愛媛県の美術館へ行こうNAVI 2021
奥深き芸術の世界へ飛び込もう!
2021年の秋も深まってきましたね。
食欲の秋、スポーツの秋など……。
皆様もそれぞれの“秋”を楽しんでいることでしょう。
今年、私がおすすめしたい“秋”の娯楽は美術館巡りです。
「静かに」がお約束であり、慌ただしい現実から少し離れることができる美術館は、今の世の中にぴったりではないでしょうか。
愛媛県にはたくさんの美術館やミュージアムがあります。
施設が所蔵している常設展示だけでなく、期間限定の企画展や誰でも参加することができるワークショップを開催しているところも!
素敵な芸術に触れることができるスポットばかりですので、悠久の歴史の中を自由に歩き回り、感性を深めてくださいね。
「愛媛県美術館」で書と仏教美術の魅力に触れる
参加創造型の美術館として、国指定史跡「松山城跡内」に開館した「愛媛県美術館」。
所蔵しているのは、愛媛県ゆかりの作家、日本美術史上重要な作家、モネやセザンヌ等の海外作家など、約12,000点。
これらのコレクションは「所蔵品による特集展示」として年に5~6回の展示替えを行い、コレクション展として楽しむことができます。
企画展では所蔵品を生かした郷土ゆかりの作家や、国内外の美術に関連した作品を展示。
2021年11月30日(火)までは、江戸末期から明治にかけての書家「三輪田米山展」を開催しています。
《福禄寿》明治30年(1897)、愛媛県美術館蔵
米山は「日尾八幡神社」で生まれ、当地で神職として過ごした人物。
米山生誕200年という大きな節目に、見る者を圧倒し、驚かせるその唯一無二の作品を一堂に紹介しています。
■生誕200年 三輪田米山展 -天真自在の書-
期間/~2021年11月30日(火)
イマナニで「生誕200年 三輪田米山展 -天真自在の書-」の情報を見る
また、2021年11月3日(水)から開催される「平等院鳳凰堂と浄土院 その美と信仰」では、1052年、京都・宇治に創建された平等院の魅力を伝えています。
国宝《雲中供養菩薩像 北1号》天喜元年(1053)、平等院蔵 ©平等院
※2021年11月3日~12月6日まで展示
国宝《雲中供養菩薩像 南1号》天喜元年(1053)、平等院蔵 ©平等院
※2021年12月8日~翌年1月9日まで展示
平安の国風文化と浄土信仰を守り、現在に引き継ぎ伝えてきた平等院と塔頭の信仰、文化、美術、歴史を学んでくださいね。
■平等院鳳凰堂と浄土院 その美と信仰
期間/2021年11月3日(水)~翌年1月9日(日)
イマナニで「平等院鳳凰堂と浄土院 その美と信仰」の情報を見る
「愛媛県美術館」では、所蔵作品や作家に関わるお話を聞ける「レクチャー」や、グループで話し合いながら作品を鑑賞する「コレクショントーク」、創作や鑑賞・美術に親しむことができる「親子ワークショップ」も開催されています。
※親子ワークショップは先着順での予約受付
開館23周年記念を祝う11月21日(日)には、多くの人に美術館に親しんでもらうため、コレクション展の観覧料が無料に。
親子ワークショップでは、簡単に制作できるキットを使って創作を楽しむことも。
※各10組、事前予約制
■マラカスをつくろう
材料費/100円
時間/10:30~11:15
■クリスマスツリーをつくろう
材料費/150円
時間/13:00~13:45
■ステンシルで年賀状
材料費/100円
時間/14:30~15:15
こちらのワークショップは石畳にチョークで大きな絵を自由に描きます。
■大地は大きな黒板だ!
