作品募集」ページを見る
「砂浜美術館」のニタリクジラ館長に会いに行くツアー『ホエールウォッチング』
入野漁港より出発して黒潮町沖でクジラ、イルカ、トビウオなど広い海で悠々と暮らす動物たちに会いに行きませんか?
鯨類遭遇率は、なんと約80%!
2022年は、4月23日(土)~10月22日(土)で開催中!
みなさんは、どんな素敵な子達と出会えるでしょうか?
※3日前までに要予約です。
その他に、スタンプワークショップもできます。
杭、ロープ、クリップ、スコップの他、ロゴTシャツなどの「ひらひらグッズ」を借りられるので、自分だけのとっておき砂浜美術館で記念撮影できますよ~。
■ 砂浜美術館
住所/高知県幡多郡黒潮町浮鞭3573-5
問い合わせ/0880-43-4915
営業時間/9:00~17:00
休館日/年末年始
料金/
【すなびスタンプワークショップ】Tシャツ4,000円、エコバッグ1,000円、サコッシュ1,200円、手ぬぐい1,000円
【大方ホエールウォッチング(10月22日まで)】4時間大人6,000円、小学生3,500円、幼児1,000円
※詳細は公式サイトをご確認ください。
砂浜美術館 公式HPはこちら
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光の画家が愛した、まるでパレットのような「北川村『モネの庭』マルモッタン」
印象派の巨匠クロード・モネがこよなく愛したフランス・ジヴェルニーの庭をモデルに創られた「北川村『モネの庭』マルモッタン」
列車の窓から見た景色の美しさに心を奪われたモネは、43歳でジヴェルニーに移り住みます。
「道楽や目の保養のためばかりでなく絵の題材として庭を作りたい」という想いでつくられた庭では、「睡蓮」など多くの名作が生まれました。
そんなジヴェルニーの庭を高知の自然の中に再現した北川村「モネの庭」マルモッタンは、まるでモネの描いた絵画の中を散策しているような雰囲気。
モネをはじめ多くの印象派の画家達は浮世絵の色使いや構成にインスピレーションを受け、素晴らしいコレクションを所有していました。
その影響は作品にとどまらず、庭の睡蓮や藤の花、太鼓橋、キッチンなどのインテリアまで、浮世絵の色使いに合わせてデザインされています。
そんな親日家のモネのように、フランスの文化と北川村の自然をミックスした豊かな地域づくりのための交流の場を作りたいという発想から北川村に「モネの庭」が誕生しました。
「モネの庭」と名乗ることを許されたのは世界で唯一、北川村だけです。
公式サイトでは、その誕生と文化交流のヒストリーも見られます。
モネは庭づくりに情熱を傾けたばかりでなく、料理にも深い造詣を示し、様々な創作料理を作りました。
カフェ「モネの家」では、地元食材を使ったメニューやクロード・モネのレシピを活かした季節折々の料理でお迎え!
手づくりパン工房では、バゲットサンドや季節のスープなど手軽に楽しめるメニューもありますよ~。
落ち着いた雰囲気の店内と北川村の自然が一望できる景観の中で、ゆっくりとお過ごしくださいね。
ギャラリーショップでは、バッグや傘などのモネグッズをはじめ、北川村特産の柚子を使った商品や、高知のお土産も多数揃えています。
フラワーハウスでは、モネの庭で育てた花苗の販売もしているので、ご自宅でもプチ「モネの庭」をお楽しみいただけます。
光いっぱいの芸術に包まれる空間で、のんびり過ごしてみませんか?
■ 北川村「モネの庭」マルモッタン
住所/高知県安芸郡北川村野友甲1100
問い合わせ/0887-32-1233
営業時間/9:00~17:00
休園日/6月~10月の第1水曜、12月~2月末日
料金/【大人】1,000円【小中学生】500円【小学生未満】無料
北川村「モネの庭」マルモッタン 公式HPはこちら
イマナニで「北川村「モネの庭」マルモッタン」の情報を見る
歴史と美術の融合する「香川県立ミュージアム」
香川の歴史を紹介する歴史博物館と美術館の機能を合わせ持つ総合的な「香川県立ミュージアム」
歴史展示室、美術の常設展示室、特別展示室のほかに、図書コーナーや体験学習室、研修室、カフェもあり、まさに文化の複合施設です!
