【認定こども園 愛育幼稚園】3人の子どもを通わせて実感。「遊びの天才」が育つ幼稚園(愛媛/砥部町・にこひめプロジェクト)

  

砥部町大南にある愛育幼稚園は、1954年創立の歴史ある認定こども園。
自然や友だちとの関わりの中で、のびのびと遊ぶことを大切にしています。

私はそんな愛育幼稚園に1人目を入園させ、卒園を見届け、下の子たちも通わせてきました。
「ようちえんいくー!」
まだ朝の5時過ぎ。1歳11か月のわが子が、自分で着替えて玄関へ向かっていました。

入園前は「泣かずに通えるかな」「お友だちと仲良くできるかな」と心配していた私。
ところが入園2日目には、「お友だちできたー!りんりん♪」と嬉しそうな笑顔を見せてくれました。

そんなに幼稚園が楽しみなんだと親の方が驚かされた記憶があります。
3人の子どもたちを通わせる中で感じてきたのは、愛育幼稚園の子どもたちは本当によく遊ぶということ。

泥んこ遊びに、裸足のリズム遊び、竹馬、異年齢での交流。
今回、愛育幼稚園で先生方にお話を伺うと、そんな「遊び」の一つひとつに、子どもの成長を考えた工夫がありました。

3人の母としての実体験と、先生方への取材を通して、その魅力を紹介します。

「たくさん遊んでほしい」――わが家が愛育幼稚園を選んだ理由

最初に愛育幼稚園を知ったのは、「砥部町で1歳から通えるところはないかな」と探していたことがきっかけでした。

いくつかの園を比較して、実際に見学へ。

園舎がきれいだったことや、クラスあたりの先生の多さを感じたことも印象に残っています。
そして何より、先生と子どもたちの距離が近い。

その当時の園長先生が子どもたちと一緒にこまを回したり、けん玉をしたりしている姿を見て、「園長先生もこんなに子どもと一緒に遊ぶんだ」と感じました。

当時、他に私が特に気にしていたのが、子どもを安心して預けられる環境かどうかということ。
見学の際には園舎の耐震性や避難訓練についても説明を聞き、「ここなら大丈夫そう」と感じました。

そして、もう一つ心に残ったのが、園長先生の言葉でした。

「小学生になると必ず勉強しないといけないから、幼稚園では自由に遊んで、自然に触れてたくさん遊んでほしい」

「確かに」と思った私。

もちろん勉強は大切。
でも、泥だらけになって遊んだり、自然に触れたり、友だちと夢中になって遊んだり。
そんな経験は、幼児期だからこそできるものかもしれません。

「ここで、思いっきり遊んでほしい」
それが、愛育幼稚園を選んだ大きな理由の一つでした。

そして1人目の園生活を見て、「この先生たちに下の子たちもお願いしたい」と思うようになりました。

2019年に完成した園舎は木のぬくもりある建物。建物横には駐車場もあり、送迎もスムーズに行えます。

以前、園長を務めていた本多先生。現在も毎週園を訪れ、礼拝の時間にお話をしたり、こまやけん玉など昔ながらの遊びを子どもたちに教えたりしています。

園児たちも本多先生が来る日を楽しみに待っているようです。

1階の廊下も広々。先生と子どもたちが元気に遊んでいます。

小さな子どもたち(1~3歳児クラス)は基本的に裸足で過ごすのですが、保育室には床暖房がついており冬でも安心。

季節を問わず裸足で快適に過ごせるのは愛育幼稚園の魅力のひとつです。

1階の園児たちのお部屋の前はテラスになっており、季節の野菜なども育てています。

泥んこ、裸足、竹馬、全身お絵描き!「遊び」がいっぱいの毎日

愛育幼稚園を一言で表すなら、私にとっては「遊びの天才」。
とにかく、子どもたちがよく遊びます。
しかも、ただ「好きなことをして遊ぶ」というだけではありません。

先生方のお話を聞いていると、身体を使うこと、感触を味わうこと、自分で考えること、表現することなど、さまざまな経験につながるように「遊び」が考えられていることが分かりました。

暖かくなってくる5月ごろから始まる泥んこ遊びでは、子どもたちは汚れてもいい服に着替え、泥の感触を楽しみながら遊びます。
プールの時期が終わった秋にも泥んこ遊びをすることがあるそうです。

家では、「そんなに汚さないで!」と言いたくなってしまう泥遊び。
でも幼稚園では、汚れることも含めて思いっきり楽しめる。
手や足で砂や泥の感触を感じながら遊ぶ経験は、子どもたちにとって特別な時間なのだと感じます。

