石鎚山とアートの交差点で“森の謎”にふれよう|コレクション展II「森のなぞなぞ美術館VI あぜちさん、いしづちさん」

  

山と森を描き続けた畦地梅太郎の世界に出会う

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森林の恵みがアートになる、愛媛発の展覧会。山と森を見つめ続けた畦地梅太郎の代表作が集結

畦地梅太郎≪石鎚霊峰≫『伊予風景』より
1936 年


緑深い愛媛の森を舞台に、アートで自然を見つめる展覧会「森のなぞなぞ美術館VI あぜちさん、いしづちさん」が開催されています。
今回は、石鎚国定公園指定70周年を記念し、版画家・畦地梅太郎の作品を特集。
山男や石鎚山を描いた代表作の数々から、畦地が山に込めた想いが感じられます。

畦地梅太郎≪石鎚山≫『山岳版画集Ⅰ』より
1946 年


畦地梅太郎≪山の家族≫
1973 年


展示風景


また、特別招待作家には、東京を拠点に活躍する愛媛出身の友澤健太郎さんが登場。
県産材を活かした新作やウォールペインティング、ZINEの原画などが並び、森とアートの多彩な表現に触れることができます。

山男シリーズから原画まで畦地の世界をたどる。美術館自慢の名品と「絵本★百貨展」との連動展示

畦地梅太郎≪親子よろこぶ≫
『山のぬくもり』より1978 年


畦地梅太郎≪石鎚山≫(緞帳原画)
1985 年


大竹伸朗《芥子/音影Ⅱ》2008年


畦地梅太郎が描き続けた“山男”シリーズや、故郷の山・石鎚山を題材にした初期から晩年の作品までが一堂に展示される今回の展覧会。
中でも見逃せないのは、現在でもアウトドアブランドのTシャツなどで親しまれている「山男」の姿。
大胆で力強いフォルムから、畦地が自然と向き合ったまなざしが伝わってきます。

また、当館の所蔵作品を厳選した「コレクション・ハイライト」では、国内外の名品に加え、「谷川俊太郎 絵本★百貨展」と関連する作品展示も楽しめます。

クロストークで深掘りする、県産材を使用したアートの魅力。ガラス面に描く公開制作「木をみて山をみる」

アートと自然の融合をさらに体感できるのが、友澤健太郎さんによる特別イベントです。
8月9日には、大きなガラス面に森を描くライブペイント「木をみて山をみる」を開催。
来館者の目の前で繰り広げられるダイナミックな制作風景は必見です。

続くクロストークでは、県産材を提供した久万高原の木こり・角谷さんとの対話を通して、自然素材の魅力や作品へのこだわりが語られます。
申込不要で気軽に参加できるこのイベント、アートの裏側を知る貴重な機会になりそうです。

山男たちが誘う、自然と芸術の深いつながりを感じよう

夏のひととき、森とアートの静かな語らいに耳を傾けてみませんか?
イベント当日や展示内容の詳細は、愛媛県美術館の公式サイトでご確認くださいね。

畦地梅太郎≪石鎚山≫『山の絵本』より
1955年

  • ■コレクション展II「森のなぞなぞ美術館VI あぜちさん、いしづちさん」
  • 開催日時/令和7(2025)年6月24日(火)~9月5日(金) 開館時間9:40~18:00(入場は17:30 まで)
  • 休館日:毎週月曜日 (祝日、振替休日及び第1月曜日にあたる場合は、開館し、その翌日が休館日)
  • 開催場所/愛媛県美術館 本館2階 常設展示室1・2
  • 開催住所/ 愛媛県松山市堀之内
  • 駐車場/あり。駐車場は、県庁西駐車場(2時間無料)を利用できますが、駐車台数に限りがあり、混雑が予想されるため、公共交通機関等の利用をお願いします。
  • 料金/有料 観覧料 大人340円(団体270円)、大学・高校生230円(団体180円)
    ※小・中学生、65歳以上の方、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者含む)は無料。団体は20 名以上。
    ※企画展「谷川俊太郎 絵本★百貨展」をご覧の方は、当日に限り本展もご観覧いただけます。
  • お問い合わせ/愛媛県美術館
  • 電話/089-932-0010
  • URL/コレクション展II「森のなぞなぞ美術館VI あぜちさん、いしづちさん」公式HP
reported by イマナニ編集部 コマナニ
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