立地もJR高松駅や高松港を中心とした都市機能が集積するエリアに隣接し、北に瀬戸内海、東に屋島を望む風光明媚な文化・歴史ゾーンにあります。
歴史展示室(縄文の森、竪穴住居)
歴史展示室では、原始から近現代までの香川の歴史を、大型展示物や映像などでわかりやすくご紹介。
約2万年前の旧石器時代から約1700年前の弥生時代までを取り上げたスペースでは、復元した竪穴住居、香川県で出土した土器や石器などを展示。
その他、各時代を代表する建物や景観を再現しているので、まるでタイムスリップしたかのようにそれぞれの時代の雰囲気を実感できますよ~!
常設展示室では、弘法大師空海の生涯と事績をたどる資料、高松松平家に伝わる品々、20世紀の西洋美術、香川ゆかりの作家の作品によるアート・コレクションなど、香川の歴史と美術がぎゅぎゅっと詰まった展示が盛りだくさんです。
常設展示室(アート・コレクション)
9月23日(金・祝)~11月6日(日)まで、瀬戸内国際芸術祭秋会期の特別展『風景が物語る瀬戸内の力―自然・歴史・人の共鳴―』を開催。
「瀬戸内海」をメインテーマに、ユートピア・自然・生活・名所・近現代そして未来の5つのテーマごとに描かれた風景が物語る瀬戸内の力を再発見し、未来に向けて残し伝えていくべき景観や人との関係性について考えさせられる展示になっています。
瀬戸内海は、日本最大の内海(ないかい)で、海岸線の距離は7,230㎞(香川―ハワイの直線距離)にも及び、内海に浮かぶ島々は700以上。
豊かな自然に、人々が積み重ねた歴史や暮らしが溶け込み、自然景と人文景が共鳴した風景の魅力に、あなたも引き込まれるはず。
画像:『海獺之図』 堀惟賢「網代日記」より 個人蔵
展示品の中には、かつて瀬戸内海で見られた「海獺(かいだつ)」(ニホンアシカ)の姿を描いたものもあります。
また、香川県立高松工芸高等学校美術科の生徒たちが、遺したい瀬戸内の姿・未来への願いを託した作品も展示しています。
料金は、一般1,200円、前売・団体(20名以上)1,000円です。
※瀬戸内国際芸術祭秋会期(9月29日~11月6日)は、瀬戸内国際芸術祭パスポート提示で団体料金になります。
11月15日からは、5年ぶりの新収蔵品展も開催!
30万点以上のコレクションの中から未公開のものを中心にご紹介。
歴史・美術などのジャンルや年代を問わず、貴重な資料や作品を一堂にご覧いただける機会です。
そこには、まだ、あなたの知らない世界が広がっているかも?
■ 香川県立ミュージアム
住所/香川県高松市玉藻町5番5号
問い合わせ/087-822-0002
営業時間/9:00~17:00
休館日/月曜 (休日の場合は原則として翌火曜)、年末年始
※2022年9月12日~22日は展示入れ替えのため休館です。
料金/常設展【一般】410円【一般団体(20名以上)】330円
※高校生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方は無料。
※特別展は展覧会により異なります。
香川県立ミュージアム 公式HPはこちら
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先人たちの知恵や工夫を感じる野外博物館「四国村ミウゼアム」
香川県高松市屋島の山麓にある野外博物館「四国村ミウゼアム」
2022年4月にエントランス「おやねさん」がオープン。
特徴的な屋根を持つ建物の1階にはチケット売り場、ミュージアムショップ、トイレ、コインロッカー、2階には村内散策の締めくくりとなる展示スペースがあります。
多機能でありながら民家にも通じる切妻という建築様式で、伝統的な建築の形式と現代の技術をミックス。
まさに「四国村ミウゼアム」の顔ともいえるエントランスです。
村の核になっているのが江戸時代から大正時代に建てられた住宅や作業小屋、芝居小屋、蔵、醤油醸造所など四国四県から移築復元した33棟の建物。
どれも実際に人が住み、使ってきたもので、柱や梁、展示されている民具には人々の知恵や労苦、祈りが染み込んでいます。
また、建物とマッチした景観は当時を思わせる四季折々の豊かな自然そのまま。
鳥の声や滝の音に耳を傾けながら散策すると、現代人が失ってしまった何かにふと気づくかも知れませんね。
「幸せとは何か」なんて言葉がぽつりと心に浮かぶ、贅沢でゆったりとした時間が流れています。
目でも耳でも楽しめる、石と水の芸術作品「石組」
彫刻家・流政之(ながれまさゆき) が設計した、民家の土台石を組み合わせて作られた作品。
同作家の「染が滝」へも続く作品で、季節ごとの情景を味わえるスポットです。
建築家・安藤忠雄氏の設計により2002年に開館した「四国村ギャラリー」では、国内外の貴重な美術品を一堂に展示。
四国村創設者の加藤達雄が収集したフランス絵画、中国の金銅仏や青銅器、ペルシャの陶器など様々な美術品をゆっくり鑑賞できます。
美術館のバルコニーからは、立地を生かして造られた「水景庭園」も楽しめますよ!