料金/無料
時間/11:00~12:00、13:30~14:30
定員/20名
ほかにも俳句コンテストが開催されたり、対話型鑑賞が行われたり。
いままで美術館に訪れたことがない人も、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。
■ 愛媛県美術館
住所/松山市堀之内
問い合わせ/089-932-0010
定休日/月曜(第1月曜は開館、翌日休館)
営業時間/9:40~18:00
料金/一般330円、高大生220円 ※企画展観覧料は別途必要
イマナニで「愛媛県美術館」の情報を見る
地元リピーターも多い、道後にある「セキ美術館」
道後温泉駅から徒歩5分のところにある「セキ美術館」は、平成9年に開館。
道後という場所柄、観光客が多いけれど、じっくりとアートと向き合うことができる落ち着いた空間を愛する地元リピーターも大勢います。
明治から現代にかけての日本画と洋画をコレクションしており、中でもブロンズ像「地獄の門」「考える人」の制作者であるオーギュスト・ロダンの彫刻作品を展示している「ロダンの部屋」が人気。
1階には1890年代のドイツ製のディスクオルゴールがあり、スタッフに依頼すると館内に豊かな調べを響かせてくれますよ。
年に4回展示作品の入れ替えを行っている当館では、2021年11月28日(日)まで、秋の所蔵作品展 「文化勲章・文化功労者の栄誉に輝いた画家たち展」を開催。
ゆっくりと流れる秋時間を楽しんでくださいね。
■ セキ美術館
住所/松山市道後喜多町4-42
問い合わせ/089-946-5678
定休日/月・火曜
営業時間/10:00~17:00
料金/一般700円、小・中・高校生500円
イマナニで「セキ美術館」の情報を見る
高畠華宵作品から、大正ロマンを探る旅へ出かけよう
「川内IC」より車で約10分のところにある「高畠華宵大正ロマン館」。
大正ロマン画家として活躍した高畠華宵の日本画や下絵、挿絵原画、メディアアートなど約5000点と、大正・昭和初期の時代資料約6500点を所蔵しています。
高畠華宵(宇和島市出身/1888-1966)
華宵作品に描かれた、華麗でモダンなファッションに身を包んだ女性や両性具有的で可憐な美少年は、幅広い人々に熱狂的に支持されました。
高畠華宵《ダンス》昭和4年頃
高畠華宵《願ひ》大正14年
華宵作品のロマンチックで幻想耽美的な世界を楽しめるほか、2021年年11月28日(日)まで、山中現と渡邊加奈子の代表的な木版画作品から記憶の中のメルヘンを探る「この道はいつか来た道展」を開催。
山中現《ぐるぐる》1982年
渡邊加奈子《girl tail2》2018年
ここにはないどこか。
ぼんやりとした不思議な記憶の風景、遙かな記憶。
二人の作品世界の中から自身の想像力の翼を働かせてみてくださいね。
■「この道はいつか来た道」展
期間/~2021年11月28日(日)
イマナニで「「この道はいつか来た道」展」の情報を見る
「高畠華宵大正ロマン館」には、水辺に面した喫茶「カフェカショー」が併設されています。
大正ロマンの雰囲気が漂う空間で、観覧後の余韻に浸ってみては?
ミュージアムショップも充実しているので、立ち寄ってみてくださいね。
■ 高畠華宵大正ロマン館
住所/東温市下林丙654-1
問い合わせ/089-964-7077
開館日/土・日曜
営業時間/11:00〜17:00(入館締切は16:30)
料金/常設展は一般500円、中高生・65歳以上400円 ※特別展は別途必要
「この道はいつか来た道」展は一般600円ほか
イマナニで「高畠華宵大正ロマン館」の情報を見る
様々な分野で活躍した偉人たちの作品を収蔵している「河野美術館」
今治出身の実業家・河野信一が長年にわたり収集した、平安から現代にいたる俳人・歌人・画家・書家・茶人などの屏風・掛軸・古文書・典籍などを約1万点収蔵している「河野美術館」。
展示品には渋沢栄一や西郷隆盛の作品、干支の動物をモチーフにした日本画も。
その中から館蔵品の常設展や企画展を行っており、 2021年11月14日(日)まで「源氏物語の読者たち」を開催しています。
工夫が凝らされた注釈書やダイジェスト本、華麗な装飾が楽しめる箱入りの写本などをお楽しみください。
■ 源氏物語の読者たち
期間/~2021年11月14日(日)
イマナニで「源氏物語の読者たち」の情報を見る
敷地内にある茶室は、山崎の合戦で豊臣秀吉公が本陣とした妙喜庵の茶室、国宝待庵を写した本格的なもの。
四季が織りなす素晴らしい風景も楽しんで。
■ 河野美術館
住所/今治市旭町1-4-8
問い合わせ/0898-23-3810
定休日/月曜(祝日の場合は翌日)
営業時間/9:00~17:00
料金/一般310円、学生160円
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アートの島・大三島で芸術の秋を楽しむ
昭和61年、大三島にオープンした「今治市大三島美術館」は、現代日本画の美術館として開館。
昭和後期より現代に至る作品約1000点を収蔵しています。
中でも開館10周年を記念して増設された「田渕俊夫記念展示室」では、本画、素描、下図を展示。
現在の日本画壇を代表する画家・田渕俊夫の作品をゆっくりと楽しむことができます。
2021年12月26日(日)まで「ベリーマキコ・石橋志郎 ふたりの視点」を開催。
「作家と共に歩み共に成長する美術館」をコンセプトに活動している「大三島美術館」にとって、日本画壇を牽引する若手作家・石橋志郎とベリーマキコは、多くの人に見ていただきたい作品がたくさん。
ベリーマキコ「やわらかな時」
大三島を題材にした作品も展示されており、中でも大三島の昔話の絵巻物は必見!
