さいさいきて屋の生産者さんシリーズ Vol.11 ~ポンッとはじけるワクワク感。伝統の味を実演販売、今治のポン豆菓子~

  

星歌子まい    イマナニ体験レポート

素朴な味を父から引き継ぎ温素朴な味を父から引き継ぎ温故知新

この度、近ごろは珍しくなった“ポン菓子”作りの実演を取材させて頂けると言うことで、やって来ました。
さいさいきて屋!

ご準備くださったのは、JAおちいまばりのさいさいきて屋でポン菓子を販売している川崎商店の川崎友仁さん。
お父様の代からのポン菓子作りを引き継ぎ、菓子職人になって今年で23年になるそうです。

昔ながらのお父様の作り方に、川崎さんが一味手を加えた新製法で現在のポン菓子が誕生しました。
その味は各地で人気、今はさいさいきて屋やネットでの“オンラインショップ豆屋川崎”を中心にポン菓子を販売しています。
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さいさいきて屋で販売。一袋がこのサイズ
さいさいきて屋で販売。一袋がこのサイズ 素朴な味が人気 煎り黒豆の砂糖付きポン豆菓子 煎り黒豆の砂糖付きポン豆菓子 地元の方にはシンプルなパッケージが好まれるそう
大事な相棒の仕事道具を持ち込んでもらい、これよりポン菓子作りの一部始終を見せていただきます。
年季と丁寧な手繕いを感じる“ポン豆機”は、今日まで使いこまれて30年。
しぶい色味は“働き盛り現役”の風格を醸し出しています。

まずはポン菓子のほどよい甘味を決める“蜜”作りからスタート。
分量の砂糖や水などの材料を小鍋に入れ火にかけて蜜を煮始めると、続いて川崎さんはあらかじめ温めておいたポン豆機の筒に生米を入れました。
1回に入れるお米の量は1升。
ポン豆機の筒がくるくると回転し続けます。

その最中に、火にかけた“蜜”の出来具合を確認。
約10分ほど経つと、川崎さんは「そろそろです」と言って機械の方へ。
側に置いてあった網かごを回転する筒の先に設置し、「じゃあ、いきますよ!」と川崎さん。

鉄の棒を片手に持ち、ポン豆機をコンッと叩くとほぼ同時に「パンッ!!」と破裂音!
一気に川崎さんが大きな白い煙に包まれました!

視界の先は真っ白です。
蒸気機関車がトンネルから出てくるときに、トンネルから白い煙がわんさか出て来てなかなか本体が見えて来ない、そんな状況とそっくりです。

10秒足らずで煙が引き、川崎さんやポン豆機が姿を現すと、そこには網かごに入ったポン菓子が。
ふっくら膨らんだ真っ白なポン菓子です。

さあ、ここからは川崎さんの早わざです。
網かご周辺や筒に残ったポン菓子をささっと網かごの中に仕舞いきると、準備してあったポリ容器にポン菓子を移し替えます。

さらさら~っと出来立てポン菓子たちは容器の中へと流れ落ちていきます。
そうして最後に蜜を絡めてポン菓子は完成です!
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ポン豆機
ポン豆機 今日はこうして蜜作り 普段スタイルでセッティング 生米を機械に入れる 筒が開いたら一瞬でこの風景

やっぱり実演販売が好き

川崎さんはコロナ禍の前には各地のイベント会場でポン豆菓子作りの実演販売も行っていました。
「3年ほど前になりますが、松山で店頭実演販売をやっていたときに、農家さんだとおっしゃる一組のお客さんが僕を見つけて自家製米を家まで取りに戻られたんです。受け取ったお米を実演でポン菓子にしてお渡ししたら“自分家(ち)の米を加工してみたかった”とおっしゃってとても喜んでくれたんです。それは僕も嬉しくて。」

そうして川崎さんはネットのオンラインショップを通して、全国各地の“ポン菓子に加工してほしい”と希望するお客さんからお米や豆を受付け、ポン菓子に加工する委託製造も行うようになりました。

お客さんから送ってもらうのは米1升と砂糖800g、大豆なら1升分と砂糖700gなど。
大阪からの依頼も多く、京都は丹波の黒豆、千葉からはピーナツの加工依頼をよくいただくそうです。

伝統菓子と言うこともあり、川崎商店オリジナの和風なパッケージデザインも相まって、お祝いごとの贈り物にも重宝されてよく注文をいただくそうです。
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煙が消えて見えてきたのはふっくら膨らんだポン菓子
煙が消えて見えてきたのはふっくら膨らんだポン菓子 手早く容器へ移す 1升の米からできたポン菓子を複数の容器に移し替え 出来上がってきた!
さて、この日の実演では“米(うるち米)”と“もち米”の2種類でポン菓子を作ってくれました。
どちらも作り方はほぼ同じだそうです。

ですが、やはりもち米のポン菓子はもち米特有の糖度の高さと風味で一味ちがうポン菓子が出来上がるそう。

実食してみると、たしかにちがいます!
もち米の方がより食感が軽くてまろやかな風味を感じます。
しかもどちらも美味しい…!!
手とお口が止まりません。

さいさいきて屋でも“うるち米のポン菓子”と“もち米のポン菓子”の両方が販売されていますので、ぜひ皆さんにも食べ比べをしてみて欲しいです。
ちなみにこの“もち米ポン菓子”も川崎さんオリジナルの開発商品です!

他にも、期間限定でチョコレートがけのポン菓子“CHOCO PON”がお目見えすることもあるそう。
手間がかかる分、美味しさも特別。
要チェックです!
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チョコのポン菓子「CHOCO PON」
チョコのポン菓子「CHOCO PON」 CHOCO PONはチョコチップやナッツ入り さいさいきて屋で販売中の「米PON」と「豆PON」 もち米のポン菓子
「今はコロナ禍で難しいですが、今治はもちろん、今後は今治市外、大阪や京都でも実演販売をしたいですね」と川崎さん。
ポン豆菓子の素朴な味は、子供からお年寄りまで幅広く愛されているのも感じられるそうです。

「1台のポン豆機を1日平均して30回ほど回してます」と言う川崎さん。
特に新米の収穫時季になると、前年に収穫した米を加工して欲しいと言う依頼がたくさんくるそうです。

川崎さんが作る“懐かしくて新しい味”のポン豆菓子を、さいさいきて屋の産直市場、お菓子コーナーでお手に取ってぜひご賞味ください。

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さいさいきて屋
開催時間/9:00~18:00 定休日 1月1日~1月3日
開催場所/さいさいきて屋(愛媛県今治市中寺279-1)
駐車場/あり 230台
問い合わせ先/さいさいきて屋 TEL.0898-33-3131
URL/https://www.ja-ochiima.or.jp/business/saisaikiteya/saisaikiteya/
reported by 星歌子まい