※上の館内写真はイメージです。
年に数回、展示替えを行い、企画展を開催している場合もあります。
写真:Suitcase in a Bottle(ラム・カツィール)作品No.TK-15(瀬戸内国際芸術祭夏会期作品)
2022年9月29日(木)~11月6日(日)の瀬戸内国際芸術祭秋会期も作品展示をします。
「四国村カフェ」は、鮮やかなグリーンが目を引く、明治時代の神戸異人館のひとつ。
日本郵船の船員寮としても使われていたものを移築し、現在はカフェとして憩いの場になっています。
店内の家具調度品も全てイギリスから取り寄せた、1世紀以上前のアンティークがズラリ!
当時の雰囲気を堪能しながらティータイムを楽しんでくださいね。
■ 四国村ミウゼアム
住所/香川県高松市高松市屋島中町91
問い合わせ/087-843-3111
営業時間/9:30~17:00(入村受付は16:30まで)
※四国村ギャラリーなど村内施設は9:30~16:30
休館日/毎週火曜(休日の場合は開館、翌日休)
料金/【大人】1,600円【大学生】1,000円【中高生】600円【小学生以下】無料
四国村ミウゼアム 公式HPはこちら
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学芸員と一緒に20世紀の人間像を紐解く「徳島県立近代美術館」
人間像をテーマにしたユニークな「徳島県立近代美術館」
徳島市の南の郊外に位置する文化の森総合公園には、美術館・博物館・図書館が隣接しています。
公式サイト「イテミヨ itemiyo」ではセンサリーフレンドリーに取り組み、どんな場所に、どんな建物があるのかを地図・写真・映像で見ることができます。
例えば、音や光に敏感なため照明やアナウンスの様子を心配する人、慣れない環境や道順に不安を抱える人にも、もっと気軽に外出を楽しんで欲しいという思いから、誰もが楽しめるユニバーサルミュージアムを目指しています!
2階ロビーの「くつろぎコーナー」では、待ち合わせ、心の準備と余韻を楽しむ場とご自由にお使いいただけます。
徳島のレンコンをイメージした手作りのランプシェードと、木の家具の暖かいスペースです。
所蔵作品展は、「20世紀の人間像」をテーマとしたピカソやクレー、レジェなどの絵画や彫刻、現代版画、徳島ゆかりの美術をご紹介。
様々なテーマによる展覧会も随時開催しています。
唐仁原希『a portrait of a boy』2013年(徳島県立近代美術館蔵)
7月9日(土)~11月6日(日)まで所蔵作品展『徳島のコレクション 2022年度第2期』を開催中。
特設展示や現代版画コーナーなどは、順次展示替をしながら多彩なコレクションをご紹介。
新収蔵作品もお披露目しますよ~。
山下菊二『双立道路』1964年(徳島県立近代美術館蔵)
10月8日(土)~11月27日(日)まで、特別展『風土と美術-青森/徳島』を開催。
本展では「風土と美術」をテーマに、青森県立美術館と徳島県立近代美術館の所蔵作品を中心に美術・宗教・民俗・考古・文学など広く人間の精神文化に関わる作品をご紹介。
阿部合成『マリヤ』1972年(青森県立美術館蔵)
雪国の厳しい風土と深く結びついた力強い青森の作品と、温暖な気候に恵まれ、古くから関西との往来が盛んな徳島の阿波踊りや人形浄瑠璃などの郷土芸能。
こうした異なる風土の下に育まれた多様な表現を通じて、それぞれの地方美術、あるいは地方そのものの魅力を一緒に再発見しましょう!