園では裸足で過ごす時間も多く、リズム遊びも裸足で行います。
音楽に合わせて、うさぎになったり、トンボになったり。
子どもたちは身体いっぱいに動きを表現します。

足の動きなども子どもたちの育ちを見ていくポイントの一つだと伺いました。
決められた動きをただ真似するだけではなく、自分が感じたことを身体で表現する。
「身体を使って遊ぶ」ことそのものを、子どもたちは楽しんでいます。

他にも、愛育幼稚園といえば竹馬も印象的。
竹馬はみんなのあこがれの遊びの一つで、年長さんになって初めてできる遊びです。
運動会では、年長さんが竹馬に乗って園庭を歩きます。

その姿を見た小さい子たちは、「お兄ちゃん、お姉ちゃん、すごい!」と憧れる。
そして、自分もやってみたくなる。
「やりなさい」と言われるからではなく、「あんなふうになりたい」という気持ちが、次の挑戦につながるのです。

外で遊べない日は、空き箱や廃材などを使って制作することも。
子どもたちは、「これを作りたい」と考えて、形を作ってみる。
うまくいかなければ工夫する。
そして、また形にしていく。

完成した作品を持ち帰ってくることもあり、「今日はこんなの作ったんだ!」と家で見せてくれるのも楽しみの一つです。

そこには、考える・工夫する・形にするという経験があります。
絵を描くことも、愛育幼稚園ではとてもダイナミック。
服が汚れてもいいようにして、全身を使って絵を描くこともあります。

先生からスパッタリングなどの技法を教えてもらうこともあり、子どもたちは実際にやってみると、ちょっと誇らしげな表情に。
「こんなことできた!」
という小さな自信が、表情から伝わってきます。

先生方のお話を聞いていると、愛育幼稚園の「自由保育」は、ただ自由に遊ばせているわけではないことも分かりました。

遊びの中に、子どもたちが考えたり、挑戦したり、人と関わったりする経験がある。
だからこそ、先生たちは子どもを一つの型にはめるのではなく、一人ひとりの「やってみたい」という気持ちを大切にしています。

泥んこ遊びの季節になると、捨ててもOKな服を用意します。それに着替えて子どもたちは思う存分泥んこ遊びを楽しみ、使用後は園で洗ってくれて、泥んこ遊びの季節が終わるころに園で処分してくれます。

洗う手間が無いのが保護者としては嬉しいところ。

愛育幼稚園のプールは2階にあり、6月~9月初旬頃まで楽しみます。

みんなで協力してペットボトルで作った船を浮かべて乗ってみるなど、楽しい遊びがたくさんあります。

ホールで自分の思った動物を表現する子どもたち。正解はなく、自由に表現して楽しみます。

運動会で年長児のゆり組は竹馬に乗り、園庭を歩きます。

廃材で作った工作の品。こちらは「火災報知機の点検にきた人が持っていた棒」だそうです。本当に自由な発想で様々な作品を作ってくるのが面白いですよ。

年長さんに憧れて、今度は自分が優しくする。「どんどこさん」の異年齢交流

愛育幼稚園の特徴として、もう一つ印象的なのが異年齢での交流です。
その代表が「どんどこさん」。

すみれ組(3歳児)・ばら組(4歳児)・ゆり組(5歳児)の子どもたちが一緒になり、給食を食べたり、遊んだり、お散歩に出かけたりします。

年長のゆり組になると、小さいすみれ組の子どもの準備を手伝ったり、寝かしつけのときにトントンしてあげたりすることもあるそう。

小さい子に優しくしてあげる経験。
そして、自分が小さいころにしてもらったことを覚えている経験。
その積み重ねが、次の「思いやり」につながっていきます。

先生方からは、年長さんになった子どもが、「僕も小さい子にやってあげたい」と言う姿があると伺いました。

小さい子どもたちにとっては、年長さんが憧れの存在。
運動会でも、実際のきょうだいではない年長さんに向かって、「私のお兄ちゃん、がんばって!」と応援することがあるそうです。