今企画展が初出品の新作も見所のひとつですよ。
■ 企画展「ベリーマキコ・石橋志郎 ふたりの視点 Their point of view from KYOTO」
期間/~2021年12月26日(日)
イマナニで「企画展「ベリーマキコ・石橋志郎 ふたりの視点 Their point of view from KYOTO」」の情報を見る
島内にある美術館&ミュージアムをお得に巡るチケット「大三島アートめぐりチケット」も発売中。
料金は3館(ところミュージアム大三島・伊東豊雄建築ミュージアム・岩田健母と子のミュージアム)/一般1,000円、学生500円。
5館(上記+上浦歴史民俗資料館・岩田健母と子のミュージアム)/一般1,500円、学生750円。
※有効期限は購入日より1年間
「アートの島」を思いっきり楽しんでくださいね!
■ 今治市大三島美術館
住所/今治市大三島町宮浦9099-1
問い合わせ/0897-82-1234
定休日/月曜(祝日の場合は開館、翌日閉館)
営業時間/9:00~17:00
料金/一般520円、学生260円
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SNS映え写真が撮れる! 遊びと学びの美術館「あかがねミュージアム」
幅広い世代が創作活動や美術展を楽しむことができる総合文化施設として2015年に開館した「あかがねミュージアム」。
豪華絢爛な太鼓台が展示されている「太鼓台ミュージアム」や「シアター」、「にいはまギャラリー」では、新居浜市の歴史や地域文化を学ぶこともできます。
市内各地区の太鼓台を順番に展示(2~3ヶ月ごとに入替)
360°の映像と迫力のある音、声優・水樹奈々のナレーションで太鼓祭りの臨場感を体感することもできます。
新居浜祭りだけでなく、毎日上映されている360°シアターでは、別子銅山を舞台にしたアニメーション「別子太平記」を上映中。
ジブリの動画家・近藤勝也の作品をVRで楽しむことができる「近藤勝也eミュージアム」など、アミューズメントの要素も魅力のひとつです。
また2021年10月23日(土)~11月3日(水・祝日)まで「新居浜市美術展覧会」を開催。
展示会やヨガ講座。
親子で陶芸や生花、シーズンに合わせた創作に挑戦することができるワークショップも随時開催されているので気になる人はHPをチェックしてみてください。
あかがねミュージアム 公式HPはこちら
随所にSNS映えするスポットもあるので、撮影も楽しんでくださいね。
■ あかがねミュージアム
住所/新居浜市坂井町2-8-1
問い合わせ/0897-31-0305
定休日/月曜(祝日の場合は翌日、第一月曜開館、翌火曜休館)
営業時間/9:30~17:00
料金/入館料無料 ※展覧会、イベントにより異なる
イマナニで「あかがねミュージアム」の情報を見る
「八幡浜市美術館」で開催中の、今年生誕100年を迎える写真家・石元泰博に迫る!