■ 徳島県立近代美術館
住所/徳島県徳島市徳島市八万町向寺山 文化の森総合公園内
問い合わせ/088-668-1088
営業時間/9:30~17:00
休館日/月曜日(休日の場合は翌日休)、年末年始
料金/所蔵作品展【一般】200円【高・大学生】100円【小・中学生】50円
※特別展は展覧会により異なります。
徳島県立近代美術館 公式HPはこちら
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原寸大の世界の名画とパシャリ「大塚国際美術館」
「大塚国際美術館」は、大塚グループ創立75周年記念事業として、創業の地である徳島県鳴門市に設立された陶板名画美術館。
古代壁画から世界26カ国190余の美術館が所蔵する現代絵画まで、1,000点を超える世界の名画を陶板で原寸大に再現。
鑑賞ルートは約4㎞、日本最大級の常設展示スペースを有し、コロナ禍でも同時に5250名まで館内に滞在することができます。
「スクロヴェーニ礼拝堂」
イタリア・パドヴァにある世界遺産に登録された礼拝堂の壁画を立体再現した展示室。
「大塚国際美術館」の展示は全て陶板なので、約2,000年後も退色劣化することなく名画本来の美しさを味わうことができます。
その秘密は、大塚グループの一つである大塚オーミ陶業株式会社が開発した陶製の板(セラミックボード)に原画の写真を忠実に転写し、細部に至るまで幾度もレタッチを重ね、限りなくオリジナル作品に近づけることに成功した美術陶板!
最終仕上がりを考慮し、釉薬の決定、色分解、製版、転写などのたくさんの繊細な工程を経て、1,000~1,350度の高温で焼成。
レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』は、修復前と修復後の作品を向かい合わせで展示。
原寸大でじっくりと見比べられるのはここだけですよ~!
ほかにも、美術書などで一度は見たことがある、レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』、ゴッホ『ヒマワリ』、ピカソ『ゲルニカ』など、原画と変わらないクオリティの世界の名画を日本にいながら間近で鑑賞できます。
世界中に点在する、ゴッホの描いた花瓶の『ヒマワリ』全7点が集う圧巻の展示。
陶板名画美術館ならではの試みで、世界中で愛されているゴッホの代表作とも言える『ヒマワリ』
ゴッホにとっても特別な作品で、「自分が描いたヒマワリでアルルの黄色い家(アトリエ)を飾り、盟友ゴーギャンを迎えたい」と夢を抱いていました。
しかし、ひとつにまとめたヒマワリの部屋や美術館をつくるという夢を果たせないままゴッホはこの世を去っています。
なので、こうして徳島で一堂に展示されてることをとても喜ばしく思っているのではないでしょうか。
みなさんもぜひゴッホの夢が詰まった「黄色い家」に招かれたような気持ちでじっくりご堪能ください。
7月20日~12月4日まで、「なりきりミュージアム #アートコスプレフェス2022 かぶって はまって 名画の達人!@大塚国際美術館」を開催中。
フェルメール『真珠の耳飾りの少女』、ゴッホ『ヒマワリ』、セザンヌ『リンゴとオレンジ』の3つの作品になりきる体験ブースが待望の再登場です。
ターバンやヒマワリ、リンゴなどの小物や被り物を身に付けて、絵画に描かれた人物や静物と同じ表情やポーズで写真を撮ろう!
あなたもあっという間に名画の中の主役になれますよ~。
公式サイトで「なりきりミュージアム」の詳細を見る
※感染対策として、各体験ブースにアルコール消毒の設置や衛生キャップなどをご用意しています。
「大塚国際美術館」は、館内での撮影がOK!
#アートコスプレフェス以外でも、世界の名画と並んでパシャリと記念撮影しちゃいましょう!