まるできょうだいのような関係が、園の中で自然に育っているのです。
同じ年齢の友だちと遊ぶだけでは得られない経験。

年上の子に憧れ、年下の子を気にかける。
「どんどこさん」は、愛育幼稚園らしい温かな活動だと感じました。

園内では、子どもたち自身がさまざまなイベントを考え、準備し、作り上げています。そして、年下の子どもたちを遊びに誘う姿も見られます。

「勉強しよう」と促されるのではなく、遊びや活動を通して、自然とひらがなや数字に触れ、学ぶ機会につながっているようです。

どんどこさんで楽しそうにお祭りを回る子どもたち。

小さいお友だちを優しくリードしてくれる、ゆりぐみのお姉さん。
「こっちだよ」「一緒に行こう」と自然に手を差し伸べる姿が、とても頼もしく感じられました。

異年齢で一緒に過ごす中で、年下の子を思いやる気持ちや優しさが、自然と育まれています。

年少さんだけでは少し難しく、年長さんだけではちょっぴり物足りない「なべなべそこぬけ」。
どんどこさんでは、異年齢のお友だちが一緒になって大きな輪に!

みんなで力を合わせて、くるっとひっくり返る楽しさは格別です。
異年齢だからこそ生まれる、楽しい遊びのひとコマです。

「やりなさい」と言わない。「やってみたい」を引き出す先生たちの声かけ

3人を通わせてきて特に感じるのが、愛育幼稚園の先生方は、子どもを前向きにする言葉を選ぶセンスが抜群だということ。
子どもに何かをしてほしいときも、否定したり命令したりするのではなく、「自分でやってみよう」と思えるような声かけをしてくれます。

たとえば、靴を左右逆に履いていたとき。
「間違ってるよ!」ではなく、「靴が喧嘩してるよ〜。仲良しにしてあげよ!」と声をかけてくれる。
すると子どもは嫌な気持ちにならず、「じゃあ直そう」と自分で直せます。

片付けも、「片付けしよう!」ではなく、「きれいになった方が気持ちいいなー」と声をかける。
子どもが自分から動きたくなるように言葉を選んでいるのです。
愛育幼稚園で大切にしているのは、子どもを無理に型にはめないこと。

活動に参加したくない子に、「みんなやっているから、あなたもやりなさい」と無理強いするのではなく、「やりたくなったときにやろう」という姿勢で見守ります。

もちろん、ただ放っておくわけではありません。
「やってみたい」と思えるような声かけをしながら、子どもの気持ちを待つ。
それが愛育幼稚園のいう「自由保育」なのだと、お話を聞いて感じました。

先生方は、子どもの小さな変化をよく見てくれています。

たとえば運動会の翌日、「昨日、〇〇ちゃん、こんなことができていてすごかったね」と、わが子の頑張っていた姿を具体的に教えてくれたことがありました。
たくさんの子どもたちがいる中で、わが子のことをちゃんと見てくれていたんだなと感じて、嬉しくなったのを覚えています。

そして、愛育幼稚園でありがたいと感じるのは子どもだけでなく、親のことまで気にかけてくれるところです。
2人目の出産が近づいていた頃には、「これから大変になるだろうから」と、上の子のバス登園をすすめてくれました。

また、「今日なんかいつもと違う?何かあったのかな?」と声をかけてもらうこともあります。
実際には、前の日に少し夜更かしをして、私がちょっとしんどかっただけだったりするのですが(笑)。
それでも、子どもの様子だけでなく、親の変化にも気づいて声をかけてくれる。

3人を通わせてきた私にとって、こうした先生方の細やかな気づきは、大きな安心感につながっています。

「この葉っぱ、なんだろう?」
シソの葉が気になった子どもに、「どんな香りがするかな?」と先生。

一緒ににおいをかいで、実際に感じてみる。
子どもの「気になる!」から始まる、小さな発見を大切にしています。

にこにこ笑顔で遊ぶ、園内で一番小さなひよこ組(1歳児)の子どもたち。

右奥の子どもは、登園を始めてまだ1週間ほど。それでも、先生の温かな言葉がけに安心した様子ですっかり遊びに夢中です。

「やりたくなったときにやろう」
「こっちで一緒にやってみよっか」

最初は先生と二人で楽しんでいたのに、いつの間にかみんなの輪の中に。

「やってみなさい」と言うのではなく、「やってみたい」と思えるように寄り添う先生。
子どもの気持ちを待ちながら、そっと背中を押す声かけが、本当にすごいです。

つくし組(2歳児)のお礼拝のひとコマ。

「静かな気持ちになりましょう」と先生が声をかけると、自然と手を合わせる子どもたち。

少しずつお礼拝の時間にも慣れ、心を落ち着けて過ごせるようになってきました。

異年齢で過ごす環境や、日頃の先生方のポジティブな声かけのおかげでしょうか。愛育幼稚園の子どもたちは、人見知りが少ない印象です。

取材中も「ねーねー見て!これダンゴムシ!」と、虫かごを持って次々と集まってきてくれました。
とってもかわいいけど…私から見えるのは、ほぼ頭だけ(笑)。

安全への備えも。耐震性・避難訓練・小さな子どもへの環境づくり

子どもが毎日過ごす場所だからこそ、楽しく遊べることだけでなく、安全面も気になります。
愛育幼稚園では、阪神・淡路大震災を経験した元園長先生の思いもあり、地震への備えを大切にしています。