八幡浜市民の文化・芸術活動、ボランティア活動等を支援するための施設「八幡浜市民文化活動センター」の1階にある「八幡浜市美術館」では、市が所蔵している美術品を展示したり、特別展を開催したりしています。
天井が高く、広々とした空間は美術鑑賞にぴったり。
落ち着いた雰囲気の中、作品を鑑賞することができますよ。
そんな「八幡浜市美術館」では、今年生誕100年を迎える高知県ゆかりの世界的写真家・石元泰博を紹介する展覧会を2021年11月3日(水)まで開催中です。
「高知県立美術館」が所蔵している石元作品群の中から「シカゴ」「東京」「桂離宮」「伊勢神宮」など代表作を中心に143点を展示。
『東京 こども』1953-57、高知県立美術館蔵、©高知県,石元泰博フォトセンター
『シカゴ こども』1948-52、高知県立美術館蔵、©高知県,石元泰博フォトセンター
『伊勢神宮 内宮 宇治橋鳥居』1989/93、高知県立美術館蔵、©高知県,石元泰博フォトセンター
日本写真界だけでなく芸術界にも大きな影響を与え、1996年には文化功労者となった人物の作品に迫ってみませんか。
■ 八幡浜市美術館
住所/八幡浜市62-1(八幡浜市民文化活動センター1階)
問い合わせ/0894-21-3335
定休日/月曜
営業時間/10:00~18:00
料金/一般500円、高校生以下無料
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イマナニで「生誕100年記念 高知県立美術館所蔵 写真家・石元泰博の眼」の情報を見る
「道の駅みま」併設施設で、三間町と縁のある人物の作品について学ぼう
三間町名誉町民である版画家・畦地梅太郎と、井関農機の創設者・井関邦三郎を顕彰すると共に、地域文化の振興を目的として建設された施設「畦地梅太郎記念美術館・井関邦三郎記念館」は、「道の駅みま」に併設されています。
版画、素描、原画・肉筆画など約400点を所蔵しており、年に4回展示替えを行っている当館。
現在は「畦地梅太郎下絵・版画展-版画の始まりと終わり-」を開催中です。
親子の水(1974年制作)畦地梅太郎
版画家・畦地梅太郎の描いた下絵(原画)と、その下絵をもとに制作された木版画を並べて展示。
下絵と木版画を見比べ、梅太郎が作品制作を行う際の工夫を味わってみてくださいね。
ミュージアムでは、畦地梅太郎の美術館オリジナルグッズも販売中です。
美術館オリジナルグッズ「キャンバストートバッグ」
左からMLサイズ「鶴島城」(1,700円)、Mサイズ「山道」(1,400円)、Sサイズ「ささやき」(950円)
美術館オリジナルグッズ「クリアファイル」
左から「ひとやすみ」、「赤い帽子」、「白い像」、「よろこびの山」(各200円)
グッズの購入だけも可能ですよ。
■ 畦地梅太郎下絵・版画展-版画の始まりと終わり-
期間/~2021年11月8日(月)
イマナニで「畦地梅太郎下絵・版画展-版画の始まりと終わり-」の情報を見る
2021年は、館内整備及び展示替えのため11月10日(水)~11月15日(月)まで臨時休館。
※11月9日(火)・11月16日(火)は通常の休館日
開館日である11月17日(水)~翌年2月7日(月)まで、宇和島市出身の水彩画家・井関喜代の作品について知る「井関喜代水彩画展 感動を彩る」を開催予定。
冬間近(2014年制作)井関喜代
「暮らしの中の感動を彩る」をテーマに、花や果物、野菜など日常の中にある季節を彩るモチーフを描き続けてきた井関喜代。
日々の暮らしの中で出会った感動を一緒に感じてみましょう。
■ 井関喜代水彩画展 感動を彩る
期間/11月17日(水)~翌年2月7日(月)
イマナニで「井関喜代水彩画展 感動を彩る」の情報を見る
「道の駅みま」では三間町を代表する特産品「みま米」をはじめ、栽培履歴を確認できる地元野菜や地域の特産品など多彩な商品を販売中です。
みま米の炊き立てを食べられる体験メニュー「かまどDEみま米」も人気なので、訪れてみてくださいね。
(道の駅みま TEL/0895-58-1122 休館日/1月1日 営業時間/9:00~18:00)
■ 畦地梅太郎記念美術館・井関邦三郎記念館
住所/宇和島市三間町務田180-1 道の駅みま併設
問い合わせ/0895-58-1133
定休日/火曜、1月1日、その他臨時休館あり
営業時間/9:00~17:00
料金/一般300円、65歳以上・大学生・高校生200円
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奥深きアートの世界に飛び込もう!
愛媛県内にある注目の美術館やミュージアムをご紹介いたしましたが、「行きたい!」と思う場所は見つかったでしょうか。
“きっかけ”がないと、なかなか美術館への第一歩って難しいのかもしれませんが、まずは自分の心が感じた「気になる」を信じて、現地を訪れてみるのも良いかもしれません。
新たな扉がひとつ開けば、次から次へと無限に扉が現れるアートの奥深い世界!
秋の美術館巡り、ぜひ楽しんでみてくださいね。