※ストロボ、フラッシュ、三脚等のカメラ固定具を使用しての撮影はご遠慮ください(商業目的の利用は厳禁)
※コロナ感染予防対策の為、現在「絵画に触れる」のはご遠慮いただいております。
■ 大塚国際美術館
住所/徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1 鳴門公園内
問い合わせ/088-687-3737
営業時間/9:30~17:00(入館券の販売は16:00まで)
休館日/月曜(祝日の場合は翌日休)
※1月は連続休館あり。その他、特別休館あり。
※8月は無休。
料金/【一 般】3,300円【大学生】2, 200円【小中高生】550円
※20人以上の団体は10%割引。
大塚国際美術館 公式HPはこちら
イマナニで「大塚国際美術館」の情報を見る
最先端の芸術に触れられる「NFT鳴門美術館」
徳島県鳴門市の妙見山公園にある「鳴門ガレの森美術館」は、これまでエミール・ガレの作品を中心にガラス工芸品や陶芸品を展示していました。
ガレは19世紀後半フランスの工芸家で、ある「エミール・ガレ」は、ガラス工芸をはじめ、陶器や家具など幅広い分野の工芸作品を生み出し、今なお国際的な評価を得ています。
国内外の素晴らしい工芸品を紹介してきましたが、2022年3月より日本国内における美術品及びアート作品のNFT化の普及と発展を目指し「NFT鳴門美術館」と名称を変更。
日本初のNFT美術館になりました!
美術品及びアート作品の展示のみならず、アート作品に関するNFTの発行、審査、販売、流通が可能な日本初、日本唯一の美術館です。
「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」とは、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」のこと。
今までデジタルデータは容易にコピーや改ざんができるため、現物資産のような資産価値を付与する事ができませんでした。
しかし、唯一無二な資産的価値の証明ができるようになり、現物の宝石や絵画と同じく世界中で取引できます。
これによって幅広い分野で、より簡単に誰でもNFTアートを楽しめるようになります。
つまり、NFT鳴門美術館はみなさんにアートをもっと気軽に楽しんでもらえる場所です!
細田守監督の『竜とそばかすの姫』と、ファッションデザイナーの森永邦彦が設立した日本のアパレルブランドANREALAGE(アンリアレイジ)がコラボした2022年春夏パリコレクションのNFT作品も展示中!
こちらはフラッシュを焚いて撮影すると衣装の一部が変化するんですよ!
カラフルなシルクスクリーンアートでお馴染みの「ヒロ・ヤマガタ」のアートカーも展示しています。
ほかにも窪田望プロデュース、AIが作り出す絵画展や、徳島出身のチタンアーティスト与吉の作品も展示。
様々な分野の貴重な作品が揃い踏みです!
徳島のセメントアート作家の展示物や、陶芸家「古野幸治」の作品は実際に販売しています。
陽だまりの中、猫ものんびりと作品を鑑賞中~。
ぜひみなさんものんびりと最新のアートに触れにきてくださいね。
■ NFT鳴門美術館
住所/徳島県鳴門市撫養町林崎字北殿149番地
問い合わせ/088-684-4445(10:00~18:00 ※土・日・祝日・年末年始・夏季休暇を除く)
営業時間/10:00~17:00(最終入館16:30)
休館日/木曜日、年末年始
料金/【一般】800円【中高大学生】500円【小学生】300円【幼稚園児以下】無料
NFT鳴門美術館 公式HPはこちら
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自分の中の好きを見つめて、触れて。
四国にある、いろいろな美術館や企画展を紹介しましたが、気になるものはありましたか?
美術館はみんなと好きを共有できる場所でもありますが、ゆっくり自分の好きと向き合える場所です。
静かに見て回れるので、コロナ禍でもぴったりのお出かけ場所ですね!
今年の秋は気軽に芸術に触れてみませんか?
イマナニは8月から四国版になりました!
四国内の面白いイベントや魅力的なスポットをどんどん紹介していきますので、お楽しみに!
これまでの愛媛の美術館特集はこちらからご覧ください。
イマナニで「えひめの美術館・博物館めぐり 記事まとめナビ!」の情報を見る