園舎は震度6程度の揺れにも耐えられる耐震等級を取得しており、災害への備えがされています。
火災を想定した避難訓練は毎月、地震を想定した訓練は2か月に1回。災害時に備えた備蓄も用意されています。

「もしものとき」を考え、普段から繰り返し訓練していることは、親として安心できるポイントです。

そして、1階にあるひよこ組(1歳児)、つくし組(2歳児)、すみれ組(3歳児)の保育室には床暖房も。
愛育幼稚園では裸足で過ごす時間も多いからこそ、小さな子どもたちが過ごす足元が暖かいのは嬉しいところです。

「思いっきり身体を動かして遊んでほしい」という環境の一方で、毎日を過ごす園舎には、安全や快適さへの配慮もしっかりとある。

遊びだけでなく、こうした環境面も含めて、親が安心して子どもを送り出せる幼稚園だと感じました。

2階にある「えほんのへや」。ばら組になると、毎週金曜日に好きな絵本を1冊選んで借りて帰ります。

子どもたちが「今日はどれにしよう?」と楽しみながら絵本を選ぶ時間も、園での大切なひとときです。

ばら組(4歳児)の保育室。木をふんだんに使った温かみのある広々とした空間で、どの保育室も木のぬくもりを感じる、やさしい雰囲気に包まれています。

保育室を出ると、すぐ目の前に広がるテラス。

異年齢交流の「どんどこさん」はすみれ組(3歳児)から始まりますが、ひよこ組(1歳児)やつくし組(2歳児)とも自然に顔を合わせ、仲良くなれる距離にあります。

ひよこ組(1歳児)の保育室。

まだ自分の名前が読めない子どもたちも、自分だけのマークを目印に、自分の持ち物がどこにあるのか分かるよう工夫されています。

避難訓練ではベルが鳴ると先生のもとへ集まり、防災頭巾をかぶって避難。煙を吸わないよう姿勢を低くしながら園舎内を移動し、正面玄関から隣の駐車場まで避難します。

この日は消防士さんにも見守っていただきながら訓練を行い、避難後には防災についてのお話を聞いたり、消防車を見学したりしました。

3人を通わせて、今だから思う。幼児期の「遊び」は、子どもの糧になる

1人目の入園当初は、「泣かずに通えるかな」「お友だちと仲良くできるかな」と心配していました。

でも、子どもは親が思う以上に順応するもの。
靴を自分でしまったり、着替えたり、友だちと遊んだり…できなかったことが一つずつできるようになる姿に、何度も感動しました。

卒園後も先生方が声をかけてくださることも嬉しく感じています。

3人を通わせてきて思うのは、幼児期だからこそできる経験があるということ。
泥だらけになって遊ぶこと、裸足で身体を動かすこと、年上の子に憧れ、年下の子を思いやること。
もちろん勉強も大切ですが、こうした「遊び」の経験も、きっとこれからの子どもたちの糧になるのだと思います。

幼稚園選びで迷ったら、ぜひ親子で実際に園へ足を運んでみてください。
園の雰囲気や先生方の接し方、子どもたちの表情は、行ってみないと分からないもの。
最後は「ここ、なんかいいな」という親の勘も大切だと思います。

私自身、1人目を卒園させ、その後も下の子たちを愛育幼稚園へ。
3人を通わせてきたからこそ、今改めて思うのは、「ここで、たくさん遊ばせてもらえてよかった」ということです。

そんな愛育幼稚園は、私にとってまさに「遊びの天才」が育つ幼稚園。

2027年度の入園を考えている方も、ぜひ一度、お子さんと一緒に足を運んでみてください。

愛育幼稚園のアクセス・基本情報

■ 学校法人愛育学園 認定こども園 愛育幼稚園
住所/愛媛県伊予郡砥部町大南781−1
駐車場/あり
電話番号/089-962-2224

公式サイト

reported by 二木えりか
イマナニ体験レポート